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2022年10月に読んだ本

今月読んだ本の、まとめ!

① アン・マキャフリー「歌う船」

1960年代に書かれたサイボーグSFの古典的名作。身体に障害を抱えて生まれた主人公は、神経を機械に接続して宇宙船の頭脳として生きることに。サイボーグ船である主人公は人間のパイロットと協力し、ときには喧嘩し、数々のミッションに立ち向かっていきます。

主人公は人間とは違う存在ではあるけれど、別に「人間」に未練があるわけではないのが印象的。自立した、強かに生きる存在としてのサイボーグが描かれます。

② 前野ウルド浩太郎「孤独なバッタが群れるとき」

前作「バッタを倒しにアフリカへ」の前日譚にあたる研究の記録。データや図版が豊富で、かつ軽妙な語り口で読みやすい本になっています。最新の実験装置を駆使する、という方向性ではないけれど、巧みなアイデア(と根気)でこんなにも研究ができるのだ…!

新書本は参考文献一覧がないこともしばしばですが、本書は参考文献付きでほとんどが英語論文。 後半にはMaeno, K. (著者)やTanaka, S. (指導教官)の名前がずらりと並ぶのには「現職の研究者」の風格が感じられます。

ところで表紙に写ってるのは著者近影らしいのだけれど、こんなピクミンみたいな著者近影をみたのは初めてだよ...

③ 廣瀬敬「地球の中身」

調査の難しさから「深海は宇宙よりも遠い」と言われたりもしますが、本書では更に深い場所、地殻内部のマントルやコアについて語られます。フィールドでの地質調査やラボでの実験、さらに数値シミュレーションを駆使して、直接観測が不可能な地球の内部の謎に迫ります。

本書を読む前は正直、「地球の中身が分かったからどうなの?」 という疑問もあったのですが、結構色々な話題につながるのが面白いところ。コアの対流で地磁気ができるから太陽風から守られてるとか、初期地球でマグマが固まる過程が生命誕生に重要だったかも、とか。


以上、今月の読書でした!

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