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帯広市の街中にある鹿の像の正体を暴いてきた。

タイトル通りの内容です。
なんでこれ書こうかと思ったのかの『前置きココカラ
メインである鹿の像について掘り下げた『本題ココカラ
に、項目が分かれており、
本題の中もざっくりですが見出しつけて分けてあります。
長いんで好きなとこだけ読んでください。

【調べるに至った経緯について】

が、この下から始まるんですが、
さっさと本題の像の話入れよ!って人は『本題ココカラ』までスクロールするか、
上の目次の【鹿の像を語るのに必要な前置き、駅編】を押してくださいね!


───前置きココカラ───


自分、帯広に住んでるんですけど、ずっと気になってたことがあって。
帯広駅の北側(バス停とかある方です)に鹿の像あるじゃないですか?


↑こいつらです。
ただのモニュメントかな~と思ってたんですけど、
あれ西二条通りの藤丸前とか六花亭前とかにもぽつぽつあって
「これ市の所有物…?藤丸の?六花亭の…?」とか
「そもそもなんで建てたの…??」
とか、ちょっと疑問に思ってたんですよね。

いやまあ、帯広っていうか十勝だから身近な鹿かなぁとか安直に考えてたんですけど、
あんな点在させる意味ある??一か所で良くない??とか
点在させるならもうちょいあっても良くない??みたいな…
いろいろ考え始めると気になるとこがあって。

それに加えて、ちょうどお仕事で十勝の観光スポット記事!みたいな
ちょうどド真ん中なもの書かせてもらってる最中だったんで、
題材にもなるし純粋に考えれば考えるほど気になるな~…
って感じになったんで、市役所に聞きに行ってみました。

普段ドのつく引きこもりなんで、なんかもう超ドキドキ体験でしたね……
市役所の6階とか初めて行きましたからね!
詳しくは後述するんですけど、ちょっとさわりくらいの感じで
簡単なお話聞けたらいいな~くらいの軽いノリで行ったら
思いの外ガッツリいろいろ聞かせていただけてしまい
はじめはビックリ半分ちょっと申し訳ない半分みたいな感じだったんですが
だんだん帯広で生まれ育った自分ですらぜんぜん知らなかった話がぽんぽこ出てきたんで
好奇心が満たされまくって最高に楽しかったです。
(学生の頃の社会科見学を思い出しました)

みなさんも自分の住んでる土地に気になるところがあったら
臆さず役所に行っていろいろ聞いてみたらいいと思います。
少なくとも帯広市役所(の、今回お世話になった管理課)の方々は
めっっちゃ親切&フレンドリーに教えてくれました。
(管理課の職員さん、お仕事中にマジすみません、そして本当にありがとうございました…!)


───本題ココカラ───

【鹿の像を語るのに必要な前置き、駅編】

まずあの鹿の像なんなのよ?という話なんですけど、
あれはそもそも帯広駅とその周辺の区画整理のときに
建てられたものらしいんですね。

自分は正直ぜんぜん知らなかったんですけど、帯広駅って実はちょっと
コンセプト的なものがあってデザインされてる部分があるみたいで。

まず帯広駅の駅舎は「十勝の顔なので、十勝の自然や風土、街並みとの整合性を図ったデザインにしよう!
という感じで「日高の山並み」と「耕地防風林」をイメージしてるんだそうです。
駅舎の上の方の、それこそ山みたいな形になってるところは、まさしく「日高の山並み」モチーフだそうで…

↑これが帯広駅です。
言われてから改めて見たら「アッたしかになんか山っぽいね!!??」って
なりましたよね……いや、前からなんか並々だなあとは思ってたんですけど……

JRの汽車が走ってる高架橋にも、ちょこちょこ十勝の自然をあらわした模様が入っていて
日高の山並み」「十勝川」「大雪連峰」「耕地防風林」の4種が
16箇所にわたって描かれているらしくて…こんな感じで…

↑長崎屋近くの高架橋です。
お話を聞いた帰りに徒歩で高架橋のところまで見に来たんですけど
見た瞬間「ほんとだ!!っていうか知らなかったこんなのあったんだ!!??
ってちょっとしたアハ体験でしたよね。だって普段見ないじゃないですかこんなとこ…

(これホントめちゃくちゃ人に話したかったんで、
 この記事見た人はちょっと気にして高架橋見てみてください…
 そして「アッほんとだ!?」ってなってください…お願いします…)

【駅編のオマケ】

ちなみにこれ、それぞれちゃんとレリーフが彫られている方向にも意味があって、
レリーフを見ながらそっちの方角に行くとそのレリーフの元になった方面に行ける
みたいな仕組みになってるらしいです。

資料によると
日高の山並み→西進方面
大雪連峰→北進方面
耕地防風林→南進方面
十勝川→東進方面
だそうです。

自分は地理がさっぱりなので言われても「そうなんだ…??」という感じだったんですけど、
地理を理解してる方やそういうのが好きな方は「ホントだ~!?
ってなれるかもしれないです。自分の代わりになってください…。

【ようやく鹿の像の話をするぜ!編】

で。
帯広駅とその周辺がそういう「十勝の自然モチーフ」で作られることになったんで、
じゃあ十勝の自然の代表みたいなところがある鹿の像も街に置こうぜ!
って話になったみたいなんですね。

はじめは十勝の自然動物って言ったらヒグマだよね!ってことで
ヒグマの像を置く案を出したりもしてたそうなんですが
街中にヒグマはちょっと…みたいな感じでナシになっちゃったみたいです。
(自分はちょっと見てみたかったですけどね!)

