でくの坊のうた

「でくの坊」です。愛と希望と平和につながることを書きたいと願います。が、その過程で個人…

でくの坊のうた

「でくの坊」です。愛と希望と平和につながることを書きたいと願います。が、その過程で個人の心の暗部も世界の不穏も見つめなくてはならないでしょう。詩と川柳とエッセイなどを通じて、生きることの意味の深さや真実の健やかさを探りたいと思います。イエス・キリストへの祈りを土台として。

最近の記事

聖書のうた 今日という道の上で

1 愛されている そんな実感はありますか 傷つけている そんな気づきはありますか 今日という道のうえで 誰かの息を吸ったり 誰かへ息を吐いたりしながら 2 どれほどの溜め息が空へあがっていくのでしょう どれほどのかなしみが地へおりてくるのでしょう 今日という道のうえで 誰かと合わせたい指先を たがいに伸ばしあっているのに

    • 聖書のうた 誕生日

      1 六歳になるんだよ! あと一週間なんだよ! ―孫娘が電話口ではずんでいる そうか、誕生日ってゴムまりみたいにはずむんだ! 2 ぼくのはじめての記憶は五歳の夜 チチとハハの別れ話をきいた夜 その後、誕生日は何度もきたけれど 弾んだ記憶はない みたい 3 息子の誕生日におよめさんがいった ―夫のお父さんになった日 おめでとうございます! 誕生日が二度きた ようで 胸がちょっとふくらんだ

      • 聖書のうた ほどく2

        1 大の字に寝ころぶと 欲のこころが体からスーッと抜けていく 平和の心がフンワリと入ってくる あゝゆるされている  という気持ちになる 2 イエスさまが大きく両手を広げて 呼んでおられる 笑いながら ―さあ、ここへいらっしゃい! あなたの鎖をわたしがほどいてあげる

        • 聖書のうた ほどく

          笑顔 今日の笑顔に真心があったろうか 気取った心、威張った心、小ずるい心、卑屈な心… ―ウン、今日はなかった気がする ご近所のお婆ちゃんへも、スーパーの店員さんへも、かかりつけのお医者さんへも ウン! 秘訣 くよくよしない それが長生きの秘訣だよ! ―おばあちゃんのホッペのしわが笑った 大地も揺れた、大波もかぶったさ でもこの身一つあれば まだこの世のお近づきになれそうだよ

        聖書のうた 今日という道の上で

        マガジン

        • これも神さまの証しかな?
          6本
        • 「救い」って何だろう?
          7本
        • 〈自分教〉Ⅰ
          4本
        • <自分教>Ⅱ
          4本
        • 母の記
          8本

        記事

          詩ー虐(しいた)げる親たち

          ー「子殺しの唄」をきいたか いま流行(はやり)  トラウマ 1 怒りの子は しこたま腹にマグマを貯め込んでいる ヒガイシャ意識がウジウジ巣食った腹に 導火線は短い 年寄るごとに更に短くなった あゝ恋うるは優しさ 人生への情け深さだ! 2 五歳の記憶は五十年消えぬ そう書いた トラとウマが 動悸の止まぬ老後を引きずり回す しあわせを死合わせと取り違えるような白髪頭よ 謝礼だけは払って退場せねば 幾人かには

          詩ー虐(しいた)げる親たち

          詩ーダンゴムシ哀歌

          1 クモもミミズもゲジゲジも素手では無理 でもダンゴムシなら平気 つまんで手のひらにのせると 黒い塊が 必死になってイノチをかくまう 2 ダンゴムシを手のひらでもてあそぶ 弱虫いじめのワルモノ みたいな気がしてくる おもしろいというだけで命をいじくり回す ワルモノ 3 じっとしたまま手のひらでころがる ちっちゃいちっちゃい黒いいきもの 指先でつついても文句一ついわない しだいしだいにかなしくなってくる

          詩ーダンゴムシ哀歌

          〈信仰くねくね〉力を抜いたら

          力を抜いたら ゆっくり 深い 息ができるようになった 力を抜いたら 頬のピクピクが消え ほほえみたくさえなった 力を抜いたら 世界とわたしの間に優しい橋が架けられた気がする ●読んでくださり、感謝します!

          〈信仰くねくね〉力を抜いたら

          〈メメント・モリ〉「お金は大事だよお」のCM

           「よおく考えよう!」―子どもたちが合唱する。「お金は大事だよお!」。  生命保険会社のCMである。医療費は高いから保険に加入して備えましょうという主旨だろう。  だが、大事なのはお金だ、と子どもたちに叫ばせる。節約奨励の歌?  いやいや「銭ゲバ」教育の歌だろう? とツッコミたくなる。笑顔があふれている合唱なので、なおさら不気味な気がする。  ここは「いのちは大事だよお!」ではないのか、生命保険会社なら。 「よおく考えよう! いのちは大事だよお。 そまつにしないでよお。 不調

          〈メメント・モリ〉「お金は大事だよお」のCM

          〈メメント・モリ〉いのちの連凧

          1 車椅子で葬儀に参列した老人 押しているのは初老の息子 頬がこけて うつむき加減で だが 喪服にきちんと身を整えて 遺影をじっと見上げ それから 血管の浮き出た手をちょっとだけ上げた  2 きょうの送り人のなかに  あす 送られ人となるひとがいる 棺に納められた人よ 天までのびるあの連凧のように 遥かなイノチの糸にしっかりとつながるがいい そうとおくない日 わたしも送られ人となって そのはるかな糸に連なろう ●読んでくださり、感謝します!

