玲瓏瑠璃

よろず表現屋*暫定HN&アカウント/短歌及びエッセイの連載歴、絵画、小説、短歌等の受賞…

玲瓏瑠璃

よろず表現屋*暫定HN&アカウント/短歌及びエッセイの連載歴、絵画、小説、短歌等の受賞歴あり/無痛性甲状腺炎を経て療養中(+現在冬季鬱)につき活動極小気味/推定HSS型HSP/文芸叢書CALメンバー/表現含め全てリハビリ中。

最近の記事

隣り合わせ

「お前なんか死んじゃえよ」  彼氏にそう言われたのが最初だった。そういうことを言うやつを、彼氏と呼べるのかわからないが。  昼間から薄暗い部屋で二人、狂ったように貪り合ったときだった。日頃の互いの憤懣をぶつけるような苛立たしい行為のあと、何もかもめちゃくちゃになった部屋を整える気もないまま——何しろここは“そういう”場所だ——、彼は背中を向けたまま、ぐったりしたあたしに向けて言葉を刺した。  そのときは、ああそう、という感覚しかなかった。最中に何度も首を絞められて、意識が途切

    • 女性としての自分を、好きになる

       大人になって、「女性」となって、それでも女性らしくあることに罪悪感めいた背徳を感じる人は存外多いように思う。私もその一人だ。  もちろん逆のパターンもあるだろう。女性らしさを求められてある種の反発や悔しさを覚える人もいて、そういった違いは数えればきりがない。  ここでは「女性らしく振る舞うこと」への罪悪感を持ったり、そうしたいのにできないでいる、そういったことに焦点を当てて書こうと思う。  個人的な話をすれば、私は小さい頃から自分が女の子らしくすることが気恥ずかしかった。

    隣り合わせ