見出し画像

「リバーサルオーケストラ(第4話)」家庭と音楽の両立。そして、それを思うオケの温かさ

ラストで飛び込んでくる相武紗季。こう言う新しいキャラを最後に登場させて続けるのは連ドラの在り方としては王道。必ず次を見るように視聴者は導かれる。そして、この中盤で、最後のホールの柿落としは「オーケストラ対決」などと口走ってしまう市長の生瀬勝久。これで、観る側の目標みたいなものも定まった感じで、面白くなってきた。

そして、今回の主役は濱田マリの家庭問題。娘の受験と父親の意見に逆らえないことで、音楽を練習をする場所もない濱田。つまり、家庭と仕事のバランスがうまく取れていないと言うこと。こういう問題はオーケストラを続けながら家庭を持っている人には多くあることなのだろう。

その話の発端を田中が濱田のビオラの楽器の音に感じるというのはなかなか興味深いところ。確かに寒空で河川敷で楽器を鳴らしていたら、こういう弦楽器はいろんな支障をきたすのだろう。冬の乾燥も大敵?とも思える。そして、そこからオケの皆が心配する話に展開していく。

そして、同時に出張オーケストラの話が出て、田中も同意して、新しいプロジェクトが始まる。こういう流れの中でオケのチームワークも良くなってくるという流れ。これもこういうドラマの王道ではあると思うが、なかなかうまく最後の高校でのサプライズ演奏につなげている。

そして、ドラマの盛り上がりとして、前回同様に演奏を持ってくるのは心地よい。音楽はドラマの中で本当に重要な働きをすることがよくわかる。ある意味、ドラマ作りもオーケストラのようなもので、多くの人の最善の仕事の総合力で成立していくものだ。そう考えれば、役者さんたちは、楽器がしっかり弾けなくてもその感情は出せるのだろう。空気感だけは毎回盛り上がっている感じには見える。

そして、今回の主役の濱田さん。こういう、庶民的なお母さん役は珍しい気はするが、なかなかいい雰囲気で演じていた。娘役の凛美さんもなかなかいい表情をする女優さんで、これからが楽しみな感じ。彼女が母親を紹介するところは少し涙腺が崩壊しそうでした。

とにかくも、一人一人の団員の心情をしっかり描きながら、ラストの演奏に奇跡が起こるみたいな持っていき方なのでしょうね。そんな中、今回は答えが出ませんでしたが、定期演奏会で演奏するチャイコンは、門脇麦にとっては演奏をやめたきっかけになった曲。それを選ぶ田中には、確実にそれを乗り越えさせたいという気持ちがあるのでしょう。さらりと、こういう精神的な刺激を与えていく話を入れ込むのも、ある意味ドラマ的にはうまい進め方だと思ったりします。

あと、ドラマの中で津田健次郎のやっている妨害の描き方がそんなに強くないのもいいですね。これが強くなりすぎると見ていて辛くなりますから。そう、ドラマの終わりの演奏が終わった時の田中圭の笑顔を見たら、そんないじめな話はどうでもよくなる感じが私はとても好きです。

この記事が参加している募集

テレビドラマ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?