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要領の良さを説明する、たった1つの合言葉。

ずっと不思議に思っていたことがある。

世の中には、言っていることは至極真っ当で、頭の回転も速いのに、なぜが成果に繋がらない人がいれば、

その真逆に、何も考えていないように見えて、何事もサラっと成果を出す要領の良い人がいる。

そして、その説明が非常に難しい。

要領がいい人は、要領がいい。

それ以上の説明もなく、まるで要領の良さが生まれつきかのように語られ、要領の良い人は、「あいつはセンスが良いから」と模倣の対象になり得ない。

そんな課題感から、要領の良い人と、そうでない人を比較し、共通項を見出したところ、たった1つの思考法にたどり着いた。


1.要領の良さは最強のソリューションである

市場価値とは、需要と、希少性で決まる。

そして要領の良さは、希少性が高い。

なぜならば、要領の良さとは、説明が難しいからだ。

TOEIC900点や、東大卒などは説明が簡単である。そのため、習得難易度が高い割に、目指す人も多くなるため、希少性は相対的に低くなる。

一方で、要領の良さは分かりずらい。TOEICと異なり何をすれば、”要領が良い”というスキルを獲得できるかが不明瞭なため、誰も”要領の良さ”の取得を目指さない。

さらに要領が良い人は、需要も高い。

あらゆる環境でもある程度の数値を残す”要領の良い”人は、会社から重宝されるし、言わずもがな昇給もしやすくなる。


要領の良い人になれば、あらゆる環境において安定して成果を残すことができるし、結果として市場価値の高い人材になることができるし、努力時間にのみ頼る必要もないので、プライベートな時間も確保することができる。

目に見えないからこそ、価値があるのだ。



2.要領の良さを説明する思考法

さて、ここまで抽象度の高い話をしてきたので、要領の良さの定義を振り返る。

要領の良さ=成果/投下時間

としよう。

つまり、かけた時間の割に良い成果を残せる人を”要領の良い人”とこのnoteでは定義する。


そうした要領の良い人の思考法は、

3倍の成果を目指すことである。
※この3倍は深い意味はない


ただ、今の成果の3倍から10倍の成果を残すことを目標にして、逆算して行動を考えるだけで良いのだ。


?????


と思われるかもしれない。

だが、これだけで良いのだ。

USJを復活に導いた森岡毅さんの最大の施策は、

USJのターゲットを大阪から全国に変え、コンセプトを「映画の専門店」から「世界最高のエンターテインメントを集めたセレクトショップ」に変更したことである。

そうして、「ハリーポッター」への投資を軸に、今の数値を倍にするための行動を考えた結果、3倍近く売り上げを伸ばしたのである。



3.なぜ3倍の成果を目指すのか

以下の問いに対する答えを考えて欲しい。


<問い①>
あなたの年収を上げる方法を考えなさい。


これに対して、2つの考えが想定される。


<カイゼンの思考法>
①会社で評価を上げて昇給する
②給料の高い転職先を探す

これらが一般的な思考法であるように思う。昇給以外に、転職を行う方法論もあるが、スキルが変わらないのでは、3倍どころか2倍に給料を増やすのも難しいだろう。


<3倍の思考法>
①資産運用をする
②収益性の高い業界へ転職する
③ニッチマーケットを見つけて起業する
④希少価値の高いスキルへ投資をする
⑤個人事業主としてコンサル案件を受注
⑥SNSでインフルエンサーになる
⑦年収が6倍の人と結婚する

しかし、3倍の思考法を用いると、前とは毛色の違ったアイデアが発想される。


ここでもう1つの問いを行う。

<問い②>
現在の会社で年収を500万から800万に上げるのと、それ以外の方法を駆使して年収を500万から1,500万にあげるのはどちらが難しいか。その理由を答えよ。


え、そんなの800万に決まって、、、

え、

え?本当に?


よく考えたら、分かる由もないのだ。

なぜならば、会社で年収を上げるのに必要な能力と、下記のスキルを上げる能力は全く別物だからである。

①資産運用をする
②収益性の高い業界へ転職する
③ニッチマーケットを見つけて起業する
④希少価値の高いスキルへ投資をする
⑤個人事業主としてコンサル案件を受注
⑥SNSでインフルエンサーになる
⑦年収が6倍の人と結婚する


別の例を出すと、

プロ野球選手になる能力と、フルマラソンでサブ10(2時間10分)を記録するのに必要な能力は全く別であるが、稼ぎは概ねプロ野球選手の方が高くなる。

何なら年間でサブ10達成者は20人くらいしかいないものの、プロ野球選手は1,000人弱存在するため、サブ10達成の方が難しい可能性すらある。


だから、稼ぐことだけを考えたら、プロ野球選手を目指すか、マラソンランナーを目指すかで言うと、種目選択の時点で勝負が決まっており、そこから先の努力では収入は大きく変わらないのだ。

