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「自転しながら公転する(第2話)」私たちはどこに向かっているんだろう?という浮遊感がうまく描けている

前回は、藤原季節が松本穂香の家を訪ね、松本の両親にあい、中学卒の学歴と、今無職だということを素直に話すところまで。ここで、藤原がちゃんと手土産を持ってきたりする常識があったり、調理師免許を持っていて、料理の手際が良かったりするところが出てくるところで、見ている方としてはそんなに不安は感じない。というか、昔のこういう話に比べれば、人間性がしっかりしてればいいだろうとも思う。そう、大学を出たって、人間失格みたいに言われる輩は無数にいるのだから。でも、基本の学歴にこだわるのは、牛久という首都圏に近い土地柄もあるだろう。

そして、今回はそこから、すぐに父親の神保哲夫が茶の間で倒れる。そんな状況でパニックにならずに救急車を呼んで的確に対応する藤原。こういう機転が効くところも、この主人公はかなり優秀だ。というか、昨今の青春ドラマでここまで人間的にちゃんとしてる男はなかなか描かれない気もする。

そんな藤原が、松本の誕生日に高価なネックレスをプレゼントする。松本は気にいるが、その値段を知って、藤原に意見し出す。その金銭感覚がダメだと。人というのは、良いところより、ダメなところが気になって仕方ない。そういう、よくある人間の素養というか表情みたいなものを演じさせたら、松本穂香は若手女優の中ではずば抜けている。そのくらい、素の一般人を普通に演じられる女優さんであり、その大きな目の表情でいろんなことを語ってくる。そういう意味で、この役に松本を配したのは正解である。

そんなことで、二人は仲違いをするが、そこで藤原も反省し、ネックレスを返品し、松本に一緒に熱海に行こうとかいう。あくまでも、「金色夜叉」にこだわる話だが、もう少し、それにシンクロするようなところが欲しいかなとも思う。でも、そうすると松本穂香はダイヤモンドに目がくらむわけで、そういうことはないですよね。

まあ、ベトナム人の金持ちの留学生の長谷川慎が松本に「結婚してくれ」とか言ってますが、それを受ける流れはないですよね。で、この長谷川君、この間は「シガテラ」で耳をちぎられる不良の役をやっていたが、ここでは優しいベトナム人。なかなか、色々に演じられるいい役者ですね。本職はダンサーみたいですが、俳優として結構使われていきそうですね。

とにかくも、藤原は東京に就職が決まる。そういう就活するところもしっかりしてるわけで、やはり、彼はいい奴である。そんな彼に松本はついていくのか?それとも?というところ。親の介護や身体の心配もありますしね・・。

地方の現状みたいなものも感じさせながら、ドラマは淡々と進むが、主人公二人に幸せになって欲しいみたいに感じられるのは良い。次回はラストだが、良き終わり方を期待します。


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