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「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~(第10話)」ちょっとラストは慌ただしいし、エピローグは欲しかったかな

最後に慌ただしく空港に飛び出していく西島秀俊。家族の問題を解決はしていったが、離婚に至ったのはどうなのだろうか?確かに、芸術家同士の結婚などというものは、なかなかうまくいかないだろうし、自分の未来を常に探っていくのなら、配偶者は誰かなどということに関わってる場合でもないのだろう。

そして、ラストの芦田愛菜の笑顔は満面だった。前回も書いたが、やはりこの顔を早くドラマの中に取り込むべきでしたよね。そして、西島のいい加減でもあり、音楽に対しては全力の人格をもっともっと大きく描いて欲しかった気がする。ラストに今までの主要なメンバーとのやりとりが出てくるが、これがやはり少なかったよね。多くの人が音楽というものに好きで携わり、その形というか位置を西島によって膨らませた感じがもっと欲しかった。

そういう意味では、皆で演奏する曲数も少なかったし、それぞれに対するこだわりももっと欲しかった気はしますよね。そういうのがもっと描けてというか、西島との思い出が短い期間で溢れるほどあって、それでこの送り出す感じにつながっていれば、もっともっと素晴らしいドラマになったかも知れない。

今は、クラシックの世界が、ネットのストリーミング視聴のおかげで、実に身近になってきている。こういうドラマがきっかけでちょっとそこに触れ合えば、ここでの西島青年の話ではないが、指揮者やってみたい!みたいな人は無数に湧いてくるのではないか?そう、こういうドラマがクラシック界の底辺も広げるのだ。

まあ、そこに一番近い話が、當間あみの話なのだが、最後にマエストロをやってしまう画、なかなか貫禄があり、楽しそうで良かったです。これから数年後、10年後の彼女がどんな感じで音楽に接しているかは楽しみなところ。そういう意味では、ラストに西島との思い出を入れるよりも、彼らの数年後の風景を描いて欲しかった気もする。そして、その時にまだ晴見フィルが生き続けていることを明確にしたエピローグが欲しかったですね。

このドラマは交響楽団が主役のドラマだったわけです。そう考えると、ドラマ自体がそこをうまく描いていなかった感じは残念だった。家族という交響楽と一緒に描こうとしたのに無理があった感じはある。だが、西島秀俊や石田ゆり子という役者たちに支えられ、日曜の夜に、明日からまた元気出していこう!というドラマにはなっていたかな?

続編は難しいかも知れないが、スペシャルドラマで、皆さんのエピローグ見てみたいです!スタッフの皆様、よろしくお願いします!

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