りょーかい

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最近の記事

古いズームレンズも良いかもしれない Nikkor 28-45mm4.5

古いズームレンズは安かろう悪かろうという定説 今フィルムカメラを使っている人の大半は単焦点レンズを使っているのではないでしょうか。特にMFカメラが主流であった時代では、まだまだズームレンズは黎明期で、あまり描写性能の高いレンズはないというのが定説です。技術的な観点では、そもそも焦点距離が変わるレンズの光学設計が黎明期にはまだ十分ではないこと、単焦点レンズに比べてレンズ枚数が増える一方でコーティング技術の進化が追いついていなくてハイライト部の性能に難があることが考えられます(

    • 珍カメラROCCAFLEXレビュー

      独特のフォーカシング機構と明るいレンズ ROCCAFLEXは正面右側のつまみを上下にずらすことでレンズが連動して回転, 前後に繰り出されてピント合わせができるようになっています。通常の二眼レフのようにノブを回すよりもスピーディにピント合わせができて、その点では良いカメラです。 またレンズはシュタインハイルのCassar80mm2.8が付いていて、明るいレンズというのも期待を抱かせてくれます。実際の描写が気になります。 巻き上げに関しても1コマ目さえ合わせれば、あとはレバー巻

      • 写真展が終わって、ふりかえりと感想

        写真展お越しいただきありがとうございました 7月に実施した写真展から半月、ようやく落ち着いてきたので、写真展を振り返っていきたいと思います。お越しくださった方々には感謝しかありません。 ネガの準備は大体1年くらい、プリントは2か月くらい 写真展のギリギリまで撮影もプリントも続けていましたが、開始したのは大体1年前くらいで、ネガを整理して焼き始めたのが2か月くらいでしょうか。ネガの本数はたぶん50本くらい、印画紙は60~70枚くらい使って11作品を作成しました。 消耗品で

        • 写真展開催で思い込んでいる事

          写真展を開催します 7/7~7/16に神戸市元町のbirdie photo galleryというギャラリーで、写真展をします。自分ともう一人、ライカ使いの人(自分は結果的にㇵッセル縛りになりました)と二人でバライタプリントを使用した写真展を行います。大体は在廊しているので、遊びに来てください。 写真では負けたくない、勝ちたいという思い 一緒に写真展をやる人はshihiroさんという方で、およそ50代くらいだと思いますが、高校生か大学生くらいからずっと暗室をされていた方で

        古いズームレンズも良いかもしれない Nikkor 28-45mm4.5

          50年先まで撮り続けようと思えば

          初期衝動が燃え始めた日 カメラを始めたのが高校生の頃で、たまたま祖父の部屋でニコンのフィルム一眼レフを見つけたのをもらったのがきっかけでした。 50mm1.4で見えた景色では、ピントを合わせた部分以外は全て形をうしなっていて、一眼レフ特有の「カシャン」という音と相まって、自分の人生におけるその地点に明確なクサビ、セーブポイントを保存できたような感覚がありました。 中高生、大学生と多くの出会いと別れがある中で、このカメラと写真さえあれば自分にとって別れの日は一生こないと、半ば

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          Joboα現像液が[美諧調]という道

          新しい現像液が販売された Silversalt販売サイトより、新しい現像液「α」が発売されました。販売元は現像タンクで有名なJoboで、売り文句は「万能型で微粒子、高いシャープネスを誇る」との事でした。 これまでの現像液と異なるのは回転現像を推奨している点にあります。必ずしも攪拌現像では対応不能という事では無いようですが、ここはあくまで回転現像で現像したいと思います。 回転現像システムの構築 回転現像システムはJOBOからCPE-3というものが販売されていますが、30万

          Joboα現像液が[美諧調]という道

          フィルムGRでスナップをする理由

          GRでスナップなんて、時代遅れでは? 昨今ではフィルムの高騰で、「フィルム使うなら大作を」という潮流をうっすらと感じていますが、そうなるもう少し前の話では、フィルムカメラでスナップというのも人気のジャンルで、特にGRは人気がありました。 実際、著名な写真家がGRで作品を残しているので、彼らにとっては良いカメラだったことは否定できませんが、今となっては高価な部類のGR使うなら、バルナックライカに目測で良いのでは?もしくはPenSの方がたくさん撮れるし、ハーフゆえの粒子感がマッ

          フィルムGRでスナップをする理由

          RPX25, Fomapan200レビュー

          志摩半島の旅行で使ったフィルム 先日、志摩半島から紀伊半島南部へ旅行に行って、RPX25とFomapan200を使ってきました。都会やいかにもな観光地よりも、山陰, 高知, 紀伊半島南部あたりの方がドライブも楽しいですし、結構好きなエリアです。 F3にAiS20mm3.5をつけて風景やスナップ写真を撮りました。風景撮影という点では高解像なフィルムも面白いかなという理由でRPX25と、そこそこ高感度で一応は微粒子フィルムを名乗っているFomapan200を使ってみて、なんとな

