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そのフリガナって必要ですか?

何でもかんでもフリガナをふるというのはいかがなものでしょうか。

障がいのある人が利用する事業所を経営しています。主たる業務は理事長職です。しかし、兼務が多く、相談業務を中心に利用者支援にも入ります。そのため、私のところに連携する事業所から利用者の皆さんの計画書(サービス等利用計画書)がとどきます。その計画書のほとんどにフリガナがふってあります。すべての利用者にフリガナが必要なのか、また、フリガナがふってあると読みやすいのか疑問です

利用者本人に説明する

支援計画書は、ご本人用の書類です。計画書にご本人の承諾のサインをいただきます。そのためご本人がわかりやすいような計画書にしなければいけません

サービスの主体は利用者本人です。しかし、以前は、ご本人ぬきで、支援者主体の支援計画が作られ、利用者はそれに従うしかありませんでした。それが、今では、法律でも利用者主体であるということが記されるようになりました。

たとえば、障害者の権利に関する条約の中の合理的配慮や障害者差別解消法に関係します。

また、これらの法が整備されたことにより、ご本人用の支援計画にはフリガナがふられることが増えました。しかし、フリガナをふることが合理的配慮ではないし、差別解消でもありません目的は、ご本人が納得してその計画にサインをすることです。

わかりやすい文章を作る

利用者ご本人にわかりやすく伝えるためには、利用者に応じて表記を変えます。フリガナをふるより、「専門用語を減らす」、「一文を短くする」、「ひらがなと漢字のバランスを良くする」など、文章を簡単にしてわかりやすい文章にする方が効果的です。

将来的に一般就労を目指している利用者の支援計画書の全文にフリガナがふってありました。たとえば「電車」、「住まい」、「携帯電話」です。その人は、グループホームで生活をして、一人で電車に乗って福祉事業所に行っています。また、携帯電話も持っています。

この人は、ある程度の一般生活をおくることができます。フリガナは必要ありません。

個人にあった書類を工夫する

支援計画書を作る前には、ご本人と面談をします。そこで、ご本人の状況を把握します。その人にはどのような書類が適切なのかがわかります。たとえば、そのときに名前や住所、日ごろの活動などを書いていただくことでその人に必要な情報提供の方法がつかめます。それに応じて書類を作ります。

人によっては、字を書くことが苦手な人がいます。それは、その人の調査書を見れば予測ができます。その人には、絵や写真を使った添付書類を作ります。グループホームで生活する人の週間計画書に、お母さんの写真を貼って、帰省日を伝えたことがあります。その人の計画書で、「帰省」と記載してフリガナをふっても本人は嬉しくありません。

昨日、全文にフリガナがふられた計画書が届きました。その利用者の長期目標は、「一般就労」です。このフリガナは、合理的配慮ではありません。また、フリガナが多すぎて老眼が進む私には読みづらいです。私はA4サイズの書類をA3サイズに拡大しました。連携する機関にも合理的配慮をお願いしたいです。

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