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戸山祭映画技術 2章-1 音響についての基礎

戸山祭映画技術 「音」編です!今回は音響についての基本的な知識を書いていきます。音響とは何か、どういう発想で仕事をすればいいかという話ですね。この記事を足がかりに音響についていろいろググッていただけると良いと思います。詳しい事を書いてくとキリがないので…

映画音響の重要性

映画音響は映画の出来を左右するよ!

…そらそうですが、「なんで?」というところを説明していきます。

まず、人には五感というものが備わっており、そこから周囲の情報を拾っているのですがそれによる知覚の割合をご存知でしょうか。大体視覚が8割弱、聴覚が1割強と言われています。

…あれ、聴覚少なくね?っと突っ込まれるかもしれませんが、その通り少ないです。なので映画の主役は映像というのが実際のところだと思います。実際、映画もかつては無音の状態でも人気だったし、現代もあえて音をできるだけ削ぎ落とした映像作品がありますので、音がなくても映画自体は成り立つのです。

 つまり音響は脇役的なポジションに置かれがちなわけですが、脇役無しの映画はやはり物足りないでしょう。音には音しかできないことがあるし、重要なのは映画は映像と音の補完関係によってよりリアリティや訴求力を増すのです。

…みたいなことをここに書いてます。僕も大部分に同意します。だから、これ読んでください!僕の言いたいことはここにだいたい集約されてます。

特に音響を「構造的調和」「意味的調和」に分けて考察しているのは、とてもスッキリ言語化しているなあと思いました。この考え方があるだけで、映画の音響に対する価値観は変わると思いますし、その出来にも直結するはずです。

また、音響を効果的に使う上で言及しておきたいことがあります。それは圧倒的にコスパ(労力対効果のこと)がいいことです。
雨音の静けさも、足音が近づいてくる時の緊張感も、突然の物音で心臓を掴まれるような恐怖感を与えることも…全て良質な素材を差し込むだけで演出出来ます。これは使わない手はないよね。いい素材が置いてあるページはたくさんあるので、そのページは2章-3でご紹介します。

音をなおざりにする戸山祭の映画はかなり多いと思います。ですがそれは勿体ないことです。セリフが聞こえにくかったり、効果音にこだわらず安っぽいものになったりするとむしろ音響が映画の邪魔になることがあります。というか戸山祭の映画は音響が邪魔になっているケースが多い。ですが少しの手間や工夫、音に対する発想を変えるだけで映画は劇的に良くなります。

音響を分解する

音響と言っても制作にあたって工程ごとに分解してみると説明しやすいです。

録音による(撮影時):セリフ、(環境音)
素材による(編集時):環境音、効果音、bgm等

現場の録音による音源と、素材による音源について気をつけることや実際の仕事、役割はかなり違ってきます。

現場のマイクで録音された音源は録音環境は良好でなく、周りの環境音を上手く拾えていないため、リアリティや迫力に乏しく演出には物足りないです。なので現場ではセリフを鮮明に録音することが優先ですし、それが現場での音源の役割となります。

一方、webサイトなどで公開されている素材や音源はどれも録音環境が良好なため、音源の質が皆さんが現場でとったものより圧倒的に高いです。 つまり音響による演出効果を最大限得たいなら編集や素材によって音を後付けする方が良いですし、この演出効果が素材による音源の役割の中心となるからです。

セリフを鮮明にとることを主な役割とする現場の音源、演出効果を得ることを役割とする素材による音源と役割が違うことが、記事を分ける理由です。具体的な話をこちらの記事でしていきますので、出来次第読んでみてください👇

現場の録音による音源
素材による音源(編集)



繰り返しますが、音響は映画の出来を左右します!音響に対する理解を深め、自分たちのものにしましょう✊

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