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2022

2022年を振り返ります。

元日、このような抱負を掲げました。

今しがた読み返してみたのですが、いいこと言ってます。この文章を書いた人とわたしは気が合うだろうし、きっと好きです。一年前の自分を好きだと思えることは、ちょっと幸せかも。ただ、受け取り方を変えると、“成長していない”とも言える。タイトル通り、“ことば”は“わたし”よりも、ほんの少しだけ美しいので、実際的なことは一先ず置いておいて、こういう希望を描ける人には敬意を抱きたいと思います。こころから。

掲げた抱負は三つあり、いずれもベストは尽くせたのではないかと思っています。“対話”という方法を通して、一年前よりも上手になったのではないでしょうか。

年のはじめに、抱負を掲げる。

わたしにとって、これは大切な儀式で。数年前から継続しているのですが、振り返ってみると、年はじめの“決めごと”がその一年を現わしていて。意識していることが、時間と共に自然となり、いつの間にか忘れてゆく。忘れているけれど、そこに“在る”という状態が、最も理想的な気がします。

まさに、そういう形になりました。自然と自分の中に息づいた。毎年、理想的な思考や振る舞いを獲得できると(呼吸するように)うれしいな。

来年の抱負は、具体的な目標を掲げてみよう。

仕事とプライベート

仕事は、大好きな人たちと共にプロジェクトをつくることができたので満足です。たくさん対話の機会をいただいたし、それをことばで表現することができた。インタビュー、ライティング、編集、コピー、コンセプト設計、ネーミング、シナリオ、ファシリテーション、動画編集……さまざまなことにチャレンジした一年。あと、メインパーソナリティとして8年続けているラジオ番組『教養のエチュード』が11月で400回を迎えました。仕事によって、自分を磨かせてもらっています。来年はもっと主体的にプロジェクトに関わっていけるといいな。それから、スケールを大きくしたい。

プライベートは実は散々でした。昨年末にわが家に迎えた仔犬(クチュ)が大病を抱えていて入退院を繰り返してつらかった。また、4月に妻とわたし夫婦揃ってコロナウィルスに罹った。三途の川の手前まで行ったけれど、運良く二人ともこちらの世界に戻ってくることができました。夏には、一番上の犬(トム)が倒れて、生死を彷徨った(昨年夏は二番目ジュリアが瀕死の状態に)。家族、全員が大きな傷を負ったわけです。HPが真っ赤っか。ただ、幸運なことにラストエリクサーで全員復活できました。

考えてみれば、こういう緊急事態が続けて起きたから今年の抱負をより強く実感できたのかもしれません。神はわたしたちファミリーに試練をお与えになったのでしょう。みんなで乗り越えたぞ。やったー!

note

noteでは、哲学ドルチェを120本くらい書きました。

150日くらい毎日更新していました。いい頭の運動になったし、大切にしている考えをまとめることができてよかった。来年はもっとことばと遊びたい。ことば“で”遊ぶのではなく、ことば“と”遊ぶ。

オンラインCafeBarDonna(zoom)は、Twitter Spases版も含めて30回ほどひらきました。10月には100回のAnniversaryを迎え、感慨深いものがありました。コロナ禍からはじまったオンラインバー。やさしい止まり木、こころのセーフティーネットでありながら、実験の場であり、大切な対話の空間。

ここでの経験が、わたしを育ててくれたことは間違いありません。

そして、オンラインバーや対話パーティでの実験や思索を通して、対話を軸に書き綴っていったマガジン『シルキーな日々』。

購読してくださったみなさんに支えられ、書き続けることができています。このマガジンもコロナ禍からはじまりました。

また、4月には『クリエイティブ・ダイアログ』を発表。

「書く、読む、話す、聴く」の観点から、対話について論じたテキスト。クリエイティブな発想を導き出す対話術。ここで一度、形にできてよかった。形にすると、次に進めます。これを書く前と、書いた後では、自分の中に立てる問いの質が変わりました。書いてよかった。購入してくださった方、ありがとうございます。

対話パーティ

TwitterのSpacesは積極的。パーティ三昧の夜を過ごしました。

この記事に、一年分のレコードがあるのですが我ながら圧巻です。ライフワークの対話を、たくさんの人とご一緒させてもらいました。また「ことばの採集」、「こえの採集」、「ひとりパーティ」など、いろいろな試みができたこともうれしかったです。

