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100日後に年越すオレ 94日目「ゑ:ゑびす」

”いろは順”エッセイの四十三日目、本日は”ゑ”です。

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"ゑ”で選んだ題材は、「ゑびす」。旧仮名遣いの”ゑ”(カタカナでは”ヱ”)は発音はwe(うぇ)です。まあそもそもゑから始まる単語ってほとんど無いんですけどね。他には「ゑむ(笑む)」「ゑう(酔う)」などがありますね。

さて「ゑびす」。漢字だと恵比寿や戎、蛭子と書かれますね。日本における七福神の一柱であり、七福神の中でも最も知名度のある神様だとも言えるかもしれません。

えびすは日本の神で、現在では七福神の一員として日本古来の唯一(その他はインドまたは中国由来)の福の神である。古くから漁業の神でもあり、後に留守神[注釈 1]、さらには商いの神ともされた。夷、戎、胡、蛭子、蝦夷、恵比須、恵比寿、恵美須などとも表記し、えびっさん、えべっさん、おべっさんなどとも呼称される。(Wikipediaより)

僕自身も「商いの神」、「商売繁盛の神」ということで、10年以上前に仲間と共に起業した際、起業の地として恵比寿橋のたもとにオフィスを借りたり、毎日恵比寿神社にお参りしてから出社したりしていまして、その名残で10年以上経った今でも、何かの用事で恵比寿に立ち寄る際には必ずお参りしていたりします。あと神札も毎年交換していたりと、最も”贔屓にしている”神様かもしれません。まあ、恵比寿という土地もヱビスビールも好きというのもありますけどね。

そんなえべっさんですが、実はそのルーツは二つの説に分かれているんですね。”蛭子”であるとする兵庫の西宮神社を代表に言われている説と、”事代主神”であるとする大阪の今宮戎神社を代表に言われている説。どちらも立派な神社であり、どちらが良いと言えない状況だったりするんで、まあどちらも正しいとすれば良いのではないでしょうか。(適当)

ちなみに日本一の大きさだとされるゑびす様の石像は、神戸市の舞子六神社にあって、先日ちょうど見てきたんですよね~。この石像は曰く付きというかとても興味深いのが、実は元々この像は舞子に住んでいた外国人が自宅用に作らせたもののようで、それが寄贈されて神社で飾っている、というもの。日本一の大きさで作らせたのがどういう人だったのかとても気になりますが、どこにも情報はありませんでした。気になる~!
なお、舞子六神社には同じく寄贈された日本一の大黒様も一緒だったりします。

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さて話を戻しましょう。渋谷区恵比寿の地名の由来は有名な話ですが、サッポロビール(当時の日本麦酒醸造会社)のメインブランドである”ヱビスビール”にちなんでつけられたもの。今の恵比寿ガーデンプレイスの場所にビール工場があったんですが、恵比寿駅自体が元々はそのビール工場のための貨物駅だったんですよね。
そんなこともありそのエリアを「ゑびす」と呼ぶようになり、それが地名と駅名になったというわけです。実際に最初は「ゑびす駅」だったみたいですね。今では「恵比寿」と言えばその駅やエリアが最も知名度は高いわけなので、ある意味逆転現象が起きているのかもしれません。

とはいえゑびす様自体も古くから信仰を集めていて、それは随所に見られるわけですが、今年になって初めて行った淡路島でもそれを感じました。淡路島には淡路人形座という人形浄瑠璃の小屋があるんですが、そこで「戎舞」という演目を見たんですよ。あらすじはこちら。

その戎舞、シンプルに言えば戎様がお酒を飲んで舞う、というだけの演目なわけですが、戎様の仕草がコミカルで、人形浄瑠璃の魅力がとても良く伝わる演目だなあと素人ながら感じたのでした。ちょうどこの写真の真ん中二つが戎様の人形ですね。

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というわけでゑびす様について色々書いてきましたが、釣り竿を持って鯛を抱え、そしてニコニコと笑いながらお酒を飲むという姿は、ある意味自分にとっては理想の隠居姿だなあと、ヱビスビールを飲みながらしみじみと思ったのでした。

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