見出し画像

エンドレストーク

原則として毎週土曜日は、小規模デイサービスのお手伝いをしています。そっち方面に対しては、まったく資格も経験もないので、利用者さんである高齢の方の話し相手くらいの立ち位置です。

基本的に、認知症の方が多いので、数秒~数分以内の記憶が保持できない様子。なので、同じ話を何度も繰り返す……ということはザラにあります。タイトルはそれをちょっと格好よく表現してみました。(無駄)

わたし自身は何度も同じ話を聞いても、ぜんぜん苦にならないので、毎回、はじめて聞くかのようにお話しを伺います。(身内じゃないからできる説は、無いとは言えないけれど、身内がそうなっても、たぶん平気)

ところで、どうして「同じ話を何度も繰り返すのか」って気になりませんか。それは認知症により、数秒~数分以内の記憶が保持できないから……というのは、早合点でしょう。

だって、数秒~数分以内の記憶が保持できないなら、ぜんぜん違う話とかにぶっ飛んでもおかしくないじゃないですか。記憶がないんだもん。

なんとなく観察をしていると、数秒前の「話した内容」については覚えていないけれど、その「シチュエーション」的なものの“感覚”については残っていて、その“感覚”の所為で結果的に“同じ話になってしまう”という印象です。

たとえば、「昔、スナックでよく歌を歌っていた」という話をしているとき。

「いつも仲良し3人組で歌い歩いていた」という話をしつつも、それを話したことは覚えていない(保持できない)。でも、歌い歩いていた時の感覚は蘇っていて、わずかな時間は保持できる感じ。

「歌い歩いていた時の感覚」のままなので、そのときは「いつも仲良し3人組で歌い歩いていた」という話をしたくなる……という感じでしょうか。

そういう風に見ると、あぁ、いまは「歌い歩いていた時」モードなんだな……ということで、対処できる感じがするのです。

記憶が残らなくても、感覚が残るというのは、こういうことなんだろうなと。

たまに「いつも同じ言葉が出るけど」というエクスキューズ的なものが入るので、「あれ? 覚えているのかな」と思うけど、実際のところは内容はやっぱり覚えていなくて、「なんとなく同じ話をしたような気がする」という感覚だけ残っているんだと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?