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音楽で泣くこと

音楽を聞いて涙を流した経験をしたことがある方は少なからずいらっしゃると思います。どちらかといえばCD、ストリーミングサービスよりも、実際に生の演奏を聞いて泣いた、という方のほうが多いのではないでしょうか。

これは録音と生演奏の違いを明確に表していると思います。録音はいいとこ取りの寄せ集めです。様々なテイクを撮って、その中で最良のものを選び繋ぎ合わせていきます。しかし、音楽全体の流れというのは残念ながら録音では感じ取れません。様々なテイクの寄せ集めであることから、音楽の流れはぶつ切りになってしまいます。ここが生演奏と比べて録音では体験できない部分です。

生演奏では音楽がスタートしたら終わりまでノンストップです。録音のように、たとえミスしたとしても、「もう一回やり直し」とはいきません。また録音と比べると当たり前ですが、粗というのが出てきます。録音のように最良の音作りにした演奏を生演奏では再現できないのです。録音ばかり聞いていると、いつも完璧な状態である録音と比較して、「ここでミスした」とか「ピッチが変だ」などと思ってしまいます。日本人はなおさらそういう傾向にあると思います。

しかし、音楽の流れというのは生演奏では感じ取れるものです。もし、演奏者がベストな状態にあり、なおかつ音楽の流れがとても良いものであった場合は聴衆に感動を与え、人によっては涙を流すということもあります。もちろん演奏者は機械じゃありませんから常に100%の力量を示すことができるわけではありせん。しかし、生演奏では演奏者と音楽の流れ、及び聴衆との波長が合えば感動体験を生み出すことができます。これは録音ではなし得ないものです。

音楽が好きな方は、たまにでいいので是非生演奏を聞いていただきたいものです。

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