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「366日(第3話)」つまり、12年間の彼らの心の穴埋めと未来へ向かっての何か?みたいなドラマなのですよね

清水友佳子の脚本としては、初動がもたついているなと感じたが、やっ、。この3話から本領発揮という印象を受けた。前回、広瀬アリスと病院でたまたま遭遇した、綱啓永が、友人の輪の中に戻ってくる話。こういうのは、やはり好きである。

雰囲気的には「白線流し」的なものを感じるが、高校を卒業して12年目。ある意味、社会というところで、もまれた後で、高校時代は良かったな的なことを思い出す時期であるのかもしれない。そんな、彼らのいろんな心の葛藤を描きながら、そう、もがいているようなところを描きながら、そこに見えてこない質問の回答を示すような話である。この3話の脚本、なかなかグッドジョブでした!

まだ、眞栄田郷敦はぴくりともしない。だが、皆が彼の目が覚めることを信じるようになってきた感じの中でドラマが動き出す。その中で、各々の高校時代と今の生活の苦悩をシンクロしながら描いていく感じなのだろう。そんな中で、眞栄田が出店のコーディネートをしていた店の壁にに特別な画か何かを飾ろうとしていたという情報が、前田の同僚から流れてくる。そして、妹の中田青渚に協力を求め、その謎を探るために、前田の部屋を探すことに。

そして、仕事のファイルから見つかったのが「NO3」という表記。それは、綱が高校の時に写真部で、賞を取った作品の題名だった。そのことに絡み、廃部に追い込まれそうな写真部を救ったのが、眞栄田と坂東龍汰だったり、彼ら5人組の中で、いつも綱が写真を撮っていた風景が映し出される。そして、彼の笑顔が印象的に描かれるのが良い。

その綱の会社を訪ねる広瀬。写真のデータは消してしまってるといい、パネルも自分は持っていないという。そして、その眞栄田のオファーにあまり乗り気ではなかったような感じであった。それでも、諦めずに故郷を訪ね探し歩く広瀬だったが、見つからない。

そんな中で、他のみんなが知らない綱と眞栄田の確執みたいなものが語られる。綱の家は卒業時に金に困って、進学もままならない状況に追い込まれていた。そこに、母親が新しい父親を連れてくる。そんなことで、心が惑う。眞栄田は綱に金を貸してあげようとするが、その行為がきっかけで彼らは疎遠になっていたということ。

そんな12年前のことが、綱には色々とつっかえ棒のようになり、他の友人たちと会わなくなっていたということだ。だが、彼の笑顔は、みんなの心の中に残り続け、今がある。彼のその笑顔を見たいと思う友人たちの気持ちはわかりやすい。人の笑顔というものはそういう思いの中にも残る。だから、大事なのだ。人間だけが持つ笑顔というものをドラマに入れ込むことはすごく大事だし、難しくもある。

そして、その写真のパネルが見つかる。それを写真部の顧問の先生が持っていたというのは、それが生徒のかけがえのない思い出だったからだろう。そういうものの価値がわかってくれる人の元にそれがあったという話は、意外に涙腺を誘うのだが、ドラマでは意外にあっさり扱っている。それでいいのだろうが・・。

そして、その食堂が開き、友人たちが集まった中に綱が現れる。照れた顔はいつの間にか、大きく飾られた写真とともに、笑顔に戻る。このシーンは堪らなく良いですよね。

で、綱の恋人(高田里穂)が眺めている本の中から、広瀬の写真が落ちてくる。綱が広瀬を好きだったということなのだろうが、そこからもジェラシーこみのドラマが生まれる。そんなことを考えると、結構、この4人の中に伏線的なものがここまでに放り囲まれてるのですよね。

で、次回予告で眞栄田が目を開けているが、それはリアル?そう、ドラマ的には面白くなってきそうな中で、眞栄田をどこで目覚めさせるかは大事なところなのだろう、多分。

1、2回で、今ひとつ、つまんないなと思わせたドラマが一気に興味深くなってきた第3話でした。桜の写真、期待を裏切らずに良かったです。


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