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【読書録】続ける思考

井上新八さんの「続ける思考」を読みましたので感想文を書いておきます。

継続を趣味にする


本書は冒頭で、『「続ける」ことは趣味。』と言う言葉が登場します。私はとても斬新で衝撃的な言葉だと思いました。
(著者の井上さん自身も、この言葉に気づいた時、頭に電流が走ったように感じたとのこと。)

「続けること自体を楽しむ」という考え方は自分の中にはなく、継続とはあくまで「何かの目標を達成するために行動を続けること」であり、ゴールに向かっていく行為としてしか捉えていませんでした。しかし、そんな自分の考えを変えてくれ、気持ちを楽にしてくれた一冊でした。

本書では、上記のような「続ける」ことの考え方と実践していくための心構え・仕組み作りの方法を伝授してくれます。

私のように、何かを始めても長続きしなかったり、そもそも始める事が困難に感じている人に、ぜひ読んでいただきたいです。

習慣という仕組み


過去に読んだ「習慣 超大全」という本では、習慣と言う仕組みに落とし込むこみ、やる気やモチベーションにとらわれずに行動する事が、目標達成につながると述べられていました。

習慣化の方法としては挙げられていたのは、

  • 毎日欠かさず達成できるほどの小さな行動を設定し、日課にする。

  • 1つの習慣と紐付けて、別の習慣を身に付ける

などです。

1つめは、例えばランニングの習慣をつけたければ、ランニングシューズを履くことを設定する、2つめはトイレに行くたびに腕立て伏せをする、といった具合です。

メソッド本を読むのが好きと言うことから何となく購入し読んだ本でしたが、何をやっても続かず、やる気も出ないことに悩んでいた当時の自分にはかなり効いた本でした。そんな事でいいの!?という感覚です。

それ以来、習慣化のアプリ(habitify)を入れてみたりして、何度もチャレンジし、途切れを繰り返しながら、今では半年ぐらい続くような習慣ができ始め、少しずつでも前進するようになってきました。

「少しずつ」に対する焦り


習慣化できたのはいいですが、それはそれで今度は、焦りのようなものが生まれてくるようになりました。

あくまで目標達成のために習慣を組んでいるので、たびたび、「このペースだといつになれば達成するのか?」とか「この先にゴールがちゃんと待っているのか?」などと考えてしまうようになりました。

習慣化のコツである「毎日できるようなサイズにする」事は同時に、1日あたりに進む量が少なくなるということになります。もちろん、サイズを小さくするのは着手するハードルを下げるためであって、1日あたりの量が決められている訳ではないのですが…。気合いを入れ、たくさん進めよう!と考えると時間を確保できない〜などと考えて先延ばししてしまうようにもなってしまいます。

焦りの気持ちに押しつぶされそうになっていたときに、この本を見つけました。と言ってもメソッド本好きのセンサーが反応しただけなのですが。

ただ続けるということ


メソッド的な意味では、「習慣超大全」と似た部分は多かったですが、とにかく継続していくための心の持ち方を、自分のような意志の弱い人間にも優しく寄り添うようにアドバイスしてくれるのがありがたかったです。なによりの大きな違いは、継続すること自体を楽しむと言う考え方。これにはとても驚きました。

ゴールに向かってコツコツと続けていくことももちろん重要なのだろうけど、「なんのため」よりも「なんとなく」を大事にするなど、目標を持たずに行動していくことが提案されています。そして、どんなことであれ、時間をかけて続けること自体が、やがて大きな力になり、自身のアイデンティティーなるのだと述べられています。

自分は何かにハマっていてやたらと詳しい人に、憧れを抱きます。自分にはそんなに詳しくなるほどの熱量を持てたことがなく、いい意味でオタクの人が羨ましいと思っています。これはもともとの性格の問題だから、自分には無理なんだ、と考えていました。しかし、費やすエネルギーの量には違いはあっても、突き詰めればその正体は「とにかくやり続けた人」であって、自分も毎日少しずつでもいいから続ければいつかはそう言った存在になれるかもしれない、と思うと非常にワクワクします。

とは言え、自分自身のなりたい姿や目標というものはあり、それも叶えたいとは思うので、焦りを完全になくすことができないだろうとは思います。それでも、とにかく小さくでも続けることを意識しながら、本書で書かれている工夫を取り入れることで、続けること自体を楽しめるようにしていきたいです。

そしてそれが何年後かに、自分を自分たらしめる何かになっていることを願います。

と、「毎日読書すること」と「毎日最低1文字記事を書くこと」の「継続」を始めたことで作られた感想文でした。

おすすめの本ですのでぜひ。

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