※アスリートの方々が”給与”を軸にスポーツ選手を目指すケースは少ないことを理解しながら、分かりやすい例として提示した。


つまり、目標設定の時点で、成果は大枠決まっているのである。



4.3倍達成を可能にする3つの思考法

そして、この3倍達成を可能にする思考法が3つ存在する。


4-1.ロジカルシンキング

1つ目の方法がロジカルシンキングである。

ロジカルシンキングの本質は、全体を構造で考えることである。具体例として、収入を増やす方法を考えてみよう。

ロジカルツリー

上記の図によると、収入を増やすためには、従業員か自営業か投資家の大きく3パターンがあり、従業員として給料を上げる方法だけでも、

①収益性の高い業界に就職する
②給与水準の高い企業に就職する
③収入が上がりやすいポジションを考える
④スキルを高める

の4パターンの方法が存在する。


しかしロジカルシンキングができないと、

今社内で必要なスキルを上げて、昇給します!

のように、他の選択肢を見逃してしまう。実は社内では足りないポジションがあって、そのスキルを付ければ給与が大幅に上がる可能性を見逃してしまうのだ。


3倍思考ではこの思考法が必須だ。

なぜならば、既存の枠組みで”カイゼン”を行うだけでは、3倍の成果には届かないので、全体の構造を捉えることで、どこに注力すれば3倍の成果に1番近いのかを考えざるを得なくなるからだ。


私が携わるwebマーケでも同様に、

ロジックツリーwebマ

のように、全体を把握することで、どの方法が3倍を伸ばすために必須なのかを考えることになる。

これらを総合して3倍の方法を考えることで、

①SEOさえ伸ばせば3倍の集客が可能なので、広告をやめて認知獲得のリソースはSEOに投資しよう
②そもそも既存の価値では、魅力を感じてくれる人が少ないので、3倍の成果を出すには、サービスの価値を磨き上げてターゲットを増やす必要があるな。
(森岡毅さんのUSJの例と同様)
③予算がない中で新規顧客を増やすためには、口コミで紹介してもらうしかないから、口コミで紹介してもらうるサービス設計を考えよう。

のように、3倍達成のために最適なストーリーを複数用意することができる。



4-2.仕組み化

2つ目の方法が仕組み化である。

1店舗でスタバより人気な地元のカフェは存在するかもしれないが、日本でスタバより有名なカフェは存在しない。

そして日本全国どこのスタバでも、店内は落ち着いた内装でリラックスできる空間が存在し、笑顔での接客が約束され、同じ品質でのドリンクが提供される。


そもそも1人で3倍の数値は難しいのだ。

ある都内のカフェ1店舗の売上を3倍に上げるためのは、至難であるが、カフェを5店舗作ることができれば、3倍の売上は達成可能になる。

つまり、3倍達成に必要なのは、最強の笑顔で最高のコーヒーを注ぐカリスマバリスタでなく、安定して高い価値を提供するシステム構築なのである。


つまり、組織で3倍の成果を達成するためには、誰がどこで行っても成果が残る”再現性”のある方法で成功し、それを横展開することである。


システム開発であれば、ある1社が最高に喜ぶものの、その会社以外は使えないシステムよりも、100社にとって便利なシステムの方が、儲かるのである。

営業であれば、1人のカリスマ営業マンを育てるのでなく、誰が売っても売れる商品を開発して、100人の営業マンに売ってもらう方が、儲かるのである。


しかし、1社が最高に喜ぶシステムを作ること、1人のカリスマバリスタをスカウトすること、カリスマ営業マンを育てることは、システムを作るより簡単とは限らない。


3倍を目指すには仕組み化は強い武器になる。

野球であれば、難しい球をヒットにする技術よりも、甘い球を確実に捉える仕組みを作ってしまった方が打率は上がるし、クリエイターならセンスに頼るのでなく、確実に心を刺すための方法論は持った方がいい。

目先の成果の先に、仕組み化を念頭に置くことで、3倍達成が見えるようになる。



4-3.投資

3つ目の方法が投資である。

3倍の成果を残すために必要なのは、競争相手と大きく差をつけることであり、大きく差をつけるには時間をかけた方がよいので、投資が必要になる。

3倍どころか、世界TOPクラスの成果を出したAmazonは、設立から7年間赤字だった。

しかし、赤字の分だけ設備投資を行い、倉庫と物流網を築いた結果、他社の真似できない世界最強のECシステムを完成させた。


投資の肝は長期視点である。

例えば高校生が短期的に稼ぐためには、コンビニでアルバイトをした方がよいが、長期的に収入を上げるためには、ビジネスの勉強をするか、受験を頑張っていい環境を買った方が良い。

短期的に数値を上げるためには、目を引く広告を通して顧客を増やすことが大切だが、長期的に数値を上げるためには、サービスを磨き上げに投資をして、リピーターを増やす方がいいかもしれない。


