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50年代のロックンロールのリズムについて。

<50年代のロックンロールをリズムという切り口で聞く>
※以下、別のブログの記事を下敷きにそれを修正した記事です。
以前、チャーリーワッツについて書きましたが、ここでは少し時代をさかのぼって50年代のロックンロールのリズムについて書いてみたいなと思います。

といっても、固有名詞をたくさん入れて書くと長くなるし、学術論文みたいになってしまうので、そうではなく、「こういう観点で聞くと、面白いかも」という、切り口程度にして書きます(笑)

50年代のロックンロールがポピュラーミュージック全体に与えた影響については、とてもここでは書き尽くせませんが、なるだけ短く、極力シンプルに書いてみます(と言っても長い!)。

副次的には、大きな意味でのアメリカのポピュラーミュージックって、リズムの変遷とともにあるということの入り口の話になるかなと思います。

それらは多民族、地域、技術、メディアの変化を軸に、新しい音楽が生まれ、活性化が50年ほど続いたというか、文化史的に見ればそういうことかと思います。

その源流にあるものの一つで、「あとからだれも見てもわかるような形で開花したのが50年代のロックンロールだった」ということなのかなと。

この時代のロックンロールは単純だと思われがちですし、それも反面は当たっていると思うんですが、ただ、注意深く聞くと、単純にそうともいえないところもあるんですよね。

曲自体は3コードの曲、あるいはその変化形が確かに多いですし、曲は確かにシンプルなんですが、リズムは実際には割といろいろ工夫されているように感じます。

その理由は、チャーリーの記事でも書きましたが、根底あるもの、共通するものはロックンロールがダンス音楽として始まったということと深く関係していると思うんです。多様なリズムは、多様なダンスに呼応していたというか、そういうことでもあると思うんです。

現代の感覚からだけで、読み取ろうとすると、ロックンロールのリズムの多様性やダンス音楽であるという実感はつかみづらいです。そして、その多様性の「面白みがわからないんじゃないかな」と思うことが多いので、これを書きました。もちろん、良い悪いということではありません。楽しみ方はそれぞれですから。ただ、こういう切り口で聞くと発見があったりするかもしれませんし、それに同意してくれる人もいることと思います。

それに、こういう切り口で聞くことで、「60年代、70年代のミュージシャンのルーツにあるものが見えてさらに楽しめるようになるのではないか?」という話でもあります(笑)
つまり音楽の価値観の押し付けではなく、着眼点の提示に過ぎないので、気軽に読んでもらえたらなと。

<背景にあるものの違いによるリズム影響の違い>
では、具体的なところに入りますが、
50年代のロックンロールのリズムは、その根底にあるものとして
白人だと、カントリーやヒルビリーのリズムからの影響が強いですし。
黒人だと、ブルースやジャンプブルースのリズムからの影響が強いことは明白ですしね。

共通しているのがジャズからの影響ですね。これについては白人黒人問わず影響を受けている人が多いと感じますね。

当たり前なんですが、ここで大切なことは、それらが相互に影響をしあっていて、ミクスチャーされているということかなと。

当然、当時は「新しい音楽」であったロックンロールに手本はなく、もともとロックンロールをやっていた人はいないわけです。
そして、流行音楽としてのロックンロールが注目されることで集まってきたミュージシャンには、もともと自分がやっていた音楽があるわけで、それが上に書いたようなものであった、というところがすごく重要なところなんだと思います。

50年代のロックンロールはシンプルな音楽であることは間違いないですが、そういう意味では、実は、すごく演奏力が高い人たちがシンプルなものをやっているところが肝なので、実際のところ、彼らのように演奏ができている人たちは少ないと感じます(笑)これはモータウンの場合も同じですけど。

<アルバムで聞くチャック・ベリーから見えてくるもの>
私は、10代の頃、チャック・ベリーにはまった時期があるんですが、チャック・ベリーはアルバムで聞くとかなり多様なリズムを曲に取り入れています。

有名な曲はあの有名な彼のイントロ定番フレーズで始まるものが多いですが、アルバムで聞くとかなり多様なリズムでやってます。あれは意図的にですし、確信犯的にやってますので、すごいなと思うことがあります。しかもそれを自分流にしているというのが面白い(笑)

余談ながら、チャック・ベリーは断トツで50年代のアルバムがよいですね。バックはシカゴブルースの大御所たちが引き受けていたり、ギターの相方がボ・ディドリーだったりすることもあるので、なかなか興味深いですよね。

<のちに与えた影響>
話を戻すと、そうした音楽を若いころに聞いていた人たちが60年代初期を彩る「ロック」を開化させてゆくところが面白いですね。まぁ、それがまさに「British Invasion(ブリティッシュ・インヴェイジョン)」、いわゆる「イギリスの侵略)」となるわけですからね。

いずれにしても、「リズムに焦点をあてて聞く、思っている以上に多様性がある時代だった」んですよね、ある意味、今の時代より複雑で多様性があると思うこともあります。

逆に、聞く側がそのリズムの違いを聞き分けられてないだけなのかなと思うことがあります(笑)。知っている人は同意していただき、「なるほど」と、新鮮な気持ちで読んでいただいた方は、これを機会に、深堀していただければと思います(笑)

<まとめ>
ということで、まとめに入りますが、ロックロールを一例にしましたが、これに限らず、初期のR&Bや、ブルースやゴスペルやカントリーは、ある意味、新しい音楽のリズムの定義を創ったと思うんですよね。というか、新しいリズムの誕生が、新しい音楽のジャンルを切り拓いたというべきだと思います(これもいずれ記事にしてみようかなと)。

実は、この記事は「60年代、70年代初期くらいまでのロックドラマーの根底にあるもの」というテーマの前振りでもあります(笑)。

コメント欄でのやり取りも含めての、音楽の聴き方の語り合いの場のネタ的な記事になればいいかなと。

パイロットが地上でお互いの経験や意見を語り合う場として「ハンガートーク」というのがあるんですが、それの音楽版みたい感じになればなと思います。

初めて来てくださったかもいらっしゃるかもしれませんので、一応、以下、このブログの管理人がやってるYouTubeチャンネルになります。
60’s70’sのクラシックロックのカバーを中心にいろいろやっています。よかった、のぞいてみてくださいませ。
それでは、また。


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