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なぜ私がイタリア生活をやめたのか

そんなこんなで、なぜイタリア撤退を決めたのか。

それはもう、イタリアに目的がないからです。

おかげさまでローマのサンタ・チェチーリア国立アカデミアもコロナ騒ぎの中、準首席で修了しまして、

ロックダウンし放題のイタリアに仕事なんてないし、

ま、そんな中でも、なぜイタリアに住みたいか、というWhyがちゃんとあれば、乗り越えられるはずです。

自分にはもう、それはきれいさっぱり消滅してしまいました。

最終的に、これだっという専門領域は室内楽になりまして、

歌手のかたとご一緒するのでも、歌曲が専門になりまして、

そうすると、シューベルトとか、シューマン、シュトラウス、など

イタリアにいながらドイツ語をいっぱい扱うことになりまして、

イタリアでドイツ語を勉強するという、とっても意味わかんないことをしていました。

器楽の室内楽領域でも、

ベートーヴェン、ブラームス、ショスタコーヴィッチ、モーツァルト、ハイドン、アレンスキー、ラフマニノフなど、

いっぱいやったんで、

イタリア音楽などゼロ、ゼロ、ゼロですから

イタリアにいる意味などないわけです。

オペラやらないならイタリアにいる意味ないです。

もうそこの生きる目的を失っているのに、滞在許可証の更新とか、

がんばる気力などないし、

イタリアに住んでいるのが、ただのヴァカンス状態にしかならないんで、

すっぱり私の人生から切り離しました。

サクッと。

別に日本に帰りたいとかはなかったんですけど、

どうせなら国変えてみたいとか、

そういう気持ちもあったんですけど、

片手間でイタリアの滞在許可持ってても、

意味ないんで、

今持っているものすべて清算して、

なんにもなかったことにして

一回自分の人生更地にして

とりあえず日本に不時着しました。

別に帰りたくないですけど、不時着です。

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