あの頃を開いてみれば教科書に「え〜」の正の字時の琥珀が


若いフレッシュな目線で会社に意見を出してくれ、と言われている同期がいる。僕も同じようなことは言われた記憶がある。

実家に帰ってひさしぶりに中学の教科書を読み返してみた。今読むと、しっかり反復したところは読まなくてもすらすら思い出すのだが、その時あまり納得していなかったり、知らない言葉が出てきたりしたものについては「こんなのあったっけ?」と思いながら読み進めてしまった。
この時点で、もう後戻りできない記憶の「上書き保存」をしてしまったと思っている。高校、大学の授業を受け、本を読んで学んだ知識を持っている今、中学生の教科書はかなり細かい解像度で読みこむことができる。しかし、自分が14歳の時にはそんな深い読みは出来なかった。その証拠に「こんなのあったっけ?」と思ってしまうのだ。逆に考えると、中学生に何かを伝える時、教科書をそのまま話しても全て伝わらないと割り切る必要がある。なんなら、深い雑学などもおそらく入らないのではないだろうか。そういうことを意識しないといけないのだが、なにせ無意識のうちに「上書き保存」をしてしまうので、その辺りは「当時の僕はどのくらいの解像度で理解していたのだろうか」と考えて、聞き手の目線まで腰を落として話す必要がある、そうふと考えた。

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