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安否確認のためのお弁当配達

シルバーマンの私、シルバー人材センターから仕事の依頼がきた。

一人暮らしの高齢者のお宅にお弁当を届ける業務だ。
シルバー人材センターの担当者の説明によると、お弁当の配達を利用した安否確認が第一の目的らしい。親と遠く離れ別居している家族からの依頼だそうだ。この業務の依頼元は地元の社会福祉協議会だ。

配達の要領を覚えるために先週の金曜日、シルバー人材センターの職員とその日の配達に同行した。

この日の配達件数は10軒。配達時間も15時から始めて17時までに完了しなければならない。
一番遠くの配達地点は、出発地点から30km近くあった。

地図でお宅を探しながら、たどりついたと思っても声かけをしても反応がない。テレビの音声は奥から聞こえてくるのだが、大声を出しても反応がない。玄関先から電話をかけてみる。電話の呼び出し音が鳴るのが聞こえた。その音に反応して「はいはい」とご本人の声が聞こえる。
人の声と、電話の呼び出し音は周波数が違うのがよくわかる。
電話で安否確認が完了した。玄関に弁当を置いておくと伝える。
これで一軒完了だ。

この時点まで配達したのは6軒、時間は16時15分。日没が近づいている。最終地点まで20kmあまり。間に合うだろうか。

あっと言う間に日が暮れてしまった。雨が降ってきた。風も出てきた。10軒の内の9軒目のお宅が極めつけだった。
ご自宅までの道路が非常に狭いため軽自動車でもすれ違いはできない。
ショートカットする歩道があるのだが、そのショートカットの方を選んだ。その歩道がすべて登りの階段なのだった。段数にすると200段近くあっただろうか。階段は石段で雨と枯れ葉で滑る。息が切れた。足がパンパンだ。

そのお宅に弁当を届けると感謝の言葉をかけてもらった。

最後の一軒に配り終わると時間は17時20分だった。
そこから事務所に戻ると18時をとうに過ぎていた。

翌日は太もも、ふくらはぎが筋肉痛だった。

この依頼された業務は 来週の月曜日、水曜日、金曜日から始まり、12月いっぱい続く。

高齢者の入り口に立った61歳の自分。何年か先に逆の立場になるのかと考えてみたり・・・

とりあえずは、要領よく、間違えずに、忘れることなく、利用者、依頼者に迷惑をかけることなく、ちゃんと業務ができるか、シルバーマンの真価が問われる。


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