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100日後に年越すオレ 59日目「ち:ちりとてちん」

”いろは順”エッセイの八日目、本日は”ち”です。

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”ち”で選んだ題材は、「ちりとてちん」。落語の演目の名前であり、また落語をテーマにしていたNHK朝ドラの名前でもあります。

このnoteでもちょくちょくと書いているように、落語が大好きな身で、会社で落語研究会を主宰していたり、大学の同級生がやっているアマチュア落語会を見に行ったりするくらい。まあこのコロナ禍でプロの落語会も少なくなっている中で、アマチュアの方はほとんど行かなくなってしまったけれど。

そんな感じなので、周りの人と落語のことを話せるのがとても嬉しくて、そもそも会社の落語研究会を立ち上がることになった理由というのも、若手との合宿で「話すのが上手くなりたい」なんて相談を受けて、「だったら落語でしょ!」と落語をオススメしまくっていたりしたから。結果として「初落語」を体験してもらってハマってくれた数人が立ち上げメンバーとなったんですよね。

そんでその後も色々とメンバーが増えていくんですけど、そうしたメンバーに「どうして落語に興味を持ったの?」と聞いていくと「笑点が好き」「親が落語好きだった」とかと一緒に出てくるのが「ドラマやアニメを見たから」でした。ということで今回は、「落語をテーマにした作品」について書きたいと思います。

まずは「の・ようなもの」と「の・ようなもの のようなもの」。
「の・ようなもの」は1981年に製作された森田芳光監督のデビュー映画で、若手落語家が主人公の話。将来に葛藤しながらも恋に人間関係に揺れ動くというストーリー。約40年前の東京下町の風景も流れるので、そうした意味でも貴重ですね。ちなみにエド・はるみのデビュー作(元々女優だった)でもあったりします。あとはコサキンの二人がコンビ役で出ていたり、内海桂子・好江師匠が出ていたり、

そしてこの続編として作られたのが、2016年に公開された「の・ようなもの のようなもの」。森田監督死去後にスタッフが再集結して撮った続編で、「の・ようなもの」の主人公や兄弟子などが同一人物として登場。主人公を松山ケンイチが演じたことでも話題になった作品。こちらも若手落語家が主人公。これは前作を見てからの方が絶対に楽しめますね。


さて続いては、TVドラマ「タイガー&ドラゴン」。クドカン脚本で長瀬智也と岡田准一のW主演という豪華さだったので、放映当時も大人気。サブスクで配信されていないのが残念過ぎますね。今でもたまに見たくなってしまいます。こちらはヤクザと落語家の二足の草鞋を履くという設定で、師匠役の西田敏行のコミカルな演技も含めて非常に笑えた作品でした。


そしてお次が「昭和元禄落語心中」。漫画原作でのアニメ化作品を経て、最後はNHKで実写ドラマになりました。つい最近の作品なので一番知っている人が多そうですが。この作品は「死神」「寿限無」「饅頭怖い」などの一般的にも有名な噺だけではなくて「野ざらし」「居残り佐平次」なども何度も登場して、この作品を見ているだけで沢山の噺を覚えられるというのがとても良いなあと思って見ていました。実際にこの作品を見てから落語に興味を持った人は「あ、この話もアニメで見た」という感じで寄席に行っても結構楽しめるんですよね。落語に触れてみたい、ということでは一番オススメかもしれません。


以上の作品以外でも、小説⇒映画化になった「しゃべれどもしゃべれども」だったり、映画「花とアリス」だったりも落語を題材にしているもの。まあどちらも人間模様が中心で、”落語”自体はサブテーマのようなものですが。


そして最後は、タイトルでもある「ちりとてちん」について。「ちりとてちん」とは落語の演目で、江戸落語の”酢豆腐”から派生したのが「ちりとてちん」になります。落語の方のあらすじは、知ったかぶりでいつも苦々しく思っていた男に、腐った豆腐を「台湾名物(元々は長崎名物)のちりとてちん」だと言って食べさせる、というもの。知ったかぶりが嫌々ながら食べるしぐさが面白い一席。

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そしてその演目をタイトルにした朝ドラ「ちりとてちん」は2007年に放送された作品。貫地谷しほり主演で、主人公が落語家を目指すという話。これも随所に落語の色んな要素が入っていてお勧めです。

ちなみに「腐った豆腐」というと沖縄の豆腐ようをイメージされそうですが、”発酵”と”腐敗”は違うんですよね。「腐った豆腐」を食べると本当にキツイらしいので気を付けて!

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