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「あなたがしてくれなくても(第4話)」気づいた時には、もう心が離れかけている現実・・。

「もう指一本触れないから、そばにいてくれ」そんな無理な発言をしてしまう岩田剛典。彼が奈緒にあげた砂時計は三分計。二人の逢瀬にはタイムリミットがあるんだよというような感じだが、それは、限界突破のスイッチが入ってしまった瞬間にも見える。

指一本触れないといえば、会社のエレベーターで指を絡め合うカット。このドラマ、演出は流れに応じてすごくいい画を紡ぎ出している。こういうところで男女の位置関係を見せていくことで、気持ちの近づき方がわかるみたいなのは、後で見返したくなる不倫ドラマとして秀逸。そして、そこに絡む音楽も良い。スタッフ、キャストの力の入り方は今期のドラマで最も強く見えるドラマだったりもする。こういうの大事である。

先週は、岩田と永山瑛太が二人で奈緒の元に向かうシーンで終わったが、岩田は家の位置を明確に知らなかったようだ。しかし、住所を確認してるとしたらこんなことはないよね。そして、電源を消していたからとはいえ、奈緒のスマホに岩田の履歴が残っていないのは不自然。原作がそうであったとしても、脚本は今の設定に合わせなくては、・・。永山がテレビを見ていて、奈緒が誰かとSNSで通じているのではないか?と疑るのは、なんかこのドラマの繋ぎ方としては面白くない。考えれば、会社内の人と業務的にSNSがつながっているのも普通の時代だしね。そういえば、最近のドラマではスマホのSNSを見られて不倫がバレるというようなシーンは少なくなった気はする。ただ、LINEが繋がった瞬間にオンタイムで見られたらという設定はできますよね・・。こういうところ、時代と共に変わるので、脚本に書くのは注意すべきところなのだが、古いドラマ見てて、古い設定自体が懐かしいみたいなものもあるか?どちらにしても、SNSはドラマの空間を繋げるのに便利だが、安易に使うと興醒めするところでもあるというところだ。

で、今回は研修旅行で、岩田と奈緒が一つの部屋で抱きしめ合うまでの進展。その前に永山が気にしていた「こと座流星群」は関係なく、オリオン座の話になるとは、その辺のシンクロは考えて欲しいかなとも思った。

そして、永山が勘づくと同時に、田中みな実も勘付き始めている。そして、仕事がうまくいったから、早く帰って食事を作ろうなどと考える。そんな時間に岩田は奈緒と会っているわけで、こういうシンクロするかしないかというのは、現実の不倫も同じだと思う。ある意味、不倫の現場で出くわすというのは、まだシンクロする縁があるのだから、現在を持続する先が見えるとも言える。

そう考えると、この奈緒と岩田の行動がつれあいに見られないままに、潜りながら続けば、自然に現状の男女関係は壊れていくだけというもの。それでは、ドラマにならないので、いつ現場につれあいを対峙させるかというのが興味深いところですよね。

とにかくも、この4回目までは、4人の心象風景だけで、その距離感みたいなものをうまく描いてきたというところ。ここから、どう4人が未来を作っていくのかの部分の描き方で、このドラマが傑作になるかどうかは決まるのだろうと私は考える。

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