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ひとりでロックスターになる方法 ep.03

ひとことで作詞作曲と言ってどんなものを想像しますか?
ピアノの前に鉛筆を持って座って、ポロポロ弾きながら譜面に書き込む?
誰もいない部屋でギターをつま弾きながら鼻歌でも歌う?

私の場合、それらとはまったく違う方法で曲を作ってきました。
今回は初公開、吉岡的作詞作曲メソッドをお伝えします。
有料記事にしたいくらいですが、お金に置き換えると7円くらいの価値しかないのでこのまま無料で公開しますね。

私の場合、曲=短編映画として捉えています。
長編でもなく、大作でもなく、短編映画です。

たった5分程度の中で、どんなドラマを描くかが勝負になります。
私は子供のころから映画好きで、大学時代には遊びで監督まがいなこともさせてもらったりもしました。本格的な映画を撮る技術はないけども、映画のような音楽を作ることは出来るなと思い、この考え方に至りました。

曲を作るにあたって最初に物語を考えていきます。
まず主人公を立ち上げ、主人公の性格、趣味、仕事、悩みなどを肉付けしていきます。

次はとにかく文章を書きます。曲を作っているということを一旦置いておいて大量の文章を書きます。意識するのは起承転結のみ。誰が、どこで、何をして、何が起こったかを書き出していきます。もちろん時と場合によっては何も起こらないこともあるでしょう。その場合は何も起こらないことを書き溜めます。

書いているうちに脳みその中に音楽が流れ始めます。メロディが流れたらそれを都度ボイスレコーダーに入れます。引き続き文章を書きます。

ある程度文章量も溜まり、メロディの方向も決まったら先にメロディを固めていきます。キーを決めて、リズムと曲調を決めて、6割くらいメロディが決まったら仮のトラックを作っていきます。

この時点ではリズムとベース、鍵盤くらいしか入っていない状態です。

次は文章のリストラ作業。メロディの枠に収まるように言葉のカット、言葉の置き換えをしていきます。この作業に一番時間をかけます。

ちょっと難しい話をしますが、言葉(主にあいうえお)にはもともと音があるので、メロディに合う合わないがあります。言葉としてはAの言葉の方が良いけど、メロディ的にBにせざるを得ないことが多々あります。 耳障りの良い言葉が大事です。

単語の使い方も気をつけてます。これは基本的なことですが、一つの文章に同じ単語を使わない。例えばサビのひとくくりの中には「君」というワードは一個だけにするといった感じ。意図的にしている場合は除きますが。あと、いずれ古くなる言葉(いま流行ってる言葉)も入れないようにしてます。こちらも意図的にやる場合もあるので一概には言えないですが。

まだ他にもありますが、それは各々で考えて見つけてください。あと、どうしてそうしてるのかも自分で考えてみてください。

ここまで来るとメロディもほぼOK、歌詞もほぼOKの状態。ここから最後の味付け、フックになるギミックを入れ込む作業です。どんな曲もどんな歌詞も引っかかりがないと誰も覚えてくれません。引っかけるには引っかかるためのフックが必要になるわけです。

私の場合、フックを付ける方法は色々ありますが、よくやるパターンで他人の曲を借りるという技があります。あくまでも借りるだけですし、悪意があるわけでもありません。拍数も一瞬なので著作権とか怖い話をするのもやめてください。そんな怖い話をしてきても耳を塞いでアーッて言います。

私の借り方は大きく2パターン。

歌い出しのワードを借りる。
ブリッジ的に借りる。

ヒット曲って歌い出しがかなりパワーワードになってるんですよね。そこをちょっと借りるだけでその歌のテイストがフワッと付きます。替えがないんですよ。"午前二時踏切に"ってもうそれでしかないじゃないですか。でもリアルに考えると午前二時の踏切って怖いでしょ。パワーワードですよね。

ブリッジ的に借りるパターンというのは、ヒット曲の中にある印象的なフレーズだけを借ります。世界にはたくさんの素敵なフレーズがあります。それを敬意を表してお借りしているだけです。本当にいつもありがとうございました。

最後に一番気をつけてたことですが、「笑い待ち」のスペースを持たせることです。

一応コミックソングですので、お客さんを笑わせようという気持ちが大いにあります。かと言って面白ワードをこれでもかと終始連発していては、お客さんが笑っている間に次の面白ワードが人知れず通過してしまいます。
なので、ひとつ面白いワードを出した後はきっちりとスペースを設けます。面白いワードの後はお客さんが笑う時間ということで、何でもない言葉を続けて間を伸ばしたり、歌わないところにしたりと工夫しています。
これはコミックソングに限った話ではないです。聴かせどころを意識したメロディや言葉選びはとても重要です。
本当に伝えたい言葉を目立たせるために、あえて周りの言葉から色を抜くように気をつけましょう。

フリ、オチの関係性についてはお笑い好きの人にはよくわかっていると思いますが、しっかりフることがオチに大きく影響します。フリはお客さんを集中させる時間です。"おーい、僕はここですよー"と呼び込むこともフリです。お話や雰囲気に引き込んでいくのもフリです。フリで引きつけきった後にオチで爆発させることを意識していきましょう。

といった感じで私は楽曲を作ってきました。あ、肝心の音楽的な作曲の事は完全に割愛しました。
そこは努力でカバーしてください。なにかひとつでもいいので楽器を弾けるようになってください。ピアノでもギターでもいいです。
最悪楽器が出来なくても今はサンプリングでなんとでもなります。カッコいいループだけでも充分音楽になりますし、スギムさん(クリトリック・リス)みたいに"おはなし"というスタイルも有りです。自分の頭の中で鳴った音楽を形にできるようにするのは最低限の条件だと思って頑張ってください。

オリジナルを生むために他の人の曲を聴かないという発想もありますが、私はそれにとても否定的です。
とにかく周りの音楽を聴きまくってください。売れてる音楽は当たり前のこと、売れてない音楽も全部です。
音楽だけでなく、本を読んだり映画を見たり、お出掛けしたり会話したりすることもいいでしょう。
そうして世の中にあるものを理解していくと、必然的に見えてくるものがあります。
それがオリジナルです。世の中にあるものを知れば、無いものもわかります。
理論的に分析する必要は無いと思います。人生短いですから、出来るだけシンプルにいきましょう。

今ひとりでロックスターになろうとしているそこの君。絶対に無いものをやりましょう。
無いものしか意味がないです。

自分のやろうとしてることが、誰かの想像の範疇だったら悔しく無いですか?私は悔しいです。
例えば誰かに"ここはこうやった方がいいよ?"って言われるの腹たちませんか?自分の音楽に手出しされたくないですよね。たとえそれが間違ったものであっても。
とにかく自分以外の全員を裏切って、予想できない存在になってください。

そのためにもたくさん見て聞いて影響を受けて咀嚼してほしい。これは全然無駄な時間じゃ無いです。とても重要。

さぁ、これからとりあえず50組の知らないバンドのMVをyoutubeで見て見ましょう。そして、あぁこのバンドは一生売れないなと50回の同じ感想を抱きながらオリジナルな存在を模索してください。

では、今回はこの辺で

#エッセイ #音楽 #バンドマン #リバーシブル吉岡 #ひとりでロックスターになる方法

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