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判定を受ける目的

障がいのある方の支援をしています。もう30年以上も経ってしまいました。何年続けていても、ついおろそかになってしまうことがあります。大事なことを忘れないためにここに書き留めます。

利用者の記録を定期的に確認します。ある利用者の記録を見るとこんなことが書いてありました。

隣の席のAさんが席を離れたすきにAさんのお茶を飲む。
人の物は飲まないように伝えた。

これを読んで悲しくなってきました。

この利用者が、他の人の飲み物を飲んでしまうのはこの日が初めてではありません。頻繁にある行動です。それは支援者誰しもがわかっていることです。

福祉サービスを利用される方は、その障害の状態に応じて判定がされています。それは単にラベリングするためのものではなく、必要な支援を適切に受けるためです。

この利用者は、いつも他の利用者のお茶を飲んでしまい、その都度注意されています。この場面において、他者の飲み物を飲んではいけませんと、繰返し伝えることは大切です。しかし、その前にこの利用者が他者の飲み物を飲んでしまうような場面を作らないことも必要です。

職員が予測して対処することで、この利用者もお茶を飲まれてしまった利用者も嫌な思いをしなくて済みます。利用者の同士の関係も悪くなります。

知的な障害のある人が取得する手帳を療育手帳(横浜市は「愛の手帳」)と言います。この手帳を取得する目的は、専門的な支援を受けやすくするためだということを忘れてはいけません。

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