          〈メメント・モリ〉いのちの連凧

          〈信仰くねくね〉「救い」って何だろう? 7

          笑顔にできることばは? 不安だとつぶやくひとに ―心配しないで となぐさめる 痛いとうったえるひとに ―気のせいだよ とはげます 丈夫なひとや 楽しんでいるひとはみな 自分の重荷を棚にあげて うつむく心も ゆがむ体も 影さえ消せずにうめいているのに 不安なこころや苦痛なからだ それをちょっとでも笑顔にできる それはどんな言葉なの? ●読んでくださり、感謝します!

          〈信仰くねくね〉「救い」って何だろう? 7

          「り」の字はうたう②

          どんぶり がっしり でんぐりがえり 真っ向勝負のお相撲さん どんより まんねり のーらりくーらり 霞が関に忖度(そんたく)茂る でっぷり もっさり ぴーりぴり 危険な国のアブナイ彼等、ゾクッ! こっそり にんまり かなしばり 詐欺師どもめが弱きを喰らう よくばり すっぱり わらぞうり さあさあ足を洗って仰げ、陽を! すっきり しゃっきり どひょういり 愛の仲間に入らん、いざ ●読んでくだ

          「り」の字はうたう②

          「り」の字はうたう

          おしゃべり でしゃばり みえっぱり 自分大好き 注目してよ! つっぱり でっぱり めだちたがり 心をほしがる愛飢え男 こわがり しょんぼり ひきこもり ぐらりと崩れた自信とやら どっきり びっくり しゃっくり おいおい、 驚(おど)かさないでくれ! どっしり ゆっくり じっくり まあまあ、スッキリするまで悩んでみたら しんみり じんわり ちょっぴり いっぱい泣いたら、さっぱり梅酢のサラダ

          「り」の字はうたう

          〈信仰くねくね〉「救い」って何だろう? 6

          上司Aさん わたしをダイキライダと公言する上司がいた すること為すことみなキライダと 転属になって別れわかれになったが ある日ふと思ったのだ ―彼は ほかの誰より わたしに関心をもっていてくれたんじゃないか ―すること為すことキライってこと それはつまり わたしのすること為すこと みんな 関心一杯でみていてくれたんじゃないか 名前を憶えてくれない上司 平気で間違う上司 歳下なのにクン付けで読んだ上司 そんなひとたちよりずっと 彼はわたしを知ってく

          〈信仰くねくね〉「救い」って何だろう? 6

          〈信仰くねくね〉「救い」って何だろう? 5

          でもクリ 1 「それでもクリスチャン?」「これでもクリスチャンなんだけど…」の「でも…クリ」は、「敬虔なクリスチャン」という、クリスチャンを形容するときの決まり文句同様、クリスチャンにはイタイものです。「自分はツミビト、とうていひとに誇れる者でありません」という自覚が強ければ強いほど、自分はやはり人から見てもダメなクリスチャンなのかと、こころが疼くのです。 2 短歌風に 「でもクリ」と「敬虔な」とは同じこと キリスト教徒をへこます言葉 「クリスチャン、君はそれでも?

          〈信仰くねくね〉「救い」って何だろう? 5

          〈信仰くねくね〉「救い」って何だろう? 4

          神さまの透視力 ぼくには透視力がないので 今きみがどこに居るかわからない どうして心が通じないのかわからない どんなことで傷ついているのか どんな悩みでつらがっているのか なぜメールの返事をくれないのか なにも見えない 何もわからない だからぼくは祈る 透視力をもっている神さまに ―ぼくの声になって届けてくださ い ぼくの目になって見てください  ぼくの耳になってきいてくだ さい ―神さま  ぼくの全部になってください  君の

          〈信仰くねくね〉「救い」って何だろう? 4

          〈メメント・モリ>死者の眸1

          死者の眸1 ―死者がわれらを値踏みする 1 ちょっと遅れて来るかなしみ まぶたの奥に水滴がたまるまでの時間 ―遅刻だぞ 骨壺のなかで優しい声がぼそっと 2 きみは今日もウロウロしているのか 棺よりうんと広いこの世界で 死者の惑いはおさまったというのに きみの相変わらずの胸騒ぎはどうだ ―生きてる奴らの騒々しさったら!  死者がそう嘆きそうじゃないか ●読んでくださり、感謝します!

          〈メメント・モリ>死者の眸1