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V調のVの和音② 一歩進んだ和声学 Part 21

前回からの続きです。今回はV調のVの和音をさらに細かく見ていこうと思います。

1 vVの3和音

vVの3和音は基本形、第1転回形が主に使われ、第2転回形は用いられません。

基本形の配置は高音位は自由で密集、または開離配分で配置します。

第1転回形の配置は根音高位のOct配分が最適です。しかし、根音高位の開離配分も使用されます。

(i) vVの3和音→D諸和音の連結

vVの3和音の第3音は限定進行音で、2度上行します。

ただしV7の和音、V9の和音(それぞれ根音省略形を含む)に進む場合は、半音階的関係をなす2音が存在するので、同一の声部で増1度関係に連結しなくてはいけません。

ただしvVの3和音→V7の和音第3転回形への連結においては対斜が許されます。(低音2度の予備も不要)

vVの3和音の基本形がI2_V(7)の和音に進むことはまれです。

vVの3和音第1転回形がI2_V(7)の和音に進むときは、ソプラノの根音を2度下行させます。

(ii) 先行和音→vVの3和音の連結

先行和音→vVの3和音の連結の際にも半音階的関係をなす2音が含まれる場合は同一の声部で増1度関係に連結させます。

2 vV7の和音

vV7の和音の配置は高音位自由の密集、または開離配分で配置します。
基本形には上3声に根音以外の構成音を配置するか、第5音を省略し根音を重複させる配置のどちらかを選ぶことができます。

(i) vV7の和音→D諸和音の連結

ここでの連結において、vV7の和音の第3音、第7音は限定進行音で、第3音は2度上行、第7音は2度下行します。

ただし第3音においては半音階的関係をなす2音が含まれている場合は同一の声部で増1度関係に連結します。

ただしvV7の和音→V7の和音第3転回形への連結においては対斜が許されます。(低音2度の予備も不要)

vV7の和音基本形→I2_V(7)の和音の連結の際は、vV7の和音の上3声は第5音省略の根音重複の形を用います。

(ii) 先行和音→vV7の和音の連結

こちらもvVの3和音と同じく、半音階的関係をなす2音が含まれる場合は同一の声部で増1度関係に連結させます。

3 終わりに

また一区切りとします。次回はvVの和音の根音省略形を主に取り扱います。

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