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「さらば、佳き日」性のアンバランスゾーンに引き込まれるストーリー

今週で2回目のドラマ。この間まで「弁護士ソドム」にも出演中だった山下美月。テレ東には気に入られているらしい。濱田岳を恋する「じゃない方の彼女」というドラマもあった。今、23歳。かなり色気も出てきた中で、またまたテレ東深夜ドラマで主演。初めはそれほど個性的には見えなかったが、最近はなかなか女優顔になってきた。乃木坂出身者は西野七瀬も良くなってきたが、彼女がそれに続く感じである。

茜田千のコミックが原作。兄(鈴木仁)と山下との兄妹の恋愛劇を中心に、ゲイも絡んでいたりして、現代の性の暴走画図的に、コミックだから面白く描けそうな世界である。一昔前なら、こういうものをドラマ化するのは違和感があったが、昨今は、それほど異質に見えなくなってきているのは、いいのか悪いのか?というところ。私自身がそういうものにそれほど嫌悪感を抱かなくいますものね。とはいえ、現実でゲイの人に会うと、いまだに逃げたくはなりますが・・。

中心は、鈴木と山下の兄妹のプラトニックな長年続く愛の物語だ。そんな二人が、いい歳になって同居(同棲とはかけないよね)することになる。なかなか、今の二人にはいつ一線を越えるか?みたいな空気感がある。この辺りの雰囲気の出し方はなかなか上手い。

しかし、話が過去と現在を行ったり来たりする作りなので、視聴者は一つのところに安住できずに少し振り回される感じ。そんな二人に絡んでくるのが、鈴木の友人の伊藤あさひ。ゲイであることをカミングアウトしているが、鈴木への思いは打ち明けていないようだ。その伊藤の幼馴染で、山下の同級生役が加藤小夏。ここまで見ていて、山下とは違った感じの美少女で、なかなか雰囲気を持っている子である。夏帆に似ているようにも感じるが、彼女の若い頃ともまた違うテイストを感じた。この子が出ていることで、このドラマは見続ける感じになった。

とはいえ、やはり、主人公を演じる山下美月の演技に注目というところだろう。今年の初めまで朝ドラ「舞いあがれ!」に出ていたが、最初は福原遥とあまり変わらない演技に見えた彼女が、最後には福原とは違う人格として存在していたのはなかなか面白かった。ある意味、役者さんはいかに役になりきるかというところが必要なのだと思うが、山下は、微妙な役の違いや変化をしっかり演技で見せていたと感じたのだ。最近はゴールデンのドラマの脇役も多いが、山下美月が出ているなという印象を明確に主張しながらも、役に馴染んでいっているのがいいと思う。「弁護士ソドム」は最後まで玄里に嫉妬してる役だったが、そういう可愛さみたいのを表現できるのもまた役者としては印象的だった。アクションもしっかりこなしていたし、ここでもさらに期待というところだろう。初回で、鈴木の大学の同級生の高月彩良に少し嫉妬し、落ち込む感じの演技もなかなかうまかったしね・・。

話はまだ、なかなか加速がつかないが、どんな刹那い恋物語が展開していくのか?楽しみではある。


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