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年度はじめの電車に乗る〜研修のために

朝7時台の電車に乗ってしかも仕事に行くのは久しぶり。研修だけど、決まった時間にオフィスに行くのはずいぶん長いことしていない。ここ一年、短期のアルバイトはしているが、最初に研修があるバイトは新鮮。そして7時台の混雑具合は想像していたよりも緩やかなものだった。

最寄駅から都内まで出る路線の途中に北千住という駅があり、ラッシュ時に大量の人が降りてくるのを何回か見たことがある。以前朝8時ごろガラガラの反対方向の電車から見ると地獄絵図のように見えた。ただの印象だけど満員電車で通勤する習慣がないので自分の世界にはない事象。

押し込められた通勤客がどんどん出てくる電車は、想像してもちょっと乗りたくはないし、毎日同じ時間に通勤するのもいやだった。

今朝起きてシャワーを浴び、トーストと紅茶の朝食の後駅へ向かう。最寄駅から電車に乗ってみると座席はいっぱいで座れなかった。予想通りだ。二駅ほど乗っていると降りる客がいて座席が空いたので優先席だけど座った。

座れるとは想定外、そしてこの座席から見える景色は春の田んぼと利根川の河川敷が黄色、黄緑色、緑色に色分けされた雨の日の絵画のような景色だった。空いている時間にいつも電車から見る景色だ。こんなに綺麗なのにどうして誰も見ていないんだろうか、というところまで一緒。3週間前に菜の花が咲き、その後色が足されていっている。キャンバスに筆が加えられているように見える。自然のお絵描き。

だんだん乗客が増えてきて目の前の窓から景色は見えなくなったけど、まだ斜め前の大きな窓には一面に広がる白い雲が見える。ここまでくると天気は雲りだ。

北千住で地下鉄に乗り換えると地下の駅はカオスのようだった。階段まで人が溢れている。急病人が出て電車が止まっていたらしい。新年度初めの日はいろいろあるな。15分前に着くように出たのについたのはピッタリ9時。遅刻でもなく、時間前でもない。全く関係ない分野のアルバイト。ピッタリの時間。

少し後から振り返ると、始まるその時間に来たからってそれにフィットするとは限らないというメタファーのように見える。

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