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日本人であるということ

また前回のnoteから1年ほど経ってしまいました。ということは、日本を出てちょうど3年になります。過去2年続けてこの時期にnoteを書いているので、何となく今年も書いてみようと思います。実はこのテーマ、昨年書こうと思ったもののうまく言語化できずに諦めたものだったりします。笑

結論から言います。ぼくは日本人であることを、誇りに思います。正確に言うと、ここ数年でそう思うようになりました。

日本の将来に漠然と不安を抱えているという声をよく聞くようになってから久しいです。確かに、数字で見ると絶対的な国際競争力は未だに高いものの、相対的には他の先進国に比べて下がっています。失われた30年というやつです。そして、少子高齢化はますます進み、人口が減少していくことで内需は小さくなっていく一方です。すると、よく議題に上がることの1つが、次の日本の産業の輸出戦略をどう考えるかということです。

ここでは、どの産業で勝負すべきかという類の話はしません(これに詳しい方や文献が思い付くと思うので)。が、どんな産業を輸出するにしても大前提として必要になってくる「人材」と「メンタリティ」について、ぼくの経験を元に話せる範囲で話してみたいと思います。現状として、日本と海外(特にアジア)を繋ぐ人材がまだまだ不足していると日々感じているので、このnoteを読むことで少しでも日本人であることに誇りを持ち、世界を視野に入れようという人が増えるといいなという願いを込めつつ。

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まず主張したいのが、日本人のビジネス基礎体力は総じてかなり高いということ。日本の最前線で懸命に仕事していれば、それだけで高い基礎体力を身に付けている可能性があると思います。分解すると色々あるのですが、僕が日々アジアで仕事をする中で日本人が平均的に優れているんじゃないかと感じるのは、

・規律を守りつつ相手を思いやる、協調性
・事業や組織の開発/管理に関する、あらゆるノウハウ
・様々なリスクを想定しながら先を見通す、計画力
・責任感の強さから来る、完遂力
・受験や部活を経て自ずと身に付いている、自己研鑽の意識

あたりです。どれも仕事をする上でとても大事なんじゃないかと思います。個人的な話になりますが、2点目のノウハウや3点目の計画力なんかはぼくも日々意識しまくっていて、一緒に仕事をしているアジア各国のメンバーに絶対負けたくないと思っているポイントでもあります。

また、日本人のモラルの高さや礼儀正しさが、ビジネスでもプライベートでも活きているなと感じる場面もよく目にします。これまでに日本人と仕事をしたい、日系企業で働きたいというアジアの人たちにたくさん出会ってきました。こちらが日本人というだけで初対面なのに割と信用してくれて、たわいもない話ですぐに盛り上がったりもします。日本人というある種のブランドが、コミュニケーションを円滑にしてくれている気がします。

これは間違いなく、今日に至るまでに日本人の先輩方が諸外国で示し続けてきたモラルの高さや礼儀正しさによるものでしょう。その結果の一部として、日本人には世界最強のパスポートを保有することが許されているんだと思います。

そして、世界は日本のプロダクトで溢れています。車はトヨタや日産、ホンダ、スズキ。家電はソニーやパナソニック、日立、ダイキン。買い物は伊勢丹やイオン、ユニクロ、無印。海外に住んでいる日本人にとって、これらの存在はシンプルに生活の支えになっています。小さい頃から慣れ親しんだ日本のプロダクトを世界中で買えるというのは、何だかんだ言って安心します。

この「世界は日本のプロダクトで溢れている」というカバレッジの高さと、実際にそれらを使ってみたクオリティと満足度の高さが、日本というブランドそのものと、そこに属する日本人に対するイメージを、よりポジティブなものにしてくれている気がします。

最後に、近年の日本のインバウンド関連の数字を見れば明らかですが、多くの外国人が日本に行きたがっています。僕たち日本人が思ってる以上に既に日本に行ったことがある外国人は増えていて、「あんなに街がきれいで洗練されててご飯がおいしくてホスピタリティに溢れている国はない」という感じの話をよく前のめりで語ってくれます。そのほとんどの人がまたすぐに行きたいと言い、東京、横浜、大阪、京都あたりのおすすめスポットを具体的に尋ねてきます。

きっと、周りの友達にも同じ感じで語ってくれていることでしょう。それによって、まだ日本に行ったことがない人は次の旅行で日本を目指すかもしれませんし、結果として日本に行かなくても、その人の中に既にある程度日本ブランドが確立されていることでしょう。そしてそれが、日本人が世界に出た時にコミュニケーションの潤滑油となってくれているでしょう。

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と、ここまで日本を褒めちぎる形になってしまいましたが、もちろん日本人が弱いなと感じる部分もあります。今回はあえて書きませんが。笑

ただ、日本の将来に漠然と不安を抱えて「日本は終わった」的なことを言う人がちょっとでも少なくなれば嬉しいなと思っています。少なくともぼくは、ここ数年歳を重ねるごとに、日本という国を、日本人であることをどんどん誇りに思うようになり、その武器をどう活かそうかと日々試行錯誤しています。

世界に目を向けよう。日本人であるということ自体が、意識せずともその門出をきっと成功へと導いてくれると信じています。

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