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ぐるぐる循環社会で、ヒトはニンゲンになれる

Facebook post. 11/27 .2022


協生農法で小さな生態系をデザインする


地元・瀬戸内に国際的な環境教育ハイスクールを創る下ごしらえを、ここ数年かけて取り組み始めました。

その1つが、個人的趣味&実地研究かねて、この夏から岡山の生家の耕作放棄地で始めた協生農法だったりします。


協生農法(シネコカルチャー)は、単一農法(モノカルチャー)とプロセスが全く違い「小さな生態系をデザインする」がコンセプトです。

始めは収量は低く我慢が必要なようですが、単一農法と比べ生産性10倍〜40倍 投資コスト10分の1です。ただし 一般マーケットにのせる売り物としての食物を作る「農業」としてはまだフィットするのはかなり先かもしれません。

まずは この冬、採れた食材たちで20代バイトで好きになったイタリアンな料理を久々に作ってみる予定です。

「ざっそう」のおかげで カピカピの土壌でも水分が定着しやすくなります。


絵本モモに登場する時間泥棒のメタファーとは


豊かさを増やすために、人は「金利」を発明しました。いまの社会システムのエンジンには、金融資本主義システムがあって 「金利(とお金)」は「時間と逆行」して増えていきます。

ミハエル エンデさんは 絵本モモの中で、金利の暴力性のメタファーとして「時間泥棒」を描きました。

そもそも 生態系の中に 金利という機能はありません。金利がない代わりにどうやって生態系は豊かさを増やしているのか?それが「自然遷移」です。

時間を効果的に使って、分解・発酵・腐敗・死と生を循環させながら、なぜか草原は森になっていき、複雑な生き物たちが相互依存関係を形成していきます。それが自然遷移です。

生命とはどうやら、自然遷移という技を使いつつ、あらゆるストレスを受けつつも、関わる生き物全ての「豊かさのパイ」をバランスさせながら増やしていく力を持っているようです。

デジタルの世界では、紙幣の数倍・数十倍もお金は無限増殖できても、それと反比例して空気も水も汚れ 生き物たちも激減しています。デジタルの世界で無限増殖するためには、リアルの世界では実質的にどこかからか収奪しなくては成り立たないからです。

それは人の世界では「開発」と呼びますが、生物界全体のとっては「収奪」と言えます。金利という時間泥棒に目隠しされ動かされているヒトの社会が、生態系から収奪している構図になっています。


収奪するヒトから、生態系へ貢献するニンゲンへ


無限増殖する金利をエンジンに社会を動かす代わりに、自然遷移の生命モデルをエンジンに、ぐるぐる循環型の社会にしていく。

これが「21世紀のヒトのミッション」だとしたら。

ぐるぐる循環社会にとっては、「多様性」は「あったほうがいいもの」から「ないといけない必要条件」に変わります。正義とか悪とか、害虫とか益虫とか、役立つ人とか役立たない人とか、そんな希薄な概念はなくなります。

壊れた自然の生態系を再生させながら、人間にとっての生態系(コモンズ=共有財産)を豊かにし、そこから効果的に「おこぼれ(生態系サービス)」をもらい、十二分に生産と分配をバランスさせるハッピーな社会をデザインする。

これが「21世紀のニンゲンらしさ」だとしたら。

2020年代に生きるぼくらにとって現在は、まだ偉人も先輩も誰もやってこなかった社会リニューアルへ痛快な冒険のタイミング。
その大冒険を経てぼくらは、やっと収奪するヒトから生態系へ貢献するニンゲンへなれるのかもしれません。


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