          RPX25, Fomapan200レビュー

          ちょうどいい二眼Yashica44

          二眼カメラって良いですよね。ぶら下げた時にきちんと前を向いていて可愛いですし、価格も高価で高性能なものから、そこそこの値段で買える普及機まで価格帯が幅広いです。やや卑しい話ですが、カメラへのこだわりを分かりやすくアピールできるのも良いです。 しかしながら、二眼はファッション的に持つにはいささか大きすぎると感じます。あくまでサブというかおもちゃ的に使うのであれば、敢えて66の二眼にしなくても、44の二眼で十分なのではないかなと思います。 127フィルムの現状 127フィルム

          ちょうどいい二眼Yashica44

          優しい巨人 GW690

          これまでの文脈 最近のお気に入りのカメラはHasselbladSWCとNikonF3で、SWCの開放F値が4.5と少し暗いので、露出の問題さえなければSWC、暗い時や気軽な撮影はF3という風に使い分けていました。 SWCは非常に優れた描写能力を発揮してくれて、とてもいいカメラなのですがパノラマ写真(1:2~9:16くらい)にしようとすると、もともとが1:1のスクエアフォーマットなので、1:2で28mm x 56mmとなり135フィルムの横長バージョンくらいのフィルム領域しか

          優しい巨人 GW690

          PanF+というフィルムについて

          あまり使われないイルフォードの常用低感度フィルム PnaF+というフィルムはイルフォードの常用フィルムのラインナップであるプラスシリーズで低感度フィルムの役割を担っています(低感度PanF+, 中庸感度FP4+, 高感度HP5+)。 FP4+とHP5+は軟調な描写傾向で調整の幅が広いことと、実行感度が比較的高いことから扱いやすく初心者から上級者まで幅広く愛用されています。特にFP4+は軟調かつそれなりに広いラティチュードを持ちつつも、しっかりとした輝きのあるハイライトを出し

          PanF+というフィルムについて

          D76は時代遅れなのか?

          D76の現在の立ち位置某サイトで「D76は時代遅れの現像液だ」という趣旨のコメントがあり、けっこう有名な所だったので初めてみた時は衝撃を受けました。曰くD76は粒子感を消すためにシャープネスを犠牲にしているが、昨今の進化したフィルムではマイナス面の方が大きく、むしろ積極的に粒子を出してシャープネスを確保した方が良く、そのためにはRodinalの方が良い、との事でした。もう少し正確には、D76に含まれる亜硫酸ナトリウムは保存性を高めることと粒子を溶かし粒状性を見た目上下げる効果

          D76は時代遅れなのか?

          F100という最適解

          フィルムカメラというと、現像の手間やコストなどから「面倒を楽しむカメラ」という緩やかな共通認識があり、そのためAF一眼レフというのはあまり人気がありません。実際、私も好きでよく使うカメラと言えばNikonF3, Hasselblad500C, HasselbladSWCで、もっと使いやすいF60やF100はあまり使ってきませんでした。 しかしながら、先日旅行に行く際にAF一眼レフカメラ[F100]にVelvia100を一本だけ詰めていったのですがこれが結構よかったので使用感と

          F100という最適解

          さよならライカ、ただいまニコン。

          先日、2~3年ほど愛用していたLeicaM3を友人に譲りました。直接的な原因は夏の出費が思ったよりも大きかったことですが、実際には大事にしまいすぎて稼働していなかったので使ってもらえそうな友人に譲ったという流れになっています。 ライカを使わなくなった理由私のM3の購入当初はレンズ曇りがあったり、距離計が少し薄くなっていましたが、広島光学さんに修理を依頼してそれなりにいい状態にして使っていました。レンズはSummicron50mm2.0(1st)とRussar20mm5.6で

          さよならライカ、ただいまニコン。

          SWCの世界はいつだって劇的だ

          HasselbladSWCとは 作例 使ってみた感想 SWCの希望と諦め 総評 HasselbladSWCとは ハッセルブラッドのSWCというカメラはご存じでしょうか。66フォーマットにBiogon38mm4.5(135換算だと21mmくらいのイメージとなります)を搭載した目測ピント方式のカメラです。500シリーズとフィルムバックは共通ですが、ミラーを省いた設計であるためレンズ交換はできません。 仕様上は専用設計とした割には極端な広角でもなく、レンズの明るさもやや

          SWCの世界はいつだって劇的だ

          絵画的世界の66フォーマット

          66フォーマットには様々な種類があり、いずれも楽しくかわいらしいカメラばかりです。自分自身、初めて中判フォーマットに意識的に触れたのは66で、それからずっと一番好きなフォーマットになりました。今回は66カメラの話です。 66カメラは使いやすい(1)66カメラは比較的軽い 中判カメラのフォーマットは代表的なもので645, 66, 67, 69があって、感覚的には印画紙(8x10, 11x14)のアスペクト比に近い67がモダンなカメラも揃っていて良いのですが、PENTAX67

          絵画的世界の66フォーマット