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「366日」広瀬アリスx眞栄田郷敦という見た目濃い役者をそれより濃く描くことができるか?

今年に入り、月9の迷走は永野芽郁の起用で止められるかと思いきや、私が思いもしない世界に飛んでいってしまった感じで、何がやりたいのかさえよくわからない状態になっている、というか、CXの作り手がもうこの枠にこだわってないということもあるのだろう。どう足掻いても大ヒットということにはなりにくいでしょうしね。そして、多分、月曜から恋愛ドラマみたいなのを見る気分の人が少ないとも考えられる。そう、その時間にあったドラマというものも消えつつ今に、ここでどう踏ん張ろうと考えているかは興味深いところではある。

で、この作品、HYの楽曲「366」をモチーフにしたオリジナル作品だという。脚本は、「最愛」「リバーサルオーケストラ」などオリジナルを描き続け、それなりにしっかりした仕事をしてると私が思っている清水友佳子。彼女がどういう世界を紡ぐかということだろう。

ということで、この楽曲を知らなかった私はまずは聴いてみる。そういうことが簡単な今に感謝である。だが、なかなか歌声に訴える力はあるものの、詩の内容は、重ささえ感じる失恋ソングだ。そして、失恋しても思いが続いている話。そういう意味では、多くの人に、「そうだよね」と言わせるシンプルさはある。だが、これを出発点としてドラマを紡ぐのはなかなか難しいとは思った。

初回は、出演者の今の生活の紹介。そして、彼らが12年後に出会い、そしてそれぞれにまた生活が交錯していく感じの流れをそれなりにうまく描いていた。まあ、昔見たことのある青春ドラマという感じでもあるが、そういう紋切型が安心できるとも言える。

で、主役は広瀬アリス。「マイ・セカンド・アオハル」では、相手役が年下の道枝駿佑だったこともあるが、三枚目の顔の方を存分に使いながら演技していたが、今回はかなりシリアスな役なようだ。そこで、彼女がどう前に出るかは、彼女の女優としての今後にとっても結構重要な感じもする。

そして、相手役は、久々に見た眞栄田郷敦。広瀬と似たように、ハーフでもないのに濃い顔をしている彼。彼も「エルピス」の演技を見ているので安心して見ていられるのだが、今回は少し暗めの印象を持つ青年。また、新しい部分が見られることを期待する。そして、初回の最後、思わぬ事故で病院に。死んではいないようだが、障害が残る話?12年ぶりに出会った2人の恋愛物語かと思いながら見ていたから、この初回の展開で全く先が見えなくなった。それはそれで面白い。あくまでも、眞栄田と広瀬の役者力でドラマを持ってく感じなのかな?

そして、青春ドラマといえば、周囲の友人が大事である。広瀬の仲良しの長濱ねる。「院内警察」からの連投だが、ここでは、前よりも明るい役のようだ。ちょっとまだ長濱と言われないと気づかないようなところがあるが、月9で個性開花してほしい気もする。

そして、社会人野球の選手というなかなか描きにくいような役の坂東龍汰。初回から先輩が怪我で辞めていくシーンがあったが、人生に挫折する役なのかな?そして、初回では顔だけの綱啓永だが、一人お金があるという立ち位置もこういうドラマではよくある感じ。とにかくも、脚本家のお手並み拝見であります。

初回は、広瀬と眞栄田の高校時代の別れの話と、12年ぶりの再会のドラマをなかなかわかりやすく描いていた。もう一つ照れながら、再度、二人が結びつこうとする感じ。なかなか印象的に描けていたし、この2人のツーショットがなかなか画になっていた。それなりに演出にも勢いがある感じはした。

さあ、とにかくも大事な2回目がどう出てくるかですね!


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