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【読書感想文】神も仏もありませぬ

noteで今のところ唯一参加しているメンバーシップ、「cafe de 読書」。
本、カフェ、喫茶店も大好きな私にピッタリです。

さて今月の課題図書(といっても参加は自由)は佐野洋子さんの「神も仏もありませぬ」でした。滑り込み投稿です。
今回はcafe de 読書の名に合わせて紅茶とお菓子を携えてみました。
フィナンシェ大好きなのです。

さて、今回の課題図書の作者である佐野洋子さんは「100 万回生きたねこ」で有名な絵本作家さん。この有名な絵本を実は読んだことはないので、佐野さんの書く文章には初めて触れることとなりました。

面白くて元気な方だなぁという印象を受けます。
ご自身のことを高齢者扱いしているのですが、まっ暗闇の中、車を走らせ、露天風呂へのものすごい獣道を進んでいく根性と勇気はそこらへんの若い人たちも負けるのではないでしょうか。
でもエッセイのなかのあちらこちらで、死についてや老いについて考えられていて、いわば親世代である人の考え方がわかって興味深かったです。

ニコニコ堂さんのお話の中では、なんと息子さんが長嶋有さんということにビックリ!
長嶋有さんが作家さんになる前にお会いしているとは…。
またお父さまが良い味出してる方なんですよ。

飼っている猫ちゃんが亡くなる様子は、昔実家で飼ってた猫を思い出して涙が出ました。
うちの猫も亡くなる前、なぜかお風呂場でずっと寝ていました。
焦らず騒がずフツーに死ぬ、ということは難しく、それを受け入れる動物は本当に崇高です。
サバンナのドキュメンタリーなどを見ると、肉食動物に狙われた動物は、ある瞬間から諦めたように騒がなくなります。
死を覚悟しているのでしょう。
それに対し、人間ってなんて諦めの悪い動物なんだろうと思います。

最後のあとがきで、佐野さんは美しい天国のような夢を見ます。
夢の中で「そうか、あそこが死ぬ入り口なのか。了解!!」と思ったら目が覚めて、目が覚めても「了解!!」と思っていた、と。
彼女は猫に、騒がずフツーに死ぬのがすごい、と思っていましたが、「了解!!」と受け入れられるのもすごいのではないでしょうか。
そこには諦めというよりも満足感や、納得して死んでいく感じがあります。

私も「了解!!」と思いながら死んでいきたい。

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