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ノックの意味について

私は障害福祉サービスを提供する事業所を経営しています。この立場になって15年が経ちます。しかし経営者としてはまだまだ未熟です。コンプライアンスに対する意識を高める必要性を感じています。

福祉サービス事業を実施していると、常に所轄庁による行政指導(監査)を意識します。経営者も管理者も、ころころ変わる設置基準に神経をめぐらせています。しかし、行政が定める基準は、あくまでも事業所としての最低基準です。これは満たされてあたりまえのことであり、ここで満足をしてはいけません。私たちは基準だけでなく、福祉事業所としてのコンプライアンスを遵守しなければいけません。

私たちの仕事では、利用者のプライベート空間に入らなければいけないことがあります。入らなければ、支援ができないだけでなく、生活が維持できません。だからといって、何の断りもなく立ち入ってはいけません。一般的にはノックをしてから入らせていただきます。

しかし、このノックの意味を間違えている支援者がいます。ノックは、部屋に入ります、という合図ではありません。部屋に入っても良いですか?とたずねるものです。よって、相手が入室を許可する意思表示をしなければ入ることができません。

しかし実際の場面では、「トントン、入るよー」と扉を叩きながら部屋に入っていくことがあります。これはマナー違反です。ただし、ノックをしても応答がないことがほとんどです。それは、ノックをしたら返答するという習慣を教わっていないからです。だからといって、私たちがそれに甘んじることはできません。ノックをして応答がなければ、言葉で「入っても良いですか?」と尋ねるなどの工夫が必要です。

また調べると、ノックには国際的なルールがあります。それはプロトコールマナー(訳:国際儀礼,世界標準公式マナー)という国際的なマナーやエチケットの中に記されています。それによるとノックの回数は場面によって以下のように設定されています。

【ドアをノックする回数】
2回:トイレのドアをノックするとき
3回:親しい友人や知人を訪れたとき
4回:国際標準マナーに則った、ビジネスシーンでドアをノックする回数

日本のビジネスシーンでは4回はしつこいのではないかとということで、3回が一般的とのことです。

支援場面においては、ここまで厳密性を求めません。しかし支援者一人ひとりがマナーを意識すること、また経営者は、コンプライアンスを明確に示し、それが守られるように努力していくことが必要です。

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