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『82年生まれ、キム・ジヨン』

【82年生まれ、キム・ジヨン】
チョ・ナムジュ 著  斎藤真理子 訳
※Instagramに投稿した内容をそのまま投稿しています。

 本書は僕がまだ韓国文学をそこまで読んだことがない頃に、まずは何から読んだらいいかを参考にしていたサイトで紹介されていた一冊です。また、前職の同僚(韓国で留学経験もあって韓国語も話せる女性)からおすすめされていた本でもあります。
 正直なところ、積読状態になっていたのですが、本書が最近(2023年2月13日)文庫化されたとのことなので、本棚からひっぱりだしてきて読んでみました。

 本書を一言で説明するならば、フェミニズムを題材にした小説です。
 僕が本書を読んでみてすぐに思ったことは、主人公のキム・ジヨンと僕の誕生日(4月1日)が同じということにびっくりしました。僕は93年生まれで彼女は82年生まれなので、実際には11歳も離れているお姉さんなのですが、冒頭からなんだか彼女に親近感を覚えました。

 本書の中には女性に対する差別がいくつも書かれているのですが、その中でも女子トイレに監視カメラが設置されていてその映像や写真がネットに流出していたり、そのサイトを観ていたとある男性が同じ職場で働く女性スタッフだと気づいても公にすることなく、違う男性スタッフとシェアしていたという描写は男性の僕でも背筋が凍るくらい恐怖を感じました。
 また、韓国では女の子が生まれる前から中絶されたりして抹消される時代があったということが信じられませんでした。むしろ結婚して子どもを授けるとなったら女の子がほしいと考えている僕にとってはかなりの衝撃でした。

 本書は、「男尊女卑」という言葉がおかしいと思う方や現在妊娠をされていて生きづらさを感じている方に読んでほしい一冊です。この本があなたの背中を押してくれることを僕は願います。
 ※2020年10月9日には、同名で日本でも映画化もされているので、そちらも要チェックです。

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Ryuki

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