見出し画像

2022年6月に読んだ本

今月読んだ本の、まとめ!

① 芦花公園「ほねがらみ」

小説の登場人物が、自分の好きな本を語る… というシチュエーションが好きなのですが、この本では冒頭に「貴志祐介の『天使の囀り』でホラー小説にのめり込むようになった」というエピソードが書かれています。

登場人物の本の趣味と作家自身の趣味は必ずしも一致しないとはいえ、あの傑作ホラー『天使の囀り』の名前を出す以上、気合の入った本に違いない!と期待して手にとった本。

本文中でも言及があるのですが、三津田信三の「幽霊屋敷シリーズ」のような、様々な怪異譚を収集していくと... というタイプのホラー。作中で「収集された」ことになっている怪異譚の量が膨大で、しかもそれぞれ独立したホラーとしても面白い力作でした。

② 恒川光太郎「白昼夢の森の少女」

「雷の季節の終わりに」「夜市」「秋の牢獄」等の作品が好きで、恒川光太郎作品はよく読んでいたのですが、書店でふと未読の短編集を発見。
(実は前述の「ほねがらみ」でも、主人公が好きな作家の一人として恒川光太郎の名前が出てきます)

それまで単行本未収録だった作品をまとめた短編集とのことで、ホラーだったりSFっぽかったり、不条理文学風(?)な話と、ジャンルは様々。

本書の収録作では「銀の船」がお気に入り。この物語に登場する「銀の船」、ずいぶんと都合のいい設定なのでは、と思いながら読み進めていたのですが、実は…

③ 三津田信三「怪談のテープ起こし」

さらにホラーが読みたい気分が続いたので、三津田信三のおすすめ作品をネットで検索。自殺する間際に、カセットテープにメッセージを残す人がいる。それを集めて記事にしようとしたところ… という強烈なあらすじが気になって購入。

じつは上記のあらすじは、収録作の一つ「死人のテープ起こし」のもので、それを含めて6つの短編を収録。さらにそれらの6つの作品を執筆中にも怪異が起こっていて… というメタな物語が追加された、趣向の凝らされた短編集になっています。ホラーとしての恐怖と、ミステリっぽい(やや強引な)推理要素が楽しい。


以上、今月の読書でした!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?