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文系学部からの統計検定準一級合格体験記

こんにちは、Ryopperです。
私は2023年1月に統計検定準一級を受験し、一発合格しました。(60点なので自慢はできないですが。)今後受験される方に向けて情報を共有できたらと思い、記事を書きます。


合格してよかったこと

まずは、統計検定準一級に合格してよかったことをまとめます。
よかったことは以下の3点です。
1. 就職活動でアピールできた
2. 大学院入試での強みとなった
3. 卒業研究の基礎が固まった

詳しく書きます。

就職活動でアピールできた

統計検定準一級を持っていることは、就職活動においてアピールできる要素となりました。面接時にこの資格を話題にしたところ、「統計学の理論に精通しているんだね」という反応を得られました。機械学習エンジニアの方に言われたので、間違いはないです。

大学院入試での強みとなった

情報系の大学院入試では、統計検定準一級の知識が非常に役立ちました。統計検定準一級では、確率統計の基本から応用まで幅広い知識をカバーしており、入試での対応力を高めてくれます。東工大情報工学系院試に合格しましたが、確率統計の問題には自信を持って解くことができました。院試の記事についてもよかったら読んでみてください。

卒業研究の基礎が固まった

私は現在機械学習系の研究室に所属しています。機械学習分野の論文では、数式が頻出します。統計検定準一級では論文や数式を理解する上で必要な知識を学習できます。統計検定準一級の内容を勉強しておくことで、論文の理解が格段に早くなったと思います。

受験前の筆者のスペック

次に受験前の筆者のスペックを紹介します。(理由としては、勉強時間や勉強法は個人の能力によって大きく左右されると思います。あくまで、これくらいのスペックを持つ人間の勉強法だよってことに注意して読んでほしいためです。)

  • 私立大学 教養学部 情報科学専攻(受験当時 学部3年生)

  • 大学で取得した数学系の単位

    • 線形代数1(大学前期の線形代数のみ)

    • 複素関数論

    • 微分方程式論

    • 確率・統計(基礎, 発展)

  • 統計検定2級保持

では、統計検定準一級の概要について見ていきましょう。

統計検定準一級の概要

私がつらつら書くより、公式サイトの方が正確&まとめられています。

一般的に大学3~4年生程度の専門的な知識が必要とされます。統計検定二級も受けたことがありますが、かなり難易度に差があるように感じました。また統計検定準一級は機械学習の内容も幅広く出題されることが特徴です。

統計検定準一級合格への道

基本的には、参考書を解くだけ(つまり独学)で合格できます。以下の手順に従って進めていくと良いかなと思います。

まずはワークブックをやろう

まずは、この本で勉強しましょう。基本的に統計検定準一級ではこれくらいの難易度の問題が出るので、雰囲気を掴むために読んでおくとゴールが見えると思います。一周するまで2~3週間くらいかかると思います(2時間/日の想定)。4~5周する人もいるらしいですが、私は1周しっかり目にやれば良いと思います。

(ワークブックで挫折した人) 弱点克服 大学生の確率・統計で基礎固め

上記ワークブックの内容が難しすぎる人がいると思います。その時はこちらの参考書で基礎を固めましょう。1~4章までで良いです。基礎がしっかり身につくと思います。

ワークブックが終わったら公式問題集をひたすら解こう

ワークブックを読むだけでは、分かった気になっていても問題が解けないと思います。理解するためには、問題を解くことは必須です。なので、この本でひたすら過去問を解きましょう。先ほどワークブックは1周で良いと言いましたが、過去問に関しては3周くらい解くと良いと思います。

使用した参考書一覧

最後に、私が統計検定準一級の勉強に使用した参考書を紹介します。上で紹介した本も再度掲載します。また、おすすめ度を★~★★★★★で評価しています。参考にしてください。

統計学実践ワークブック(おすすめ度★★★★★)

統計検定準一級を受験された方は絶対と言っていいほど、こちらの参考書にお世話になったと思います。それくらい有名な参考書です。日本統計学会公式だけあって、基本的にはこの本の内容を全て理解できれば合格できます。(ただ、初心者が全部理解することはかなりハードです。)

統計検定準一級 公式問題集(おすすめ度★★★★★)

同じく、統計検定準一級の公式問題集も多くの受験生が使ったと思います。統計検定準一級に合格するには、上記のワークブックで理解すると同じくらい理解したことをアウトプットすることが大切です。実際の試験形式と同じ形で時間を測って解いてみると結構解けないと思います。(私の場合は最初ほとんど解けませんでした。)

弱点克服 大学生の確率・統計(おすすめ度★★★)

この本の著者、藤田先生の授業を実際に受けた信者としては、こちらの本をお勧めせずにはいられません。この本は、上記のワークブックや公式問題集で挫折してしまった人向けの参考書で、確率とは何かを基礎からしっかり学び直せます。私が確率統計を好きになったのは、藤田先生&この本のおかげと言っても過言ではありません。
(おすすめ度を★★★とした理由は、この本は「確率と確率分布」の分野にかなりフォーカスされているため、統計検定準一級の参考書としては少し物足りないと判断したためです。 

データ解析のための統計モデリング入門(おすすめ度★★★)

続いて、データ解析のための統計モデリング入門、通称緑本です。この本は、確率というよりは統計分野の参考書です。私は、統計検定受験のためにこの本を買ったわけではなかった(インターンでお勧めされたため)のですが、結果的に読んでよかったなと思っています。

現代数理統計学の基礎(おすすめ度★★)

最後に、現代数理統計学の基礎を紹介します。こちらは、統計検定一級の参考書として有名です。統計検定準一級だとオーバーワークだと思います。私は、将来的に統計検定一級も受けたいなと思ったので少し手をつけました。結構難しいです。

おわりに

特に理系学生にとっては、統計学は研究, 院試, 就活で超役立つと思います。また、大学の授業で受けていると思うので、せっかくなら資格という形で能力を証明すると良いのではないでしょうか。
文系学生(非経済系)にとっては、統計検定準一級合格はかなりハードルが高いと思います。ただ、心理学でも経営学でも確率論や統計手法を知っていると卒業研究での理解の進み方が全然違うと思います。統計検定準一級が難しくても統計検定二級くらいは教養として知っておくのは良いと思います。


以上になります。

大学院入試の記事や、旅行の日記も書いているのでぜひ読んでみてください~

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