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思考のリバースエンジニアリング

こんにちは、Rwryです。今日は自己紹介がてら最初のエントリーを書いてみましたが記事まとめようとするといろんなことを思い出すので、自分にとっていい刺激になっています。

研究したいこと

前回の記事までで私が研究に興味を持つ部分までの略歴をご紹介しました。この記事では私が興味のある分野について、粗い部分も多いのですが整理しますのでお付き合いください。(本記事は、2023/03/21の23:45に記しています)

テーマ案

今、自分が研究したいテーマはこの記事のタイトルにもなっている、思考のリバースエンジニアリングです。リバースエンジニアリングという言葉について聞き慣れていない方もいると思うので、ChatGPTに解説をお願いしました。

リバースエンジニアリング(Reverse Engineering)とは、既存の製品やシステムの内部構造や機能、仕組みを理解するために行われる技術のことです。ここでは、リバースエンジニアリングの概要とその例をいくつか説明します。

例えば、ある会社が競合他社の製品を解析し、その製品の特許や機能、内部構造などを理解することを目的にリバースエンジニアリングを行います。そのために、競合他社の製品を分解して、部品や回路図、ソフトウェアのコードなどを分析し、解析結果を元に新しい製品を開発することができます。

ChatGPT 23/3/21

わかりやすく言えば、完成品を分解して中身を知ることにあります。最近ではiPhoneやMacBookの分解動画など、有名なプロダクトが分解されて設計思想を読み解いていくようなコンテンツも見受けられます。つまり要素分解することによって、プロダクトに込められた意思や意図を知ることで未来に活かそうという営みですが、私はこれの人間版をやりたいと考えました。
それが思考のリバースエンジニアリングです。表情や声、言葉や目の動きなど人間の表面的なものを解析することによって、その行動のルーツにある経験(思考経路、あるいは成功体験やトラウマなど)を発見できないかというものです。

背景

概略はこの程度にして、私がこのテーマに興味を持った背景をまとめます。ベンチャー企業やMBAでの組織分析の経験から、人は様々なところにモチベーションをもって働いているということがわかりました。

  • お金のために働いている

  • 経営者が好きだから頑張れる

  • 今の仕事にやりがいがある

  • 他に働ける場所がないので頑張っている

こういった個人のモチベーションを企業のミッションと重ね合わせて組織のパフォーマンスを高めていく取り組みはよく見られますが、日常的なマネジメントにおいては多くの課題が残されています。
例えば、年配社員とZ世代と呼ばれる若手社員の間には見えない壁が存在しておりほんとうの意味でつながって強いチームになることができないという場面がよくあります。また年配社員が受けてきたマネジメントのあり方と現代で求められているマネジメントのあり方に大きな差があり、コミュニケーションに悩む社員も増えているようです。
過去に在籍していた職場でも「先輩社員のやり方が問答無用で正解」のような風潮がかなり目立ち建設的な議論がされていなかったことをよく覚えています。私はどちらかといえば人の思考方法にもともと興味があったので「考え方が違うから、表面的な話をしても理解は深まらないのになぁ」とよく感じたものです。(なぜ思考方法に興味を持ったのかは覚えていないです)
こういった人間の思考の差によるコミュニケーションの壁を見聞きしてきた経験が積み重なり、冒頭述べたような思考に対する興味がより深まっていきました。

ChatGPTの登場

転機となったのはChatGPTの登場です。2010年前後にSNSのAPIが公開された際、多くのエンジニアが夜な夜なサービスを開発していたような現象がまさに今起きています。しかも今回は非エンジニアでも操作できるサービスであり、多くの人がAIに関する興味関心を寄せるきっかけになりました。
前職で表情解析AIに関わったことがある私もChatGPTを興味深く見ており毎日使い倒す日々です。このサービスを使うことで、より多くの体系的な知識をより素早く得ることができ、情報の収集効率があがりました。
巷でも言われている通り、論文の分析やリストアップにも使うことができますし、研究者を探すこともできました。私は自分の興味を持っている「思考プロセス」という部分が一体どのような学問領域になるのかがよくわかっていなかったこともあり、ChatGPTにたくさんの問いかけをしながら理解を深めていきました。

  • 思考プロセスの日本の研究者は?

