見出し画像

[実践報告]小学校外国語授業〜高校生との交流を通して〜

小学校の外国語が教科化されて3年が過ぎようとしているが、いまだに小学校における明確な英語の指導法は確立されておらず、長年小学校教員をしている人の中には苦手意識を持たれている方もいる。
そんな小学校の先生に向けて、現在、小学校教員をしている私が、実際に実践した授業について簡単にまとめた記事になります。興味のある方はお読みください。


1.高校生との交流について

 私が勤務する小学校は私立の小学校のため。系列の中学校・高等学校があります。そのため、日々交流する機会あり、今回はその交流を生かしたものでした。しかし、公立の小学校・中学校・高等学校、大学においても実践可能なのではと思います。小中連携や学校と地域の連携事業の一環としての実践可能なのではと思います。
 さて、今回、私が実践した「高校生との交流」の目的は主に2つです。
1.小学生が身近な高校生とのやりとりを通して、将来の自分の姿を想像させること
2.高校生は小学生との交流を通して、子どもと関わる楽しさや難しさを自分のキャリア形成につなげること
 この2つのことを目的として、授業の実践に取り組みました。では、具体的にどのようなことかを詳しく述べていきます。

(1)小学生が自分の将来の姿を想像させること

 小学生において、身近な大人といえば、親・教員・習い事の先生などではないでしょうか。この少ない目上の人との関わりの中では、自分の将来どのような人になっていきたいのかを考えるのはなかなか難しいです。
 一昔前であれば、友達の兄弟のお兄ちゃん・お姉ちゃんなどと触れ合うことが多く、そのような姿を自然と目にしていました。そのため特に何も考えなくても、将来自分がどのように進んでいくのかというのを自然と目にしていたのです。
 しかし、昨今、一人っ子が増え、なかなかそのような機会は減っています。
 そこで、学校教育の場で、意図的に少し年上のお兄ちゃん・お姉ちゃんと交流する機会を設けて、小学生が「自分が高校生になったときは、こうなるのかな?」と具体的にイメージをすることができるようにしたいということが今回の交流の目的のひとつとなりました。 

(2)高校生が子どもと関わる楽しさや難しさを自分のキャリア形成につなげる

 高校生は、自分の大学選びや進路について深く考える時期になります。進路を決めるということは、ある程度将来自分がどのようなキャリアを形成していきたいのかを考え、決断をしていくことにもなります。そこで、小学生という子どもとの交流を通して、子どもと関わることの楽しさ、難しさを実感することを主な目的としました。
 子どもの素直な反応などを肌で感じることで、高校生は将来自分のキャリアにおいて「子どもと関わる仕事」が選択肢のひとつとして出てきてくれればと思いました。
 大学選び、進路選択において、また将来の自分のキャリア形成の中において何か手助けになってほしいというのが今回の交流の目的の二つ目です。

2.実践内容 〜英語で交換日記をしよう〜

 今回実践した小学生の高校生との交流では、「英語で交換日記をしよう」ということを行いました。
 小学生が、授業の単元でbe動詞の過去形について学習をしました。その学習を生かして、英語で簡単な4行日記を書きました。具体的な内容は以下のようなものです。
 ①Date:November 20th
   ②Weather: It was sunny.
   ③Place:I was at the shopping mall.
   ④felling:It was great.
ここで書いたものはあくまで例です。子どもたちは、自分の本当の経験したことを書いて、高校生に読んで伝えました。
 そして高校生からは「It sounds great!」「I want to go there too.」「I like Disney Land too.」などと英語でコメントをもらい、自分の書いた英語が伝わった、わかってもらえた、という言語学習の本来の楽しさである、「使って、伝わって楽しいということ」と実感することができました。

3.この実戦を通して、気がつかされたこと

 今回の実戦を通して、気がついたことは3つあります。
1.小学生は高校生とのやりとりを通して、英語本来の楽しさを感じることができた
2.高校生はもっと頻繁に子どもと関わることでキャリア形成の一助になる
3.異年齢交流におけるツールとしての英語学習の意義

(1)小学生は英語本来の楽しさを感じることができた

 普段の授業では、どうしても教師と子どものやりとりのため、「間違えたらどうしよう」「失敗しなしか不安」というネガティブな気持ちが先行している子どもたちが多く、あまり積極的に声を出して発言することがないです。
 しかし、今回は身近なお兄さん・お姉さんに話をするということであったため、子ども本来の積極性が見られました。それが結果的には言語学習本来の楽しさである、「実際に使ってみる」ということにつながり、引いては、本当に伝わった、やりとりができたといった成功体験に繋がったのではないかと思います。
 また、子どもたちはいろんな英語でコメントをくれる高校生を目にして、自分も高校生になったら「こんなふうに英語を話せるようになりたい。」といった身近な目標を立てられ、将来の自分について思い描くこともできました。

(2)高校生はもっと頻繁に子どもと関わることでキャリア形成の一助になる

 今回は、初めての試みということもあり、「子どもと関わりたい」高校生に協力を仰ぎました。そのため、積極的に子どもと関わってくれ、高校生自身のキャリア形成の一助になったと感じています。しかし、今後は子どもとの関わりに興味のない高校生も関わってみても面白いのではないかと思います。あまり子どもに興味がない中で子どもと関わってみて、「楽しいな」「子どもに関わる仕事を探そうかな」と感じてもらえたら、それは、その生徒にとてキャリア形成の幅を広げることにつながると考えます。
 そこで、今後はもっと積極的に高校生のキャリア形成の機会として、小学生と関わる機会を設けたいと考えています。

(3)異年齢交流におけるツールとしての英語学習の意義

 今回は、小学生の英語の授業の一環として活動を行いました。小学生・高校生共に、英語という共通のコミュニケーションツールを用いて交流することにより、活動に対して、必然感が生まれ、必然的に英語を使わなければならない、そしてその必然的に使うことによって、言語学習本来の「使って楽しい、わかって楽しい」を感じることができました。
 異年齢交流においては、この必然性を感じることが不可欠です。本来、異年齢交流は必要不可欠なものではなく、異年齢で関わらなくても生活や授業は成立します。しかし、社会に出たら異年齢で関わることは当たり前です。それを子ども時代から経験しておくことは何よりも良い経験になります。また同世代では感じることのない感覚も感じることができるため、異年齢の交流は積極的に行なっていくべきです。
 そこで、異年齢交流において必然性を持たせるためにも、外国語というツールを用いていくことは今後も積極的に行いたいと思います。

 最後まで、読んでいただきありがとうございました。今後も積極的に異年齢交流・外国語学習に関する記事を書いていきたいと思います。
 自分自身まだまだ未熟なため、皆さんからのコメントなどをいただき、成長していきたいと思います。
 それでは、また次回!

この記事が参加している募集

最近の学び

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?