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「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!(第4話)」家族が待ってやれても、世間が待ってくれない

今回は原田泰造の息子の城桧吏が、引きこもりからの学校に久しぶりに行く話。しかし、学校というのは、不特定多数の人々と触れ合わなければならず面倒臭いものだと思った次第。こういうドラマを見ると、長い間、自分が学校に通うことができたのは奇跡ではなかったかと思ったりもする。まあ、社会に出れば、それ以上に変な輩がいっぱいいるわけで、人間って大変なのねと思うし、引きこもる人々に、「君は間違ってない」という感じでもある。

そんな、引きこもりの心象風景を、結構リアルに描いているのがこのドラマではある。そんな、1日の登校の結果、まあ、疲れるという状況があり、さあ、次はどうするのという感じだが、それをみて、原田と娘の大原梓が「家族が待っていても。世間が待ってくれないだろう」とか「世間が待ってくれないから、家族が待っているフリしてるんじゃない」とか、なかなか奥の深い禅問答を繰り返し、終わるのは、しっくりきた。

登校の場で城が原田にいう。「男っぽくとか乱暴なのが嫌いだ。可愛く綺麗になりたい」彼は、男であることに違和感があるわけではないのだ、その世間一般が考える男という決めつけに対し違和感があるわけだ。そういうのは、男はズボンで女はスカートみたいな決めつけから始まって、そういう時代を長く過ごしてきた中で今があるわけで、まあ、面倒臭い。

でも、メイクが好きで学校のギャル軍団と仲良くなるのはいいが、その中にコスメ好きな男が存在しない以上、昔とは変わらないし、こんなギャル軍団と群がれる男もいないだろう。そういう意味では、男らしく女らしくというような議論がないまでも、男と女は基本、違う生物的なものを感じたりするよね。

そして、ギャル軍団と仲良くしてメイクを教えれば、今までそこで学内ビジネスを行なっていた女子に非難される。まあ、面倒臭いというか、ただでさえナイーブな状況で、こんな女子に言いがかりつけられたら、そりゃ、落ち込むよね。そう、城の落ち込む気持ちがよくわかるところが、このドラマのうまさではある。ここから城に対し原田がどうしていくのかは興味深い。

そんな原田も、会社では残業が多いと非難される。昔の考えでは、精神論でなんとかなったが、今はそれが効かない時代。実際、組織であり、給与をもらう社員を束ねるのは昔以上に大変でしょうな。そして、パワハラだセクハラだと言われ、常にビデオやを撮られたり、録音されたりですものね。本当に面倒臭い。だから、その見えない面倒臭さを「ビースケ君」で処理していくのは分かりやすかったりもする。

でもね、面倒臭いと思うのは癖がついていないからなのですよね。本当に、いろいろと日常にある不可解さを考えさせられる良いドラマです。多分、「不適切にもほどがある」というドラマも、描きたいベクトルは一緒なのだと思うのですよね。この2つ、一緒に見て、自分のアップデートすることを世のおじさんたちに提言いたします。

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