そういうわけで、街中に置いても変じゃない動物ということで
白羽の矢が立ったのが「鹿」だったんですね。
たしかにサイズ的にも違和感ないですし、けっこう親しみありますよね。

↑藤丸前の鹿の像

鹿の像は現在、帯広駅の北側に3頭
藤丸前・六花亭前に合計4頭いるんですけど、
「本当はもっとたくさん置きたかったんだよね」
と当時開発に関わってらした方は仰っていました。
(そう、資料とかじゃなく開発に携わった方に直にお話を聞けてしまったんです…)

ただ予算的に…あの像けっこうちゃんとした値段なんですよ…
そもそもあの像の製作者さんが、米国の彫刻家である「Gwynn Murrill」さんという
海外のすごくちゃんとした方にお願いしてるらしく。
藤丸前と六花亭前のシカは、設営費などを含めて総費用3300万、駅前の鹿は3頭で2400万円ですって。
そりゃ予算も足りなくなりますよね…

ちなみに、「gwynn murrill 帯広」でググると
その彫刻家さんのサイトと思しきページに
この鹿の像の画像と詳細が英語で書かれています。
今回の件で初めて知った彫刻家さんだったんですけど
めちゃくちゃ親近感が湧きました…携わってくださってありがとうございます…

【鹿の像の話を掘り下げていくぜ!編】

これどこにねじ込んでいいかわからなかったのでここに書くんですけど、
まず始めに「帯広平原通商店街振興組合」が、
平原通りの街路整備のときに「自然豊かな帯広らしいものを
という理由で、藤丸前・六花亭前の鹿の像を1999年(平成11年)に建てたらしいです。

で、そのあと帯広駅の北側の整備に合わせて、
2001年(平成13年)に駅の鹿が帯広市により設立された、という感じで
設置した時期も組織も別々だったんですね。

こういう情報ちゃんと残しておいたほうがいいよな…と思って
書いてるんですけど、綺麗にまとめるのって難しいですね…

でもまだ書きたいことありますよ!
それぞれの鹿の像、実はちゃんと設定?があるらしく。
藤丸前・六花亭前の鹿は、4頭合わせて親子鹿なんだそうです。
大雪の産地から商店街へ迷い込んできた鹿の家族…ってことらしいんですね。
場所がそれぞれ離れているのは、その家族が街中ではぐれてしまい、
藤丸前の雌鹿と子鹿を、六花亭前の雄鹿が心配そうに見ているんですって。

↑六花亭前の雄鹿
言われてから改めて見ると「たしかに見てる…!!」ってなります。
(自分はなりました…)

また、駅にいる3頭の鹿も親子という設定。
あそこって水が流れるなぞの噴水?オブジェ?みたいなのがあると思うんですが
あれは「大雪山から流れ出す水(小滝)のせせらぎ」をイメージしているらしく
そこへ水を飲みにやってきたのがその3頭の鹿の親子…
ということらしいんですね。
(正確には、小滝の水を飲んでいる子鹿を見つけた親子鹿が、
 つられてそっちに行こうとしている…みたいな設定)


【少し市に言いたいことあるんですが編】

ここまで読んでくださってありがとうございます。
たぶん読んでくださった方の何割かは同じ感想を抱いたと思うんですが…

なんかめっちゃ設定しっかりしてません!!?
これ市民が知らないの損してませんか!!??

はじめお話を聞きに行った時も、ちょっと資料が見当たらなくて…
という流れから、当時開発に携わった方に記憶を呼び起こしていただき直接お話を聞き…
後日資料を発掘してくださった職員さんのご好意でそれのコピーをいただき…
みたいな感じだったんですけど、

ちゃんとしたパンフとか…看板?とか…なんかそういう…
そういうのを目につくとこに置いた方が良くない!!??もったいなくない!!?
みたいな気持ちになりました。

だって知ってると知らないとでぜんぜん見方変わるじゃないですか…
少なくとも自分の中では「ただのその辺にある鹿の像」から
めっちゃちゃんとしたコンセプトのある素敵な鹿の像」に
クラスチェンジしましたからね!!

【その他雑多オマケ編】

あと他にも、
「鹿の像のそばや西二条通りのバス停などに鹿の足跡がある」
「とかちプラザの霧が出る噴水も十勝の自然の霧をイメージ」
「鹿のフンの像を置く案もあったが安全面からナシになった(躓くから…)」
みたいなお話もお聞きしました。

そういうのちゃんとパンフにまとめて(以下略)

鹿のフンとか、今からでもトリックアートとかで描いたりしてもらえませんかね…
クマの像も子グマとかなら…ちょっと可愛い感じなら…ね…?

↑藤丸前の鹿の足跡とプレート

【あとがきとおねがい編】

とかもう、お聞きした話と自分の思ったことであともう何百字か書けそうな
勢いなんですけど、とりあえず伝えたいことは伝え切った…はず…
なんかまた思い出したり写真撮ったりしたら追記するかもしれません。

最後まで読んでくださってありがとうございます。
なんでこの記事書いたかって言ったら、やっぱりこれ
周知されないままなの勿体無さすぎでしょ…???
ってなったからなんですよね。
ほんと、この記事のシェアとかは別にいいんで
会話の一環とかでまわりのご家族とかお友達とか職場の方とかに
鹿の像のなりたちとか設定とか駅のデザインのコンセプトとか教えてあげてください。

自分の望みはそれだけです…ぜひ…なにとぞ…

 


↑見る親鹿

↑見られるはぐれ鹿


(誤字とか脱字とか誤用とかなんらかの間違いとかが
 あったらこっそり優しく教えてください…)


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