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「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!(第6話)」原田泰造のアップデートが終わりかけたところで、化石がやってきた!

本当に、40年前に比べたら、日本の会社風土は変わったよね。だからこのドラマとか「不適切にもほどがある」というようなドラマが成立し、それがコメディとして見えてくるわけだ。

今回は、最後に原田泰造一家が初めてだよね、4人で食卓を囲むという風景が描けて、ある意味、原田のアップデートもほぼ終了という感じでエンディングかと思ったら、冒頭で会社に来て、パワハラ、セクハラ、し放題だった渡辺哲が移動になって東京に来たという流れ。いや、アップデートしたはずの職場が一気にタイムマシンに乗せられた感じで震える。

まあ、時間が止まったままの親父たちを容認していると、時にタイムマシンなしでも過去に戻ることができるというお話ですな。そして「不適切にも〜」でもそうだが、多分、脚本家としては、こういう昔の言動や風習を現代に書き込んでいくのはすごく面白いはず。ある意味、年齢いった脚本家にはストレス解消になりますよね。そう、この役を演じてる渡辺哲も楽しいだろう。ある意味、明治時代後半に、江戸時代が懐かしいなみたいな感じに近いのではとさえ思ってしまう。そう、日本はいつ二度目の大政奉還をしたのだと思えるくらいなのだ。

今回は、前回の原田がしたアウティングがパーティーをめちゃくちゃにした後始末から。みな、原田がそんなこと知らなかったのはわかっていたわけで、仕方ないよ状態だが、壊れたケーキが痛々しかった。そして、その後夜の犬の散歩で、中島颯太と東啓介にあい、再度謝る原田だったが、東は申し訳なさそうに、自分が親に正直にこのことを言えないことで悩んでいたりしていることを原田に吐露する。そう、世の中、皆悩んでるから、軽々しく色々いうのはダメな時代ではあるのだ。このゲイの話はここからどう解決していくのかは興味深い。

そして、息子の城桧吏は、外のメイクアップ講座に出席する。引きこもりだった彼がすごい進歩だ。そこで、同級生のプロ目指す並木彩華に会う。彼女と話すうちに城の心が動くのが読み取れる。前回は並木が城に意見していたが、時間が経って、ちゃんと並木が城のことをセンスがいいとか言ってくるのは、最近の若者像として描いてるなら、心地よいですな。

で、アップデートの話があまり関係なかった母親の富田靖子は、お弁当のコンテストで最優秀賞を獲る。だがそのメニューを「美味しい」とも言ってくれない家族。自分の存在感に疑問を抱く。こういうのは、昭和の母親の普通の姿だったのは確かで、そういう人も最近では少なくなったのでしょうな。そして、富田が卒業して出版社に入ろうとした話などが出てくる。そう、富田みたいな専業主婦に近い人が、人生の再チャレンジしてもいい時代でもあるのだ。そんな気持ちを知った家族が、プレゼントに韓流スターのコンサートのチケット獲得作戦に出るのは、なかなか泣ける。そして、見事ゲット。そして、家族は仲良く食卓につくという、最初に書いた話に戻る。

そんな中で、娘の大原渚が、プロの漫画家になるかどうか悩んでるのもよくわかるし、そう、この一家4人の心象風景がちゃんと描かれていることで、このドラマはしっかりと地に足をつけた感じにはなっている。

さあ、だから、渡辺哲とどう向き合うかは楽しみでもある。彼をアップデートできるか?それとも、ゴミ箱に捨ててしまうか?どうする原田さん!


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