皆さんはJリーグベストイレブンにも輝いた事のあるベッチーニョ氏を覚えていますか？

Jリーグ初期の頃にジュビロ、ベルマーレ、フロンターレなどで活躍し、139試合62得点という好成績を収めました。

2017年当時、そのベッチーニョ氏は、サンパウロ州2部昇格を決めたナシオナル・アトレチコ・クラブにて監督を務めていました。


筆者はベッチーニョ氏や色んな方々の親切心から、そのナシオナルのTOPチームでの研修を許され、練習に参加してきました。


筆者自身、Jリーグやカンボジア、ラオスなどのアジアではTOPチームも育成部も経験してきましたが、ブラジル、アルゼンチン、ペルーといった南米では育成部の経験しかしてこなかったため、非常に有難い機会を頂きました。

また、ミーティングでは、「文句を言うのはサッカーで1番簡単な事。でも文句を言ってプレーが止まっていてはさらなるピンチを招く。大事なのは味方がミスしてボールを奪われたのなら、すかさずフォローして奪い返す事だ」と説いていました。



流石に戦術の詳細は書けませんが、戦術練習などもコーチと協力しながら行っていました。

ナシオナルには、元FC東京や湘南ベルマーレでプレーしたエメルソン選手も在籍していました。

既に37歳ですが、ナシオナルでは10番を背負い、チームの中心として奮闘しています。


研修中はいつも話しかけてくれ、日本の思い出話などもしてくれました。

ベッチーニョ氏は現在ライセンスも取得中で、今年度中にブラジルのA級が取得出来るそうです。
次はPro級を取得して、日本での監督業も視野に入れているそうです。


このライセンスがなかなか曲者で、従来からブラジルには国内にライセンス制度があったのですが、これが欧州とやり方が違うという理由で、以前はブラジルのライセンスでも海外での監督業がokだったのですが、近年になってから急にNGになりました。

その影響で急遽ブラジルサッカー協会が欧州にも認められたカリキュラムで指導者ライセンスを発行し出したのが去年。

そのため、ブラジル人が海外で監督をする機会がここから数年は不利な状況に限られてしまいそうです。


現在ではブラジルではいくつかのライセンスが乱立する形になってしまっています。



新ライセンスを受講出来る人数も決まっているため、2017年時点では実力や実績はあってもまだライセンスは交付されていないために海外で監督出来ないケースもあります。


ブラジルでは欧州が有利になるやり方に批判や不満も聞こえていますが、善悪はともかくとして欧州のビジネスの上手さだという意見もあります。


このライセンス取得に必要なお金もなかなか高く、
C級:約20万円
B級:約25万円
A級:約35万円
Pro級:約63万円
となっています(2017年時点)

ブラジル人の平均月給は日本よりも安いので、現在では既にTOPにいるような人だけが取得しています。
それ以外の方は従来の国内のライセンスを取得しています。
詳しくはこちら！

ベッチーニョ氏率いるナシオナルでは各選手の体脂肪率も測定しています。
目標数値は体脂肪率12%以下で、12%を超える選手は赤い線で引かれ、来月までに減量を求められます。

本来ならブラジルのクラブは寮や食堂を完備し、選手の体調管理もするのですが、ベッチーニョ氏が監督に就任したこのタイミングには改築中との事で、来年の完成まで苦悩が続きます。

2017年現在、ナシオナルはブラジル全国選手権には出場していません。
州リーグでも3部から2部に上がるところ。
日本に例えるなら関東リーグ2部というところでしょうか。

そういう意味ではそこまで大きいクラブとは言えませんが、それでも選手はサッカーだけで生活出来るそうです。

また、練習の前後にフルーツやパンなどが用意され、疲労回復、筋肉の超回復に必要な栄養素を素早く摂取出来る環境があります。
この食事のサポートは是非日本でも普及して欲しいなと感じます。

ブラジルだと育成部でもこういった食事のサポートがあるのが普通です。

ナシオナルは選手の練習場、スタジアム、クラブハウス、事務所などが全てこの施設にあります。

また小さいクラブではありますが総合型スポーツクラブですので、サポーター用の体育館、テニスコート、公園、プール、フットサルコート、クラブ資料館などがあります。

入場料はうろ覚えですが、確か10レアル(200円)くらいだったかな？と記憶しています(違ったらすみません、修正しますので教えてください)

ブラジル州リーグ1部(全国は4部)のイトゥアーノFCなどもこんな感じですが、また違う取り組みなどもありますのでまた今度紹介します！