生きる、はたらく、しごとする
「雨水は下へ下へ流れるもの。わたしらがこの地を借りて住まわせてもらってるんだから。せめて雨水のじゃまにならないように葺かないとね。無理に水の道筋を曲げるとね、水が滞ってろくなことにならないから」
「ここはね、山からの風が強いから、北側の軒に少し細工をするの。どれくらい空けるか?って、感覚だしなあ。気持ち、空けるの。気持ちね。そうすると台風のときも風が向こう側へ抜けるからね、少し安心なんだよ」
その土地を知る職人が放つ言葉には、説得力がある。あとから来たのは自分たちなのだか