  • 思考を研究する方法にはどんなものがある?

  • 認知科学について教えて

  • 人間の思考を分析するような学会は?

計算社会科学会

こういった質問のやりとりをする中で、私は計算社会科学会に出会いました。計算社会科学会のページにある文章を引用してどのような学会7日を解説します。

Webのソーシャル化や実空間での様々な行動センシングが進行している現在,人々の自発的な情報行動やコミュニケーションなどの詳細はデジタルに記録・蓄積されるようになりました.このような大規模社会データを情報技術によって取得・処理し,分析・モデル化して,人間行動や社会現象を定量的・理論的に理解しようとする学問が「計算社会科学」 (Computational Social Science)です.

計算社会科学はその目的の達成の方法論として,大規模社会データ分析研究,社会シミュレーションによる理論的研究,バーチャルラボによる実験的研究などを用いています.

本会は,日本での計算社会科学の普及・発展を目指し,経済学,社会科学,情報学などの様々な分野の研究者により活発に情報共有・議論を行う場を提供することを目的としています.

https://css-japan.com/about/

様々な行動センシングができるようになったことでそれらのデータを処理して新しいモデルを発見することが可能になりました。表情解析はもちろん、声や視線や言葉や動作など、人間の観察眼では捉えきれなかった部分をデータ化できるような時代です。そしてこれらを元に人間や集団の研究を深めていく取り組みをしているのが計算社会科学会でした。
計算社会科学会には様々な先生がおり、その先生を調べることでどんな研究者がどこでどんな研究をしているのかがわかり、より情報収集を加速させることができました。私の場合だと東京工業大学や総合研究大学院大学(国立情報学研究所)に近い領域の先生がいらっしゃることがわかり、それぞれの入試説明会で相談できるような準備を進めているところです。(東京工業大学の大学院入試説明会は23年4月1日にオンラインで開催されますので、興味ある方はこちらをご覧ください)

人間の思考を分析するということ

さて、経緯を整理できた上で冒頭紹介したテーマに戻ります。人間の思考を分析するということは様々な可能性があると思っています。極端な話ですが、目の動きから人間の過度なストレス状態や不安状態を発見することができれば、人間は気づけなくてもロボットやAIが気づいてケアをするということが可能になりますよね。人間は「自分ができたから他の人もできる」と過度な要求をしてしまいがちですが、実際には精神も身体も個人それぞれに違いますし、一概に言うことはできません。ですが、こういった曖昧な領域だからこそ人間の状態から思考やその先を読み解くということに大きな価値があるのではないかとも思っています。私がイメージしている研究と成果の使い方を整理してみました。

研究方法

人間の五感で受け取れる情報はすべて分析対象にできると思っています。目であれば眼球の動きや瞳孔の変化、口であれば動き方や声、顔であれば表情の変化、体であれば身振りや手振りなどです。無意識的な特徴量を分析することになるので、特定の話題を話しているときの状態変化に特異的な変化が見られた場合にはそこから、なにかの発見が得られると考えています。仮に特定の関連する単語で共通した変化があった場合には、その単語にまつわるなにかが過去にあり、それが無意識的に影響を与えていると推察できそうです。

社会での活用

この研究によってうまれた「思考のリバースエンジニアリングモデル」を社会実装すれば、「コミュニケーションにおける事前ケア」が実現できるのではないかと考えています。
人には触れられたくないトラウマやコミュニケーション上でケアが必要なものが少なからずあります。そういったことを例えば会社の上司が事前に知っていたり、こういった技術によって分かるようになれば、「知らなかったから言ってしまった」ということはなくなるはずです。本人が自覚していれば伝えることもできますが、トラウマの多くは自覚がなかったり、あるワードセットに関連して反応したりするはずなので、伝えるのが難しいこともあります。
また思考プロセスを可視化することができれば、無意識的な考え方の中にもロジックを見出すことができますし、考え方の差異を見つけることができます。考え方の違いを比較できるようになることで建設的なコミュニケーションができるようになるかもしれません。

自分が現時点ではあまりまとまっておらず具体的なイメージを図解できていないこともありとてもわかりづらいということを再確認できました。やりたいことや目指したいことは日々具体化を進めていくべきところだと考えていますので、また更新版の記事もまとめたいと思います。

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