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「百貨店らしいOMOを模索」日経コンピュータ 2022.12.22号

日経コンピュータ 2022年12月22日号
CIOが挑む シリーズ
そごう・西武のCIO田口氏のインタビュー記事から。

概要

2023年2月にアメリカのファンドによる経営が始まる、そごう・西武。
厳しい状況が続く百貨店業界ではあるが、「チューズベ-ス シブヤ」、「e.デパチカ」など、積極的にOMO施策を打ち出している。

全社的なITリテラシーの向上にも取り組んでおり、全社員によるITパスポート取得も目指している。

OMOとは

田口氏もインタビューの中で仰っているが、OMOとオムニチャネルは異なる。
オムニチャネルはオフライン(店舗など)とオンライン(ECやSNSなど)を統合して、いかに顧客との多くの接点を持つか、という企業視点の考え方である。
オムニチャネル例①:ネットで予約した総菜が店舗で受け取れる。
オムニチャネル例②:店舗で体験したiphoneをネットで購入できる。

OMO(Online Merges with Offline)はオフラインをオンラインが取り巻くイメージである。(オンラインがオフラインを内包しているイメージ)
現在、顧客・ユーザーはスマホなどのデバイスから常時オンラインにつながっており、完全なオフラインはもはや存在しない。
そのように、オフライン空間にオンラインが浸透するような動きが加速しているなか、いかに高度な顧客体験を提供できるかどうか、という顧客視点での考え方。

参考サイトSCSK F.ACE OMO (https://www.presc.jp/omo/)

百貨店のOMO戦略についての意見

ちょうど、2022年の年末に広島に帰省した際に、「広島そごう」で紳士服のコートを買おうとウロウロしていた。
マッキントッシュの店で良いコート(約15万円ほど)が見つかり、試着させて頂いた。
その場で買おうかと思ったが、試着時に妻がネット検索してくれており、zozotownで12万円ほどで売られていたことを発見。(ポイント割引含む)
さらに、年始までグダグダと買い控えていると引っ張っていると、なんと、10万円まで安くなった。
店員さんには罪悪感を感じるが、、、現代ではよくある行為と言っていいだろう。

オムニチャネルの時代だからこそ、オフラインとオフラインの垣根無く競合になっている。また、ユーザーがお得なチャネルを瞬時に見つけることができる。
低コスト体質なオンライン事業者の、ポイント合戦が過熱する今。どうしてもオンラインの方が価格優位性が高い。
そんな中、百貨店の在り方とは?

「CHOOSEBASE SHIBUYA(チューズベース シブヤ)」は、Instagramのフォロワーが2.9万人(2023年1月2日時点)おり、WEB販売サイトも使い勝手がよく、OMOの成功事例と言っても過言でない。
OMOらしく、店舗での購入の流れはEC感覚で買い物かごに入れて、店舗内で受け取り可能。消費体験にも力を入れている。

CHOOSEBASE SHIBUYAの店舗内での購入の流れ


「CHOOSEBASE SHIBUYA」の初回出店ブランド数は50社ほどだったそうだ。
百貨店の強みは「目利き力」と「ブランド力」であると思っている。
ECサイトや他店では見つけられない独自の商品・体験を提案し、ライフスタイルそのものを提案するような百貨店が未来の百貨店ではないか。

百貨店に限らず、顧客体験を、より高度に、便利に、楽しいものにするといったOMOの目的を、ITを使って実現していければと思う。

おまけ:全社員がITパスポート取得を目指すことについて

全社員がITパスポートを取得する、といった目標は、実現可能性が高く、かつ、とても有用な施策と思った。
私の妻(非エンジニア職)が、五日ほど勉強してITパスポートに合格していたので、誰でも勉強すれば受かると思う。
ただ、内容は基本情報処理技術者試験とさほど変わらない印象である。(プログラミングに関する問題やビット演算などの計算問題がない程度の差分)
なので、ITパスポートの知識があると、エンジニアとも会話しやくすくなるだろうし、ITへの苦手意識克服にもなると思う。
デジタル無しでは事業計画が立てづらくなっている今、おすすめの資格である。

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