見出し画像

家族の反対とヨガの道

「マントラは一人の時は唱えられても、家族がいると煩いと思われるのでひっそりと…」とチャンティングクラスの熱心な生徒さんからメールを頂きました。

この方のお気持ちがとても分かります。自分も同じ体験をしました。

一緒に住む人も同じ道を歩んでいたり、自分の良き応援者であってくれていたら、ヨガの旅も進みやすいです。

でも理解がなかったり、あるいは変な見方をされていたら、そう簡単にチャンティングの練習は出来ないものかもしれません。

やっぱり、一緒に住む人に嫌な思いさせたら悪いなあと心配するし、気味悪がられたら嫌だなあとも思います。

どうすれば良いのでしょうか?

私たちは自分の知らないことは、少し怖いものと思うのかもしれません。
「騙されるかもしれない」
「洗脳されるかもしれない」
そんな風に本能的に守りの態勢になるから、関わりたくないと思うのかもしれません。

私はオートバイに乗る前まで、危ない危険なものと嫌悪感を感じていました。オートバイに乗る人は自分とは世界の違う人、自分勝手な人が乗るのかなあとまで思っていました。

でも乗り始めてみると良い世界が広がっていると知りました。

私たちはクリスチャンでもないのに、クリスマスに「メリークリスマス」なんて祝うし、キリスト教の教会で結婚式を挙げて誓いを立てたりしますね。だから、クリスチャンは身近な存在で誰もが知っているので、キリスト教の聖歌を歌ってもOKなんです。

でもなぜかヨガやチャンティングはあまり身近に感じない。その為に怖いイメージを持ってしまうのかもしれません。

キリスト教の聖歌を歌うのもヨガのチャンティングも同じことなのに。

歌の歌詞が英語がロシア語の違いのようなものなのに。

理解のない家族の人たちに、ヨガ(アサナ)もチャンティングも体験してもらって健康的なものだと知ってもらうとか身近に感じてもらうのも解決策かもしれない。

けれども、頭ごなしに悪いものだと決めつけて、聞く耳を持たない人に対しては、戦も出来ないです。

そういった人達を変えることは出来ないと思います。
そんな人達を嫌いになる必要はないし理解を求めなくても、礼儀正しく接していきながら自分の道を進んでいくことはできると思います。

では、どこで練習出来るのか。
私は車の運転中、人とすれ違う時以外の一人で歩いているときはチャンティングしています。東京などどこに行っても人だらけの場所は難しいかもしれません。
会社に残って、誰もいない会議室やビルの屋上などもいいかもしれません。きっと私は「いい場所ないかなあ」といつも探していると思います。

「ヨガや瞑想というのは心が弱い人がする」と言うのは私の父親でした。母親の遺言は、「父親に付き合ってあげるように」。ヨガや瞑想に興味がないのはまだ分かりますが、私の父親は心無い言葉で家族を罵ることがよくありました。

最後に父親に会った時に言われた言葉は「お前の誕生日だからプレゼントだと思って聞け、人間としてお前は最低だ」

ここまでくると、自分が壊れる前に距離が必要になってきますが、ある程度家族と良い関係が保てるならば、自分の大切な趣味や道を理解して欲しいと自然に思うものです。そうでない場合、理解がなくても出来ることを出来る範囲で探して行くことは大切になってくるのかもしれません。自分の信念を通すことに周りの人の許可はいるのでしょうか。

あからさまに攻撃的な態度を取られる場合は、私ならこう考えます。「たった一度のこの身体を得て頂いた人生、自分にとって一番大切なものは何か」と優先順位を付けます。そしてそれに基づいて行動して行くことが大切だと私は思っています。

インドの山奥の人里離れたアーユルヴェーダの病院に入院していた時、バルコニーで山を眺めていると、先生が畑の野菜に水をあげながらチャンティングをしていました。

治療をするときもチャンティングして始めます。帰郷中の大学生の息子さんと娘さんはお父さんと同じアーユルヴェーダの道を進む予定。チャンティングも一緒にしていて素敵な家族でした。

オーストラリアに戻ったら、こんな風に山が見れる静かな場所で、毎朝チャンティングできるようなところに移り住みたいと思いました。

そんな生活をしたくても仕事はしなくていけないし、食べて行かなければならない。でももっとヨガの哲学の勉強やチャンティングに時間を費やしたい!と色々と考えました。

ということで、私が入院中にした仕事探しのキーワードはこの2つでした。

「山の見える場所」
「パートタイム(週3日勤務)」

退院までに仕事が決まり、2640km 離れた山と海に囲まれたケアンズという土地に引っ越しすることになりました。

今住んでいる新しい土地の住んでいる仮屋は山の麓にある誰かの家の土地にある離れです。

毎朝大きな声でチャンティングしています。

仕事がある日も4時半に起きてヨガ(アサナ)を練習して、チャンティングして8時半までに出勤しています。

この土地に来る前に、好きな人がいました。キアヌ・リーブスのように素敵な人!今でも胸がときめきます。でも、恋が実っても私の中での優先順位はヨガの道が1番大切なものでした。

家族がいたり、パートナーがいてヨガの道を進める人は本当にいいと思います。私はそういったものを選びませんでしたが、それはそれのメリットもあります。誰にも迷惑をかけずにチャンティングもできるのもそのひとつです。

何が大切なのかは人それぞれです。チャンティングの練習はひっそりとおっしゃっていた生徒さんのこと。私はその方の家族がその方を応援してくれるように祈るばかりです。
ナマステ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?