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「めぐる未来(第10話)」辻褄合わせ的なハッピーエンドの向こうにも幸せがあるとは限らない・・。

ある意味、前回の悲惨な顛末でエンドマークにしてもそれはそれで成立したかもしれないが、それでは、全ての事件が、その当事者を陰鬱に追い詰めるだけなので、世の中ってそんなに陰鬱でもないのでは、という感じのこのエピローグを引っ付けた感じ。ドラマ的には、全く違うパラレルワールドを描いてるだけで、それがそれなりに幸せに続く道だという感じで終わる。まあ、辻褄合わせでしかないこのラストに、感動する人は、タイムスリップものの通ではないだろう。そう、時空の歪みなどなかった終わり方では面白くないのだ。

今回は、萩原利久がいわゆる事件の元になった中学生時代に飛び降りを阻止した時間の前に戻る。そして、今回はその飛び降りを見過ごして通るということになるのだが、それでいいのか?このパラレルワールドで、この父親は本当に悪いやつなのかもよくわからないからだ。後々の話を見ると、微妙にいろんな人の立ち位置が変わってるのに、この最初のこの行動はそれでいいのか確認しないのはやはりダメである。最後も香音が早見あかりに偏愛してるかどうかを確認しないと、また、同じループに入るとも思える。そう、香音のストーカー犯罪は、飛び降り自殺とは関係ない話ですしね・・。

そう、このパラレルワールドのあり方だと、全ての悪人が善人変わってる感じもあるが、それなら、最初の飛び降りようとした父親もここではいい人かもしれない。萩原利久、脇が甘いよ。

で、今度の人生(この辺りは完全なブラッシュアップライフ状態なのも変なのでは?)では、早見あかりの方が暗い人生を歩んでいて、昔の事件のことで、加害者だった男に脅されて金を貢いでるって、どんな状況よ。この原作者って、本当に奇妙で洒落にならない悪い話を乗っけてきますよね。こういうのは話を作る時点でかなり危ない感じがする。

だからなのか、最後に前回血を見るだけだった家族が仲良くパン屋さんをやってるって、「幸せそうで良かったね」でなくて、そこのパンに変なものが入ってそうな余韻を感じる方が強いと思うのだよね。そういう意味で、このラストは全く、前回のお口直しにはならない。そして、萩原利久と早見あかりが幸せそうになってることが、気持ち悪かったりもする。愛があるからいいということか?

それは、やはりパラレルワールドをSF的解釈でしっかり描けていないことと、ドラマの中で起こる事件が凄惨すぎたところにもあるだろう。私的には、世の中はパラレルワールドとして存在しているものだろうとは思ってるが、どの世界であろうと、見ている世界は自分が作ったものという説に同調するわけで、ここに出てくるような凄惨な事件を起こす出演者を出してしまう心はかなり幸せとは真逆に動いている人に見える。そんなことも含め、構成としてへたっぴーなドラマだったということだと思うのだが・・。

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