見出し画像

ひとりでロックスターになる方法 ep.10

熱い話が嫌いというか、苦手です。かといって熱いことを考えていないかと言えばそれはNOです。

私の中で、熱い話は他人にするもんじゃなくて、心のなかに留めておくものとしています。別に熱い話をしてもいいんですけど、結局エモい感情満載の理想論になるのが目に見えてるので避けていたのは事実です。
もちろんビジネスの話は別ですよ。どういう風に攻めていこうとか、次はここに売っていこうとか、そういう相談は信頼できる人にしてました。

ライブ中にカッコつけてエモい事を言おう言おうとしているバンドマンも苦手です。エモい事言ったもん勝ちな大喜利みたいになってるの寒いなって思ってます。座布団差し上げますのでどうぞセフレの家にお帰りください。

そんなにエモさを出したいのなら楽曲のなかだけで表現して欲しいものです。それかセフレの女を腕まくらして天井を見上げながら言うてやってください。セフレはそれを5ちゃんで撒き散らしてください。

私は飄々としているミステリアスなアーティストが好きで、そういうアーティストであろうと意識してきました。
お客さんに求められた歌をしっかり歌って、時間内でしっかり楽しませて、非現実な世界を創造して、臭い事を言わないようにしてきました。

エモいMCや演出こそが感動的なライブ!、とされるのであれば私はそれを絶対にやりたくないです。それはお涙頂戴ドラマを見せて強制的に涙を排出させる行為と同じだからです。

私にとっての感動とは、もっと衝撃的でかつ一生記憶から消えない感情です。忘れたくても忘れられない傷跡です。
初めてダウンタウンのごっつええ感じで息が出来ないくらい笑ったあの日の事、母親と映画館でジュラシックパークを見た時の事、古本屋で買った桜井亜美のMADE IN HEAVENを読んで胸の中がモヤモヤしたまま夜中に好きな女の子に告白した日の事、全部一生の記憶、一生消えない傷跡。
それくらい衝撃的なものにならなくてはいけないと感じてました。

そこらのイケメンバンドマンがそれっぽくエモい事言ってファンを泣かせるのであれば、私は泣くほど笑わせてやろうと思い頑張りました。

私が選んだ選択肢が正しかったかどうかはわかりません。結果的には、活動休止を発表したCOMIN'KOBE(神戸のチャリティーフェス)では、発表前に楽屋で「(活動休止するって)言いたくないよ、言いたくない」と号泣してしまいました。泣くとか本当に自分らしくなくて嫌でした。最後まで笑って、バカバカしくて、辞めるって言ってるけど本当かな、って感じの不思議な存在でいたかったです。つまり自分が描いていた人物像にはなれなかったということです。あぁ、情けない、あぁ、播磨灘。

でも、いつかどこかで誰かが"あの時リバーシブル吉岡でめちゃくちゃ笑ったな"って思ってくれてたら嬉しいなと思ってます。

ちょっと支離滅裂な記事になってしまったので、最後にまとめますと

アーティストとしてステージに立つ以上、徹底的に非日常を演出し、お客さんを心から楽しませることのみを考えること。

自分の承認欲求だけのために終わるようなちっぽけな価値観にならないように注意して頑張りましょう。

最後にちょっと熱い話とは逸れるかもしれませんが、ライブのアンコール問題について。
私は昨今のアンコール文化に基本納得できておりません。現役時代にもたまに言わせてもらってたのですが、アーティスト側がアンコールやるのありきで(本編がおわったら)言葉少なくステージを去る感じ、あれもうやめませんか?本編でやりきりましょう。どうしても本編から切り離した事をやりたい(衣装を変えるなど)があるなら、ちょっと休憩を挟んで最後に数曲やりますんでちょっと待っててね、でよくないですか。100歩譲ってアンコールありきで進行したとしましょう。お客さんも本当にアンコールを求める気持ちでコールをしましょうよ。誰も一言も発さず手拍子だけで終えるアンコールなんてアンコールでもなんでもないです。本当にまだ見たいのであれば声を出して「アンコール!」です。客電がついてBGMが鳴ったからといって手拍子やめて諦めて帰るのも「ちょっと!ちょっと!」です。アンコールの気持ちってそんなもんだったの?ってなります。諦めるの早ない?もう少し粘ってみない?となります。過去にクレイジーケンバンドのライブでライブ終了後、客電がついてBGMも鳴ってる状態でも諦めずにアンコールを言い続けたことで1曲だけアンコールが聞けたことがあります。ちなみにお客さんの半分くらいはすでに帰ってしまってました。でもそれこそがアンコールだと私は思います。私は過去に何度か対バン形式のライブでトリでもない出順にも関わらずアンコールをいただいたことがあります。それでええと思います。時間によっては叶わないコールかもしれませんが、本当に見たいという気持ちが伝わってきます。予定調和なライブはもうやめましょう。今夜、日本中のアンコールが素敵なものになるよう心からお祈り申し上げます。

#エッセイ #音楽 #バンドマン #リバーシブル吉岡 #ひとりでロックスターになる方法

いただいたお金で凄十とマカを買います。 よろしければご支援お願いします。