対話って不思議なものです。「うまくなった」と思う時もあれば、「未熟だなぁ」と思う時もある。成長する度に、課題が明確になっていったり、わからないことが増えていったりする。そのような思索が日常に息づいていることは、わたしにとって幸福で。関わってくださったみなさんには感謝の気持ちでいっぱいです。

対話の訓練をする上で重要なことは二点あります。一つは、ひとりのひとと深く、長く、我慢強くお付き合いすること。パートナーのような存在。家族、恋人、仲間、親友……誰でもいいです。ひとりのひとを究めてゆくこと。浅く、広く、たくさんの人と対話するよりも、かけがえのないひとりと緻密に関係性を築き上げてゆくことの方がずっと対話のスキルは高まると思います。これは恋愛に似ていて、すぐに付き合って別れて、を繰り返す恋多きひとよりも、ひとりと長く深くお付き合いをしているひとの方が濃密な時間を過ごしている(気がしませんか?)。関係性から学ぶ内容の質が違う。より深く、より細部の課題と向き合うことになる。

もう一つは、魅力的なひとと対話をすること。たとえば、自分よりも経験や知識が豊富だったり、社会的な地位が高かったり、特殊な技術を持っていたり、器が大きかったり。そういうひとと対話をすると、ぐんっと引き上げてもらえます。自分の至らなさを実感できますし、確実に対話が上手になります。ロールプレイングゲームでいうと、もらえる経験値が変わってくるということです。失敗してもいいので、できるだけ魅力的なひとと話してみてください。はじめて自転車のコマを外す時のような感覚で。あたまで考える以上に、からだがその対話を覚えてくれます。いつの間にか、乗れるようになっている。

リアルな「対話の場」

週末だけの「対話の場」を、とBar Artをひらきました。

実際に会える場所をつくりたいと思ってお借りした空間。実際に、SNSで知り合った方とお会いできることもしばしば。特にアメリカとルワンダから帰国された方々が会いに来てくださった時は、喜びも一入で。特別な時間を共に過ごすことができました。

さらに「会いに行きます」と連絡をくださる方が、たくさんいらっしゃったのですが、出張が重なったり、タイミングが合わなかったり。文筆の仕事の兼ね合いが非常に難しいこともあり、店に立つことの難しさを体感したことも事実です。

“Bar”という空間が好きなので、来年はオンラインバーとリアルバーとを組み合わせつつ、理想的な形を模索してゆきたいです。

そして、リアル店舗のCafeBarDonnaは12月で無事13年を迎えることができました。いつも応援してくださるみなさん、どうもありがとうございます。

ダイアログ・デザイナー

不思議ななまえ。

昔から名乗っているようで、肩書にしてから実はまだ二年半。「対話をデザインする」という矢印をどーんと掲げ、今日まで来た。矢印を形にしたおかげで、進むべき道が明確になったし、そこを重点的に発掘できました。目に映る世界を、“対話”というフィルター越しに観察した二年半。手探りの日々。

当時、書き記したものを読み返してみました。

「対話(ダイアログ)」によってアーティストやクリエイターの魅力を引き出し、文章に落とし込むクリエイティブ・ダイアログを提唱。

インタビューを通してインタビュイーに新しい発見や利益を与えていく。対話の中で、新しい価値を築き上げていく。そのようなクリエイティブな空間をつくる。「対話」をデザインするという意味を込めてダイアログ・デザイナーと命名しました。

この時の方がシンプル。わかりやすい。

対話について考えて、こねて、ちぎって、くっつけて、を繰り返すうちに、“対話”の可能性にこころ震え、概念が拡張してゆきました。わくわくしながら彷徨った二年半。膨らんだものを、磨き上げてゆく段階に入った感覚があります。石の上にも三年。そう、半年後には自信を持って「ダイアログ・デザイナー」としてプレゼンできる何かを形にしたいと思います。

つらくて、楽しい一年だったな。

悲しいことも多かった。悔しいことも多かった。でも、逃げることなくすべて味わった。それが、わたしの強さに変わってゆく。もちろんうれしいこともたくさん。

年が明けるのが楽しみだ。

いつも読んでくださるみなさん、どうもありがとうございます。読んでくださる方の存在にたくさんたくさん救われました。たくさんたくさん成長させてもらいました。今よりも魅力的な文章や対話を表現できるようになって、恩返しがしたいです。

来年もどうぞよろしくお願いします。



「ダイアログジャーニー」と題して、全国を巡り、さまざまなクリエイターをインタビューしています。その活動費に使用させていただきます。対話の魅力を発信するコンテンツとして還元いたします。ご支援、ありがとうございます。