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ひとりでロックスターになる方法 ep.07

自己紹介(プロフィール)はワンフレーズでポンと分かりやすくキャッチーである必要があります。
またキャッチーでありながら、"これどういうこと?"と質問したくなる要素も必要です。
これは就職活動やその他諸々でも活用できる内容ですのでしっかりと理解しましょう。

目標として20文字以内で自己紹介をできるようにしてください。新聞の記事やネットニュースの記事の見出しが13文字以内なので、それくらいまで絞れるとなお良しです。
自己紹介の中に意識する内容は大きく2つあります。

・届けたいターゲット層
・他と差別化できるところ

上記の2点が感じられる内容にするのがポイントです。

私の場合に置き換えて説明します。
プロフィールは、"尼崎市が生んだピンク歌謡界最後のカリスマ"としておりました。これが良いか悪いかは置いといてください。

まず、届けたいターゲット層は歌謡曲が好きな層。ハードロックやヒップホップ、洋楽層には向けてないというのがお分かりいただけると思います。
こう書いたことで、間違って扉が叩かれることがなくなったわけです。

差別化できるところといったら、尼崎、ピンク歌謡でしょうか。
まず、尼崎。皆さんのイメージはどうでしょうか。分かります。治安悪そうですよね。そんな北斗の拳の世界みたいな街から出てきたというところに、それをわざわざアピールするところに、差別化の要素がありますよね。

そしてピンク歌謡。得体が知れないですよね。存在しないジャンルですから、気になって仕方が無いですよね。”ピンク”という単語も”歌謡曲”という単語もどちらもよく知っている言葉なのに、合わせることで得体が知れなくなる。そして、なんとなくエロいんじゃないかと思わせる語感。差別化の要素がありますよね。

カリスマという言葉には差別化要素はありません。本当にカリスマ性がある人は自分のことをカリスマとは言わないです。自分で言っていることのみっともなさ、情けなさを感じてもらえると嬉しいです。

上記のように、訴えていきたいターゲットを明確にすることと、差別化意識を磨いていけば自ずと良いプロフィールは生まれてくると思います。

少し話は逸れますが、ターゲットの明確化と同時に、目標もきちんと持つべきだと思います。「あのバンドと共演したい」とか「あのフェスにでたい」とか「音楽だけで飯が食えるようになりたい」とかもそうですが、私が現役のころ最も強く掲げていたのが、日本の音楽史において、残る音楽を作りたいということでした。売れて人気者になりたいよりも何かを日本に残したい、後世に残したいという気持ちが圧倒的に強かったです。

いずれ私は死にます。もちろんあなた方も死にます。
睡眠時間や仕事している時間、食事をする時間、移動時間などを除いていくと、私はあと10数年しか生きられない計算になります。

ほんと一瞬なんだと思います。だからこそ、他のものと一緒くたにされるような音楽はやりたくないと思ってました。誰々っぽいバンドやアーティストにはなりたくなかったですし、唯一無二のものになるべきだと思っていました。例えば、日本の音楽の歴史の教科書が発売されたとして、その中の歌謡曲の章の後ろの方にちょっと載りたいとか、仮面を付けてうたう歌手の一覧に載りたいとか、下ネタを取り入れた音楽の章の1ページをもらいたいとか思いながら頑張ってました。 

これを読んでいるソロアーティストになろうとしている君。君もどうか、音楽史に残るような奇天烈な音楽家になってください。”邦ロック”みたいなクソみたいな枠から早く抜け出てください。そりゃ、あんなジャンル、こんなジャンルでやれば、最初からそこそこ動員がつきます。でも勘違いをしないでほしい。それは先人のバンドマンが作り上げたジャンルであって、それに乗っかっただけにすぎないということ。実力でもなんでもありません。お客さんも先人のバンドマンを見て育っているからノリ方もわかっている、だから楽しめる。でもそれは本物のノリじゃないから次第に離れていくことになる。

踊れるロックはレッドオーシャンです。お客さんの層も分厚ければ競合も多いです。そこで勝ったとしてもすぐに足元をすくわれます。
音楽家になるのであれば、表現者になるのであればブルーオーシャンを探してください。誰も足を踏み入れていない未開の地を開拓してください。そしてそれを応援してくれる人を一人ずつ増やしていきましょう。とても地道ですがそれがオリジナルです。

ジャンルは収まるものではなく、自ら生み出すものです。誰も知らないジャンルで演奏するということは、もちろんお客さんの反応は薄いです。ちっとも盛り上がりません。でもそれを続けていくことで自分の居場所が生まれます。動員ではない価値が生まれます。そしてそこから新たなムーブメントを作り出してください。ライブハウスの一番後ろで腕を組みながらジト目で見てるお客さんを少しずつ前に引き寄せて、独自のノリを生み出してください。

そして最後に、これを読んでいる小学生の君。早く寝なさい。
こんなの読んでたら頭が悪くなります。君には将来があるんだから、真面目な趣味を持って、きちんと大学をでて就職してください。

#エッセイ #音楽 #バンドマン #リバーシブル吉岡 #ひとりでロックスターになる方法

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