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素人のための人間工学

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人間工学について学んでいる人のための、ほんとのほんとの基礎からの記事まとめ
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SINIC理論の定義する社会と人間工学への期待

こんにちは、ロイです。先週から人間工学についてのノートを書かせていただいていますが、わずかながらリアクションを頂いており大変励みになります。この場を借りてお礼申し上げます。 さて、前々回は実例、前回は社会心理学を交えながら人間工学が身の回りのどのような形で具現化しているのか、またその関連でどのような作用が見えているのかに少し触れました。これは少しミクロ的な視点で少し具体的な場面をイメージした解説をしておりました。 一方で人間工学自体には歴史があり時代の変遷とともに求められる役

普通の会社員が大学院に行ってドクターを取るのは大変だ

気づけば夏が終わりかけています。前の投稿までは季節が春だったので3ヶ月間以上投稿してなかったんだと思うと震えますね(((((;゚Д゚))))))) ただし、ここ3ヶ月何もしていなかったわけではないので、本業、複業、研究の3つの領域での進展をまとめていこうと思います。 本業はコントロールが難しい。さてあれこれやっている人にとって重要なことは「いかにコントローラを握るか」ということに尽きると思います。コントローラを握れていなければ予定を誰かに任せることになりますし、そうすると予

人間工学と社会心理学

こんにちは、ロイです。先日から人間工学の基礎理解や事例紹介を続けていますが、今日は少し異なる角度で切り込んでみます。おさらいですが人間工学の原点は次のようなものでした。 人間がなにか仕事(タスク)をするときに、できるだけ負荷が低くなり続けやすくするための道具、環境、組織、操作方法などが追求されています。道具や操作方法というのはまさに人間が何かを使って行動することにフォーカスをしていますが、これと比較して環境や組織はかなり大きなテーマであることが想像できます。ただし読者の皆さ

身の回りにある人間工学の実践例

こんにちはロイです。前回の記事では人間工学の、ほんとのほんとのほんとの基礎として人間工学の成り立ちや歴史、具体的な例をみてきました。記事でご紹介したのは航空機のレバーやシャンプーボトルなど少し古い事例ばかりでしたので、この記事では比較的最近の公開事例から人間工学の実践例をご紹介します。 取り扱うものは日本人間工学会ウェブサイトにあるグッドプラクティスデータベースより抜粋してご紹介します。画像等はすべてサイトからの転載であることを事前に明記しておきます。 災害時等の復興作業負

ほんとにほんとにほんとにはじめての、人間工学

こんにちは、ロイです。社会人大学院生として研究する生活を目指してさまざまな学習に取り組んでいます。目指している背景については過去記事で取り上げているとおりなのですが、私が興味を持っているのは人間工学と呼ばれる領域です。 ただし、この人間工学は大学によってまとまった講義が開講されていないところも多く、とりわけ社会人になってから学ぼうとすると、体系的に学ぶチャンスや場面が多くありません。業務上でプロダクト開発をしていたり、ウェブサービスを提供していてUIUXの研究を重ねているよう