特にスキルへの投資は価値が大きい

今後伸びてくるAIやブロックチェーンのエンジニアでスキルを磨くと、市場の小さい現在はすぐには儲からないかもしれないが、将来的に市場が伸びて需要が増えた時に給与は増えるはずだ。

どんなスキル・考え方が将来必要になるかを予測し、投資を行うことで、結果的に他社・他者に真似されにくくなるので、3倍の成果を近づけることができる。



5.要領の良さは効率の良さでない

だから、要領の良さとは、効率の良さではない。

頭の回転が速く、仕事が早い人を見ると真似できないのではないかと思うが、要領の良さとは、

仕事を早くこなす効率の良さでなく、少ない仕事量で成果を最大にする方法論を実践することなのだ。


恋愛市場で要領の良い人は、ずば抜けた容姿とコミュニケーション能力がなくとも、「これさえ行えば異性が喜ぶ」勘所を理解し、実践している人のことを指す。

ビジネス市場で要領の良い人は、仕事を減らすことを第一に考え、「これさえ上手くいけば儲かる」勘所を理解し、そこに予算や勉強時間を投資して、1点突破で勝ち抜く人を指す。

人生で要領の良い人は、他人と比べた能力やお金、容姿が劣っていても、「自分が3倍幸せになる」勘所を理解し、マイペースで自分の心を満たしている人のことを指す。


これら全ては、3倍理論から生まれる。

3倍を目指すことで、今までの思考の枠組みを外れ、圧倒的な成果を出すために無理やり「ロジカルシンキング」「仕組み化」「投資」の武器を用いて、選択肢を広げることで、要領の良さを手に入れられる。



6.正しいけど要領の悪い罠

裏を返せば、それなりに正しそうなことを言っているが、要領が悪いという事実も存在していて、それらも3倍理論で説明することができる。


6-1.課題解決の罠

寒い日は売上が下がるので、課題があります。つまり、寒い日の売上を改善するために、施策を打ちます。

一見、正しいそうに見える。しかし、問うてみて欲しい。


これで売上が3倍になるか?

答えは、Noである。


じゃあ、雨が降った日は○○して、休日は○○して、、、こうして仕事が増えるのだ。


告白でフラれた時、「私の何がダメだったの?」と聞くだろうか。そこに応えはあるだろうか。

ダメな点があったからフラれたのでなく、心惹かれるほどの魅力がなかったからフラれたのである。


3倍を目指すためには、課題を改善するための方法を逐一考えるのでなく、圧倒的な魅力を作りしか方法なない。



6-2.セグメント切りすぎの罠

データ分析の結果、20代の女性には○○をして、30代の女性には○○をして、リピーターには○○をするとよい。

これも、正しいそうに見える。しかし、問うてみて欲しい。


これで売上が3倍になるか?

答えは、やはりNoである。


アパレル業界で1番儲かっているユニクロは、フリース、ヒートテック、エアリズム、全てセグメントに関係なく圧倒的に魅力のある商品である。


ターゲットを設定することと、複数ターゲットに分けてセグメントを細かく切って最適化を行うことは別々である。

ある一定のターゲットに絞って深く刺さるサービスを考えることは3倍理論では有用だが、細かくターゲットを分けて接客を行っても3倍には届かないあのである。

1.3倍程度の成果を出すためにMA(マーケティングオートメーション)ツールを使えば十分だ。人間の仕事は、もっと創造的でいい。



6-3.顧客ニーズ聞きすぎの罠

アンケート調査の結果、○○を欲していると分かったので、○○を取り入れましょう。

前置きはいらない。


これで売上が3倍になるか?

答えは勿論、Noである。


優しい男が好きだと話す女性の恋愛対象に、優しいだけの男がならないように、顧客の大半は自分のことを分かっていないものだ。

そして、アンケート調査でも明らかになるようなニーズは、他の人でも気付くことができるので、差別化にはなりずらく、消耗戦になり、3倍の価値まで生むことができない。


3倍の価値を生むのは、InstagramやTwitterのように顧客も気付いていない人間元来の欲求に目を向けて、新たな世界観を打ち出したサービスは企画なのである。

AKB48が生まれるまで、アイドルオタクは自分の推しを勝たせるための総選挙にここまで熱中するなんて思っていなかったのである。



まとめ

合言葉

そんな問いかけを行い続ければ、いつかきっと要領は良くなるはずだ。

例え3倍にならなくても、今までの1.2倍とは比べ物にならないくらい、1.2倍の成果が簡単に残るようになる。


さらに副作用として、1.2倍の改善を目指すより、3倍の成果を目指す方が、自分も、周りも、ワクワクするので、要領の良さは正義なのだ。


※年収も高くないし、モテない男の独り言

~fin~

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