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「18/40~ふたりなら夢も恋も~(第10話)」なかなか綺麗なハッピーエンドに心現れました。

先週、別々に暮らすことを決めた、福原遥と深田恭子。今週ラストでは、福原の鈴鹿への告白、そして、深田の上杉への告白、そして、深田と上杉の結婚式と続き、ドラマとしては、ハッピーの連続の中で、最後は5年後。4人がとびきりの笑顔で出てくることで、幸せを感じさせる。なかなか、最近では珍しい、幸せ一杯のドラマとしてエンディングを迎えた。コロナ禍だったことを吹き飛ばす感じでよかったです。

ドラマの初動は、深田と福原の違う世界を描くことが今ひとつぎこちなさを感じさせる部分も多かったが、描きたいことをしっかり描きながら、最後は視聴者も二人を応援できる形に持っていた脚本はなかなかお見事。月曜日のママごと恋愛ドラマにも、成長とともに、このくらい幸せが溢れる感じが欲しかったですよね。

最後に、深田が福原の母(美村里江)を知っていたというサプライズは、ドラマの中の縁を有機的にし、ドラマ全体にコクを出した感じがした、素敵なエピソードだった。こういう素敵な話をどのくらい本筋とは別に加えられるかが連ドラの脚本としては重要なことと言っていいだろう。

とはいえ、初動の部分で福原と深田が一緒に住むところまではなかなか強引な流れだった気がする。だが、福原の父親の安田顕のそれなりの対応でなんとか出産までたどり着いた感じ。もちろん、産後は深田の母の片平なぎさのおかげもあり、子供にはこれ以上ない環境ができ、恋愛の話をスムーズにできる状況にしていったのは、物語の構成のうまさだろう。ある意味、シングルマザーでも、理想の親と祖母祖父がいれば、今はそれなりに子育てはできるという図式なのだが、あまりにもファンタジーに見えてしまった人も多かったかな?だが、未来の子育ての理想はこういう感じなのだろうと私は見た。

とはいえ、子育てと恋愛の話を軸にした脚本は、バックグラウンドで二人を結びつけたアートの蘊蓄にはあまり触れなかったのは残念なところ。福原がクレーの絵画を愛するキャラ設定をもっと深掘りしていって、絵自体をうまく使えなかったのか?最後にギャラリーを開く深田だが、深田の絵の好みももうひとつ前に出てこなかったのも残念。このドラマを見て、キュレーターになりたいと思う人が増えるような描き方は欲しかったかな?

で、私的にドラマの収穫に見えたのは、上杉柊平。なかなか元プロ野球選手という役が似合った体型。それに、似合わず、少しシャイな表情は、これから色々と使われていきそうな俳優である。期待大。

そして、福原遥は、「舞い上がれ」の時よりも、また一つステップアップした感じの演技であった。まだまだ、伸び代はあるが、連ドラ主役を続けるだけの器量があるか?というところですね。今回は出産の演技もしたが、大人の演技がどこまでできるようになるかが鍵ですかね?


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