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読書感想文的な26『硝子の塔の殺人』知念 実希人

雪深き森で、燦然と輝く、硝子の塔。地上11階、地下1階、唯一無二の美しく巨大な尖塔だ。ミステリを愛する大富豪の呼びかけで、刑事、霊能力者、小説家、料理人など、一癖も二癖もあるゲストたちが招かれた。この館で次々と惨劇が起こる。館の主人が毒殺され、ダイニングでは火事が起き血塗れの遺体が。さらに、血文字で記された十三年前の事件……。謎を追うのは名探偵・碧月夜と医師・一条遊馬。散りばめられた伏線、読者への挑戦状、圧倒的リーダビリティ、そして、驚愕のラスト。著者初の本格ミステリ長編、大本命!

本屋大賞の季節。
とりあえず今年はこの本から。

レビューがけっこう散々だった。
知念実希人の本って読みやすいしいいかなと思ってたけど、ちょっと時間かかっちゃった。そういえばラノベ感?強めのも何冊かあったよなぁと思いだした。
でも酷評するほどでもないような…?

わたしはにわかミステリファンだから、コナン・ドイルと聞いて浮かぶのは名探偵コナンだし、アガサ・クリスティと聞いて思い浮かぶのも阿笠博士。
本格とか新本格とか言われてもなんのこっちゃって感じで、そのあたりはすすすっと読み流した。
読み流しながら、あぁまた昔の本のうんちくのターンかって何回か思ったから、そこはちょっとしつこいかもしれない。

これを読んで「ラストが予想通り」って言ってる人が多いのに驚き。
みんな頭いいな。すごい。なんでわかったか教えてほしい。
本格とか新本格とかを読んでる人には予想できる展開なのかな?
だとしたらやっぱりたくさん本を読むことって知識を蓄えたり、考える方法がわかったり、意味があるんだなって思った。
言いたかった!途中で展開わかったわって。
かくいうわたしはどう思ったかって?
あれ?犯人わかったのに本の残りページ多くない?まだなんかあるの?
だよ!!!!いえーい!!
全力で楽しんでるでしょ!

ワイダニットとかフーダニットとかハウダニットすら初耳だったよ。
Why done it、Who done it、How done itってわかるのにも間があったくらい。
みなさんこれで自分の好きな傾向を把握してんのね。
だとしたらわたしはワイダニットが好きかな。
なぜ、どうしてっていうのが明確になると、犯人とかいろんな登場人物の気持ちがよくわかると思うから。
日常で、誰かがどういうふうに考えてこういう結果に至ったかって知ること、ほぼないじゃん。
思考のプロセスというか、そういうの。みんないちいち表明しない。
わたしは自分の行動の理由だって、後から考えればこういうことかもしれないなと思うくらいぼんやりしてるから、なぜ、どうしてが明確な行動が気持ちよく感じる。
気持ちよくはなんかちがうか。すっきりする?

ゴールが同じ場所でも、そこにたどり着くまでにはいろんな過程や方法がいっぱいある。
自分とは異なるその過程や方法を発見する作業は単純に楽しい。
これはインプットして気持ちがいいことと通じるものがあるのだろうか。
うーん、わからん。


まぁミステリってだいたい人が殺されちゃってるから、そこに至る過程を参考にはできないだろうけど。笑
それでも、なるほど君はこういう考えだったのかっていうのが明確になるのはすっきりするものだよね、たぶん。
その気持ちに共感するかは、また別のこと。

心理的などんでん返しは、想定の範囲を超えた思考のプロセスを経てるときに巻き起こるのかな。
でもそれも「いやそんなわけないでしょ」って冷めるのか「そういう考え方もあったのか!」って盛り上がるのか、紙一重じゃない?
受け取る側に任されている。
たぶん後者のほうが、ちょっと楽しい。
(それを柔軟ととるか、おばかととるかも紙一重だね!)


次はたぶん大賞が発表されてから読むことになりそう。

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